イギリスの情報機関「GCHQ」の長官が安全保障に関する講演を行いました。「RUSI」(講演の場所と思われる英国王立防衛安全保障研究所:世界で最も古い英国のシンクタンク)と書かれた青いボードを背景にした映像がテレビに出ていたでしょう。
講演内容は、ロシアと中国に関するものでしたが、日本の報道はロシアに関するものばかりでした。皆さんには、ロシアと中国については、安全保障上の脅威は同じだということを認識していて欲しいと思います。
それで、インターネットの記事を拾ってみると、10月12日付けのTBSニュースでは、「英情報機関トップ「ロシア軍は疲弊している」」という見出しです。同じく同日付けのテレ朝は、「英情報機関トップ「ロシアは弾薬が底を尽きつつある」」でした。両方をくっつければ、講演内容の一部になります。つまり、ロシア軍は疲弊していて、弾薬や人員などが底を尽きつつあるということです。
しかし、この講演では、中国に関しても述べられているのです。日本の報道は省いているのですよね。そして、重要なのは、安全保障上の脅威はロシアも中国も一緒だということです。
イギリスの報道機関であるBBC(英国放送協会)は、講演の原稿を手に入れているらしく、ロシアばかりでなく、中国のことも書いています。しかし、私が今朝、BSNHKのニュースで見た香港のテレビは、ウイグルの人権についても触れていました。最後には、しっかり、中国の報道官が否定したとの内容を入れていましたが、インターネットの記事には入っていませんでした。
おそらく、BBCのネット記事では人権問題は外したのだと思いました。日本国内での記事なので、忖度したのかと思いました。
10月11日付けのBBCの記事では、中国がテクノロジーを操作することで国内外に影響を持ち、(世界の人を)監視しようとしているとか、技術移転によりその国の経済や政府を作ろうとしているとか、デジタル通貨により取引を監視しようとしているとか、衛生システムが個人監視に利用される恐れがあるとか書いています。
日本のテレビでは、ほとんど情報提供されないようなことばかりです。日本の報道では、アリバイ作りのように、ウイグルの人権問題やアフリカでの借金漬けによる国の支配(中国人労働者の輸出も兼ねている。いざというときの兵隊ですからね。)を少しは報道しますが、詳細な中国の脅威はしません。それどころか、中国がこれらの問題を否定する映像を流すのですよね。
なぜなら、中国と日本の報機関は協定を結んでいるそうで、実質的な検閲を受けているのですよね。BBCなどは英国国内で放送したことで、中国国内で放送禁止の処分を受けていると思いますよ。中国ではNHKも映りますが、都合の悪い場面は突然消えるそうですから。
私が皆さんに言いたいのは、ロシアの戦争による脅威ばかりに目を取られていると全体が見えなくなるということです。アメリカと英国は特別な関係があると思われます。両国の情報機関のトップが中国の脅威を発言したこともニュースになっていたでしょう。
日本国民も、もっと、共産主義や社会主義、そして独裁国家の本質を理解して、その行動を注意深く見ていないと、気がついたときには、攻撃されてしまいますよ。
いつも報道は日本人のために仕事をしていないと書いていますが、誰のために仕事をしているかということは、重要なことですよね。皆さんには、そういう気概を持って、仕事をしていただきたいです。