さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

わらえない

2015-07-28 13:30:00 | 倫勝寺の日々

 

毎年7月13日は、保田の昌龍寺お檀家さんの棚経巡廻の日であります。

例年通りの巡廻予定を組んで、準備は万端、さあ、気合いを入れて・・・とおもっていたところ、であります。

東京の棚経巡廻中のワタシに、寺族さんから電話がかかってきました。

 

「昌龍寺にまた泥棒が入ったようだ。いま役員さんから電話があった」

「賽銭箱から、かなり抜かれたらしい。今、警察に来てもらって現場検証をしているところ」

「窓ガラスや台所の扉、あわせて3カ所ほどが破られ、侵入されたらしい」

「正月の事件後に取り付けた防犯カメラが真下を向いている。泥棒が姿を見られないよう、下に向けた可能性がある」

「防犯カメラの本体から、指紋のようなものが検出された」

「明日、鑑識がきて防犯カメラの画像を確認したいので、方丈さんにも立ち会ってもらいたいといっている」

 

何ということか・・・正月前後に盗難事件があったことは以前にもお伝えした通りであります

とりあえず、御本尊様や文化財は無事。襲われたり怪我した人もいないということでひと安心。

でも、この半年余りで2回も盗難に遭うとは・・・しかも防犯カメラまでで設置したのに・・・・悔しいったらありゃしない。

 

 

しかし!防犯カメラを下に向けるなどというバカなことをしたなら、

きっと泥棒の顔が録画されているはず!

本体に指紋も付いているンなら、泥棒クン、君の自由な時間は、もう残り少ないのだよ、ふふふふふふふ。

 

 

翌日早朝、現場に行きました(もちろん棚経もありますので)。

見れば、前回破られたのと同じ台所のサッシが割られて中に侵入した形跡あり。

さらに、本堂と庫裏の間のサッシ、本堂の木戸扉、計3か所が割られて侵入されたようです。

よく見るとガラスの割れ方が前回と違い、何かで叩いて割った様子。

前回は硝子カッターできれいに硝子を抜いてありました。きっちり仕事をしていった感があり、まさにプロの犯行をうかがわせるものだったのですが、今回は違う犯人のようです。

防犯カメラも真下を向いていて、なにもかも素人をうかがわせる感じです。

一緒に棚経を巡回してくれている大学時代からの友人、衣笠氏も「ありゃ、まああ、馬鹿な奴」との感想。

 

 

午後3時に鑑識の方が来るとのことで、それまでに棚経を終えるべく、朝8時から2人元気に棚経巡廻を開始。

巡廻の先々で、泥棒が入ったんだって!?と聞かれる始末。小さいコミュニティーでは、あっという間に情報は走ります。

 

 

普段から誰か住んでいればいいのですが、先年、留守居をしてくれていた女性が亡くなってからは、法事や草刈り、掃除の時の点検、近所の方の見回りしか中に入る機会はありません。

お檀家さんがしっかりした方々ばかりなので安心していたのですが、そんな親切に頼ってばかりいるわけにはいかない現実を突きつけられた感があります。

しかも今年2度目。

 

さて、巡廻を終えて寺に戻ってくると、ほどなくして巡査の方が2名、お寺の役員さんも数名集まってきてくれました。

館山警察から鑑識の方が到着し、いよいよビデオ画像の確認を開始します。

鑑識のお二方、若いのにとっても立派に見えます。

キミらの頭脳で、泥棒を特定してくれい!期待はいやがおうにも膨らみます(^-^)

 

近所の鈴木総代さんが、わざわざ大画面のパソコンをもってきてくれました。あきおちゃん、ありがとう。

防犯ビデオの膨大な録画データから、泥棒が入った時間を特定するために、忍耐強く画像を確認して行きます。

「前回草刈りをしたときには何もなかったから・・・きっと@@日以降だ」

みんなか固唾を飲んでパソコンの画面を見つめています。すると、ある日を境にこれまで境内全域を写していたビデオ画面が、突然、玄関先の玉砂利だけを写すようになりました。

「!!ここだな!!!」

居合わせた全員に緊張が走ります。

「ゆっくり巻き戻せ」

警察の上司らしいヒトが、パソコン操作をしている人に指図します。

役員さんも、緊張の汗を、何度もぬぐっています。

 

「あっ!!!何か動いた!!」

ついにその時がやってきました。

泥棒クン、キミの自由な時間は、もう残り少ないぜ・・・・

 

ほくそ笑んだその瞬間・・・・・・・・・・・

 

「あれ? これって・・・?」

鑑識課員の驚きとも絶望ともつかない声がちいさく響きました。

画面左上の隅に、ちいさな人間のようなモノが写っています。

ちょっと手の長い、裏山あたりでよく見かけるヤツ、のような・・・・・・・・・そいつは屋根瓦に手をかけて、まるで運梯(うんてい)をわたるようにカメラに近づいてきます。

ふっと姿が見えなくなったと思ったら、次の瞬間、画面上の左右に子供のような細い指が写りました。

防犯カメラ本体のカバーを、あれこれいじっているようです。

 

「あ”」

ぐらぐらしたと思った瞬間、カメラは下を向いてしまいました。

期待と興奮と正義感とに満ちていたその場は、一瞬にして、あきらめと絶望とゆる-い苦笑いに支配されてしましました。

泥棒の顔どころか、写っていたのは・・・・

 

 

「サル・・・・かよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そう、子猿だったのです。カメラを下に向けてしまったのは・・・・(T_T)

 

まさか、泥棒がサルを使ってカメラを下に向けてしまったとは考えにくい。もしそうだとしたら、相当な凄腕の泥棒です。

 

泥棒は、知ってか知らずか、真下を向いた防犯カメラの前を通って本堂や庫裏に侵入し、まんまと賽銭を盗み出したのでしょう。

 

くそーーーーーーーー(T_T)

 

その後のビデオ解析の結果、サルがカメラをいたずらしてから10日ほどの間に侵入されたと判断され、

その間、だれもカメラが下向きになっているのに気がつかなかったことを猛反省することになってしまいました。

 

気の毒に思った鈴木総代さんのお母さんが、大きなスイカを警察や役員さんみんなにふるまってくれました。

 

「あの指紋って、もしかしてサルのやつ?」

「おお、たぶん・・・・・」

 

シャリシャリシャリシャリ・・・

 

スイカを齧る音だけが本堂に静かに響いた、7月13日、お盆の迎え火の日でありました。

 

防犯のこともありますので、画像はアップできません。ご了承ください。

今度は本堂の中にカメラつけよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

毎日のように35℃近い気温が続いておりますが、ひまわりは「どや顔」で元気に咲いております。

ひまわりを見てると「負けてらんねェ!」って気にもなりますが、特別は用事でもない限り、日向に出て行こうという気にはなれません。

自然はスゴイ、ですね。

    

もっとも、元気に咲いているのは石塚さんはじめ、草友会の方々が毎日お水をあげてくれているからなんですが・・・・そうなると、やっぱり草友会の方々はズゴイってことになりますね。

草友会のみなさん、毎日暑いところ、ほんとうにご苦労様です。

      

瑠璃玉アザミもそろそろ終わりに近づいてきました。

今日はここまで。

 

さんぜのまなざし goo別院 1507



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