SF傷だらけの天使 15話
高野山小学校の高根分校↑
「じゃあ、明日から早速始めるか」
「そうだねえ」
「サツマイモは、どのくらいあるんですか?」
アキラが答えた。
「今、試しに焼いたから、あと二十個くらいです」
「それじゃあ、足りないわあ」
「じゃあ、追加しないといけないなあ」
「常に五十個くらいは必要だと思うわ」
「アキラ、また調達に行くか」
「どこに行くの?」
「まずは、麻田さんのところ」
「あるかなあ?」
「麻田さんって?」
アキラが答えた。
「このサツマイモを売ってくれた農家です」
「まだ、あると思いますよ、農家は普通は小出しにするんです」
「小出しに?」
「普通、サツマイモは取ったら、すぐ売るんじゃなくって、二週間くらい、それ以上寝かせてから売るんですよ。貯蔵すると甘くなるんです」
「詳しいですねえ」
「わたしの実家も農家だったんです」
「サツマイモは寝かせておいたほうが甘くなるんだ?」
「はい」
「じゃあ、アキラ、今から行ってみるか!」
「行こう」
「わたしも行きます」
「アニキ、無かったらどうしよう?」
「うん?」
「とにかく今は、やれる範囲のことをやるしかないわ。さあ、行きましょう!」
「そうだねえ」
「欲張ったらキリが無いわ。それなりにやるしかないでしょう」
「そうだねえ」
ショーケンは感心した。
「小島さんは強いねえ~~」
「女は強いんですよ~~」
「そうかもねえ」
「この焼き芋、持って行ってやろうよ」
「そうだなあ」
「行く前に電話すれば?」
「そうだなあ」
「場所は、どこなんですか?」
「高野山病院の裏の方です」
電話が終わると、三人は自転車に乗り、麻田洋子の家に向かった。
家に着くと、すぐに洋子が出て来た。
「ショーケンさん、待ってました!」
「サツマイモ、まだあります?」
「ここには、もうありませんが、畑に行けば沢山あります。小屋に貯蔵してあります」
「それ、分けてもらいます?」
「いいですよ、いくらほだ?」
「さしあたり、百個ほどあったら助かります」
「いいですよ、そのくらいなら」
「ありがとうございます」
「じゃあ、畑に行きましょう」
「遠いんですか?」
「ちょっと遠いです。山道で坂が多いので、自転車じゃ無理です」
「そうなんですか」
「家のクルマで一緒に行きましょう」
三人は、洋子の運転する軽自動車に乗り込んだ。
「高野山小学校の高根分校の近くに畑があります」
木造の古い校舎が見えて来た。よう子が呟いた。
「わ~~~あ、ノスタルジック!」
「今は廃校になってます」
「そうだねえ」
「サツマイモは、どのくらいあるんですか?」
アキラが答えた。
「今、試しに焼いたから、あと二十個くらいです」
「それじゃあ、足りないわあ」
「じゃあ、追加しないといけないなあ」
「常に五十個くらいは必要だと思うわ」
「アキラ、また調達に行くか」
「どこに行くの?」
「まずは、麻田さんのところ」
「あるかなあ?」
「麻田さんって?」
アキラが答えた。
「このサツマイモを売ってくれた農家です」
「まだ、あると思いますよ、農家は普通は小出しにするんです」
「小出しに?」
「普通、サツマイモは取ったら、すぐ売るんじゃなくって、二週間くらい、それ以上寝かせてから売るんですよ。貯蔵すると甘くなるんです」
「詳しいですねえ」
「わたしの実家も農家だったんです」
「サツマイモは寝かせておいたほうが甘くなるんだ?」
「はい」
「じゃあ、アキラ、今から行ってみるか!」
「行こう」
「わたしも行きます」
「アニキ、無かったらどうしよう?」
「うん?」
「とにかく今は、やれる範囲のことをやるしかないわ。さあ、行きましょう!」
「そうだねえ」
「欲張ったらキリが無いわ。それなりにやるしかないでしょう」
「そうだねえ」
ショーケンは感心した。
「小島さんは強いねえ~~」
「女は強いんですよ~~」
「そうかもねえ」
「この焼き芋、持って行ってやろうよ」
「そうだなあ」
「行く前に電話すれば?」
「そうだなあ」
「場所は、どこなんですか?」
「高野山病院の裏の方です」
電話が終わると、三人は自転車に乗り、麻田洋子の家に向かった。
家に着くと、すぐに洋子が出て来た。
「ショーケンさん、待ってました!」
「サツマイモ、まだあります?」
「ここには、もうありませんが、畑に行けば沢山あります。小屋に貯蔵してあります」
「それ、分けてもらいます?」
「いいですよ、いくらほだ?」
「さしあたり、百個ほどあったら助かります」
「いいですよ、そのくらいなら」
「ありがとうございます」
「じゃあ、畑に行きましょう」
「遠いんですか?」
「ちょっと遠いです。山道で坂が多いので、自転車じゃ無理です」
「そうなんですか」
「家のクルマで一緒に行きましょう」
三人は、洋子の運転する軽自動車に乗り込んだ。
「高野山小学校の高根分校の近くに畑があります」
木造の古い校舎が見えて来た。よう子が呟いた。
