さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

わらえない・・・どころではない

2015-12-10 18:00:00 | 倫勝寺の日々

12月7日。 

日付が変わって間もなく、であるから深夜である。

このところお仕事が続いてぐったりしていた拙僧、知り合いの若い?僧侶とイモ焼酎飲んで早めに床に就いていたのであった。

夢を見る間もなく枕もとの電話が鳴る・・・世間の大体の住職の枕元には電話が置いてある(かもしれない)。

この時間にかかってくる電話は、大体お仕事の電話と相場が決まっているので、快活とはいかないが、努めて冷静に「はい、倫勝寺です」と電話に出ると・・・

 

「こちら、セコムです。お寺の防犯センサーが作動して弊社の緊急対処員が現場に急行しましたところ、泥棒に入られたようです。

ガラス戸が壊れていて、金庫がお寺の前に引きずり出されています。警察にも通報しました。」(係りの方は、実際はもう少し詳細に話をしてくれます)

 

なあにイ、どろぼうだとオ!

 

冗談ではない、今年に入って保田のお寺は2回もさい銭泥棒の被害にあっている。2度あることは、って・・・おいおい・・・今度は横浜かよ~(+_+)

急いで着替えをし、家人に声をかけて、お寺に急行。

セコムの警備の人、警察官のかた、すでに数人がお寺の前であれこれ見分をしている。

眼を凝らすと、暗闇の中に大きな塊のようなものが・・・げげげ、事務所の金庫が前庭に投げすててあるではないか!

事務所はと見ると、ガラスが割られて中からブラインドがひらひらと力なさげに揺れている・・・

「住職です、ご面倒おかけします・・・」

挨拶しながら金庫のところにいくと警察官の方が、

ここまで引きずってきたようですね、ここで金庫明けようとしてガンガンやったようですが、あかなかったので諦めて捨てていったようです、と説明してくださった。

痛々しいまでの金庫の様子である。

大きなバールか何かでガツガツやったであろう、金庫は扉がゆがみ、内部に詰められているコンクリートまでこじられている。

しかし賊の凶暴なその悪の力に負けず、金庫はその体内に託された貴重品を守り抜いたのであった・・・・・

よくやった、我慢したな、えらかったぞ、金庫。(翌朝、解錠された金庫の中から、すべての物が無事に取り出されました)

その姿はまるで、打たれても打たれても立ち上がって向かっていき、そしてついに息絶えたボクサーのよう・・・抱きしめてやりたくなるような気持にさえなった住職であった。

 

鑑識の人がサッシ戸や室内の指紋や足跡を採取する間は中に入れないので、待つしかありません。

やられたのは事務所だけか、それとも本堂まで泥棒が入ったのか・・確認ができないのでひどく不安になる。

次々と警官がやってきて、あれこれ質問される。

「こんな寒いところじゃなんですから」と警察車両に招き入れられ中で事情を聞かれる。テレビで見たことのあるあんな感じである。

防犯カメラを付けてあることを話すと、鑑識の仕事が一段落したら見せてください、という。

金庫をガンガンやってた場所が、ちょうどカメラの撮影角度の中だったのできっと写ってるはず。

 

こんどこそ!サルがイタズラするわきゃないんだから、犯人、写ってるぜ!

 

おっとり刀で駆け付けた家族も、不安げに見守るばかり。

少し離れたところで何か見つけたらしい警官がやってきて、確認してほしいものがあるという。

「これらもオタクの事務所のものですか」

指さす先の道路に散乱しているものは、なんと隣の瓦屋さんのものと思しきノートや名刺、書類など。

うわ、ということは瓦屋もやられてる!

急いで瓦屋事務所にいってみると、なななななな!案の定、ドアがはずされて侵入された模様。

 

年配の警官が「やり方が荒っぽいなあ、覚せい剤やってるヤツかも」と、ひとこと。

金が入ってないからって、ふつうは盗んだものを目につくようなところに捨てていかないよなァ・・・

 

ん~、覚せい剤かあ・・・あるかもしれない。怖いなあ。

 

不安にかられて、今は空き家になっている旧庫裡を刑事さんと点検。

異常なし。   ふう。

考えてみれば、お寺のごく近辺にある金属リサイクルの会社や自販機など、この1年でみんな盗難にあっている。

大型の重機が盗まれたりもしてたし。

この場所、狙われやすいのかな・・・・夜中は暴走族や走り屋が集まるし・・。

 

鳳倫閣にもどってみると、鑑識がひと段落して中に入れることになりました。

事務所の中は・・・・(◎_◎;) あちこちにガラスの破片と書類や現金封筒が散乱。

くっそー(; ・`д・´)

 

鳳友の会社の人もかけつけ、早速警察の方と一緒に防犯カメラの確認。

セコムさんから聞いた緊急信号発報の時刻を参考に、録画された映像を確認していきます。

時間を特定して再生してみると・・・・

 

おお、写ってる!(゜д゜)!

 

アナログ画像なので、超バッチリ、とまではいかないけど、男女2人の犯行であることや、服装、髪形、車の車種までばっちり。

4台ある防犯カメラそれぞれにしっかり写っています。こいつらかあ・・・・

これで警察の画像解析ソフト使えば、いろんなところ隅々まで見えるんだろうな。

 

よほど運転が下手なのか、それとも酔っぱらってるのか、セコムと鉢合わせしてお寺から逃げるときに何回も車を切り返ししています。

挙句には車止めのポールにぶつけています。

直したばかりの新品ポールにぶつけやがて・・・・・(; ・`д・´)

逃げたと思ったら、急にバックしてきてみたり。不可解な行動ばかりです。

う~ん、覚せい剤かあ・・・・・

 

時計が2時半まわったころでしょうか、刑事さんに保土谷警察から連絡が入ってきました。

「男女2名の泥棒が捕まりました。現場は保土ヶ谷区今井町の会社事務所。」

女は見張りに出ていたところを、男は事務所内で物色していたところを捕まったようです。逃げたあと、さらに事務所荒らしに回ったんだな。

聞けば乗りつけた車種も色も同じ。同一犯とみて、ほぼ間違いないようです。さすが日本警察!

 

(翌日聞いたところによると、やはり覚せい剤常用者だったようで、二人のうち一名はすぐに入院させられたほどだとか。警察もセコムも危険な仕事だなあ。)

 

ビデオの確認をしたり、お寺の各所を確認して回ったり、指紋や遺留物の撮影をしたりするのに協力したり、自分の指紋を取られたり・・・。

いろんなことをお手伝いして、とりえず今日はここまで、と声がかかったのは午前5時まえ。

まもなく摂心7日目の止静が入る時間。

急いで掃除をし、机やコピー機を移動してガラス片を処理し、割れたガラス代わりに段ボールを貼り、朝になったら修理の連絡をする打ち合わせをして、終了。

私はそのまま坐禅に。鳳友の社員さんはいったん自宅に帰って、再出社。

長い長い夜でありました。

 

とりあえず捕まったのはよかったけど・・・・

セコムさんに聞いたら寺社の場合「防犯センサー発報一回」の時はセコムだけが出動。「センサー二回発報」の場合、ただちに警察に緊急連絡とのこと・・・・これって・・・・・?

今回のような覚せい剤常習者が犯人の場合、たまたま揉みあいにならなかったからよかったようなもので、相手が刃物でも持ってたらどうするんだろう?

私らが現場に急行して犯人と鉢合わせしたら、最悪、殺されちゃうな。セコムの警備員にしたって同じこと。

 

笑えないぜ?💀

(写真はありません)

さんぜのまなざし goo別院 1512

 

 



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