史実を元にしていても、事実とはいろいろと解釈が違う、ということもあるようですが・・・・
アカデミー賞四部門を受賞した名作です。
イギリスという国は、自国の歴史をエンタメで仕上げてアピールするのが、とっても上手な国だなあと、感心します。
ヒトラーのナチスドイツとその仲間を、英国は敵とみなすぞ!という演説は、当時のドイツと同盟国だった日本のその後の、戦争の惨禍を知っていると、複雑な思いはありますが。
アルバート王子(ジョージ6世)は、子供のころからのプレッシャーやコンプレックスもあって、自分が英国王になるなんて絶対に嫌でした。
彼は吃音障害に悩みながらも、奥さんと子供を(姉妹の妹の、後に女王になるエリザベスが、これまた小賢しくて扱いにくそうな・・・)不器用ながらも愛情を持って大切にして、ヨーク公の立場のままでいたかったのに。
お父さんの後を継いで英国王になるはずだったお兄ちゃんがぐれて、シンプソン夫人との不倫の揚句に、王位をアルバートに押しつけて、まる投げして逃げちゃって・・・・・・・
一方「言語療法士」という表札を出しながらも、実は無資格の、ライオネルは、いい歳をしても「役者志望」のまま、家族には満足な暮らしはさせてやれないけれど「良いお父さん」で。
そんな
複雑な時代に、ちょっと脛に傷を持つ「おじさん」の生きざまが、繊細な心理描写で描かれている映画です。