「わ~~~あ、ノスタルジック!」
「今は廃校になってます」
アキラ「なんだか切ない雰囲気だね~~」
「小学校の頃は、この近くに住んでいたんですよ」
「だから、畑がここにあるんだ」
「そうなんです」
「じゃあ、小学校は、この学校?」
「そうです、ここです」
「何人くらいいたの?生徒は」
「全学年で九十人ほどでした」
「少ないねえ」
「わたしの学年は、十五人でした」
畑に着いた。
「柵に触れると、動物除けの警報音が鳴りますので、注意してください」
アキラは驚いた。
「お~~、触るところだった!」
「今、リモコンで警報機のスイッチを切りますから」
ショーケンは、畑全体を見ていた。
「広い畑ですねえ」
「大したことはありませんよ」
「いろいろとやってるんですねえ」
「はい」
木造の小屋に案内された。
「どのくらい入用ですか?」
「そうですねえ、とりあえず百ほど」
「それじゃあ、中に入って選んでください」
「はい」
三人は、中に入り、選別して、洋子から渡された袋に、サツマイモを入れて出て来た。
ショーケンは、洋子に代金を払った。
「ありがとうございます」
「また来ますので、よろしく」
「はい。それ重いので、自宅まで届けますよ。どこですか?」
「転軸山のドームハウスです」
「ひきこもり革命軍の?」
「はい、そうです」
「じゃあ、ショーケンさんも、ひきこもりなんですか?」
「違いますよ」
「でしょうねえ~~」
よう子が助言した。
「あそこの半数の人は、ひきこもり革命軍とは関係ないんですよ」
「そうなんですか」
ドームハウスに着いた。ショーケンとアキラは、自宅にサツマイモを入れると、また戻って来た。
「ドームハウスの中って、どうなってるんですか?今度、見せていただけません?」
「いいですよ。いつでも」
「今日は、いいです」
麻田洋子の自宅に着いた。
「いや~~、どうもありがとう、洋子さん。助かったよ」
「どういたしまして」
三人は、晴れ晴れとした気分で、電動アシスト自転車のペダルを踏み込んだ。
高野山の鐘が、午後の五時を告げていた。カラスも、どこかに向かって鳴きながら飛んでいた。アキラが、カラスを見ながら歌いだした。
カラス なぜ鳴くの~~~ ♪
「小学校の頃は、この近くに住んでいたんですよ」
「だから、畑がここにあるんだ」
「そうなんです」
「じゃあ、小学校は、この学校?」
「そうです、ここです」
「何人くらいいたの?生徒は」
「全学年で九十人ほどでした」
「少ないねえ」
「わたしの学年は、十五人でした」
畑に着いた。
「柵に触れると、動物除けの警報音が鳴りますので、注意してください」
アキラは驚いた。
「お~~、触るところだった!」
「今、リモコンで警報機のスイッチを切りますから」
ショーケンは、畑全体を見ていた。
「広い畑ですねえ」
「大したことはありませんよ」
「いろいろとやってるんですねえ」
「はい」
木造の小屋に案内された。
「どのくらい入用ですか?」
「そうですねえ、とりあえず百ほど」
「それじゃあ、中に入って選んでください」
「はい」
三人は、中に入り、選別して、洋子から渡された袋に、サツマイモを入れて出て来た。
ショーケンは、洋子に代金を払った。
「ありがとうございます」
「また来ますので、よろしく」
「はい。それ重いので、自宅まで届けますよ。どこですか?」
「転軸山のドームハウスです」
「ひきこもり革命軍の?」
「はい、そうです」
「じゃあ、ショーケンさんも、ひきこもりなんですか?」
「違いますよ」
「でしょうねえ~~」
よう子が助言した。
「あそこの半数の人は、ひきこもり革命軍とは関係ないんですよ」
「そうなんですか」
ドームハウスに着いた。ショーケンとアキラは、自宅にサツマイモを入れると、また戻って来た。
「ドームハウスの中って、どうなってるんですか?今度、見せていただけません?」
「いいですよ。いつでも」
「今日は、いいです」
麻田洋子の自宅に着いた。
「いや~~、どうもありがとう、洋子さん。助かったよ」
「どういたしまして」
三人は、晴れ晴れとした気分で、電動アシスト自転車のペダルを踏み込んだ。
高野山の鐘が、午後の五時を告げていた。カラスも、どこかに向かって鳴きながら飛んでいた。アキラが、カラスを見ながら歌いだした。
カラス なぜ鳴くの~~~ ♪
補足
1982年に休校となった高野町立高野山小学校 高根分校(和歌山県伊都郡高野町林18)は、かつて和歌山県にあった小学校です。国道317号線から少し外れた集落内にあり、現在もその校舎は残されています。中に入ることはできないものの、校舎の外観は美しく保たれており、当時元気に通っていた子どもたちの姿を思い浮かべることができます。また校庭には創立100周年を記念する石碑やひょうたん型の池が残されており、その歴史の長さをうかがい知ることができます。
風の中のあいつ OP 1973 歌:沢田研二
空戦・袖飛車 & 空戦・石田流