ゆりかもめーる。

人生はrhythm BAR.

Asiantum blue.

2005-10-08 11:10:46 | Art
アジアンタムブルー    角川文庫
   大崎 善生

サークルの友達のAいちゃんとJゅりーに薦められて読んだ本。

最初の方から最後まで、私に訴えかけてくる言葉が多くて正直苦しかった。
何回も読むの止めようと思ったけど、なんだかんだで結構短時間で読みきってしまいました。

主人公の山崎という男性が、心から愛する彼女の葉子という人物をがんで失う前と後の描写をうまくリンクさせて描かれている作品だけど、
大切なものを失って無気力になっている主人公の気持ちがとても理解できて苦しかったし、
それを理解できている自分も嫌で苦しかった。

読んでいてとても思ったのは、この物語は人が死にすぎるなぁ・・ということ。
死に方は様々だけど、ちょっと読んでいて気味悪かった。


では、私の心にグサッときた表現を紹介します

何もかもがうまくいっていたはずなのに。何かが起こるまでは、その直前まではきっと何もかもがうまくいっていたはずだったのだ。

必ず最後に残る、もう巻く余地の無いゼンマイを無理やり締め上げた時の、いやな感触。

自分という人間が葉子の死のショックによって分解して粉々に砕け散ってしまっている。それまでは、それなりに組み合わされているパズルだった自分が、葉子というたった一片が抜けただけでばらばらに崩壊してしまっていた。

それに気が付いて生きるよりは、知らないでその時を迎えるほうが幸せということもあるんじゃないかなあ

僕は怖かった。捨てきったはずの望みが、心の底に頭をもたげてくることが怖かった。


まあ、こんな感じです

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