北京五輪では、女子のフィギアスケートでワリエワ選手を指導していたコーチのエテリ・トゥトベリーゼという女性が、ワリエワ選手が演技中に数回転倒して戻ってきたときに、優しい言葉をかけずに「なぜあきらめたのか」という厳しい言葉をかけたことで、世界中から非難を受けています。ですが、ロシアは国を挙げてのドーピングや、成果主義の独裁国家で生きているのですから、私は、このコーチには同情しかありません。
基本的にドーピングや人を物のように扱う態度には反対しますが、コーチの厳しい言動を否定してばかりでは人は育たないと思います。
このコーチは、10代の有望な選手の中に対し、100グラム単位といわれる体重管理を含めた食事制限や薬物使用、あるいは厳しいトレーニングにより、ザギトワやメドベージェフといった名前を聞いたことがある選手を育てて、メダルをとらせています。
私が危険だと感じたのは、最近の報道に多い、全ての厳しい指導を否定する姿勢です。「楽しんできます」とか、「笑顔がいい」とか、ばかりです。才能があって、それで成果が出る人ばかりではないですよね。カーリング女子の成果を持ち上げていましたが、何か、うさんくさいです。これは、メンタルトレーニングだっただけでしょう。
私もスポーツをやってコーラの色をした尿が出たり、体脂肪も絞りきっていたことがありますが、個人によるのですよね。頭が筋肉と揶揄されるような人は、竹刀で殴られてもなんともないのですよ。そして、厳しい指導がこたえない性格や精神力なので、厳しくしないと成果が出ないのですよ。相撲や柔道などのスポーツは、そういう人が多いでしょう。日大の先日捕まった理事長のような感じですかね。そういう人は、上の人の命令が絶対ですから、人間としての幅がないのですよ。独裁国家と同じです。(どこかの国に似ていますね。)
過去において、愛知県で相撲部屋で稽古をしていた人が厳しい体罰で亡くなった事件がありました。その亡くなった方は、頭が良かったのだと思います。ですから、厳しい体罰に矛盾を感じたり、そうした馬鹿馬鹿しい指導に反発しますし、精神的にもきつくて、指導に従わないので、より厳しい体罰が加えられ、亡くなってしまったのだと思いました。
ところで、私の知っている中学生でも、部活で担当の先生に認められているうちはよかったのですが、先生が転勤して、新しい先生になると指導の方法が変わり、認められていないと思って、不良になってしまった子がいました。男子は、敏感ですからね。
このように、男女の特性もありますし、個人の特性、体格などいろいろな要素があるので、スポーツのコーチは難しいのですよね。私も一時期、小学生に教えていましたが、私の方針は小学生のうちは楽しんで親しむことを目的にしていました。しかし、親は厳しい指導を求めてくる人が多かったですね。子供をしつけてほしいと思っているのですよ。自分でやれよと思いますが、それが現実なのですよ。
表題に書いたように、スポーツのコーチにはどのような指導者であるべきかの正解はないと思います。ただ、子供にスポーツをさせるときには、不幸な結果にさせないためにも、できるだけ、子供を中心に考えて、才能を伸ばそうという指導姿勢がみえるコーチを選んだ方がいいと思います。
また、始めてみて、合わなかったら辞めてもいいのですよ。団体競技だと、下手だと邪魔になるからそのように扱われるケースもあるのですから、それを親は理解して、身を引くとか、どのようにその中で生きるかを考えて行動させるとか、才能の開花する時期は子供によって異なるのですから、信じて地道に続けるとか、いろいろなことを考えながら、最悪のケースを避けてほしいと思います。
そして、親が、指導をコーチに全部投げるのではなく、基本には親子関係があり、親は子供を絶対守るのだという覚悟をもちながら、子供中心で優しく、厳しく育てるということですよね。正解はないので、試行錯誤しながらですよ。