以前、街角の園芸家の方とお話していたとき、「知らない人が夜中に鉢植えを置いていった」みたいな話を聞いたことがありました。
お花屋さんと間違えて入ってくる人もたくさんいるらしい、店頭に鉢植えがぎっしり置かれた喫茶店。
なにかの事情で育てられなくなった人が「ここなら大切にしてくれるかもしれない」と、里子に出すように置いていったのでしょうか。
しばらく持ち主が表れなかったので、店主さんは別の鉢に植え替えて、今では別の植物と一緒になって店頭を飾っていました。
言葉だけじゃない、植物を介したこうしたやり取りは面白いなあと思います。
「もし玄関前に見知らぬ鉢植えが置かれていたら……?」
そんな妄想を短い小説にしてみました。
先日、文学フリマ東京で出品したものを、マルシェルでも少しだけ販売します。
もしご興味あれば、お手にとっていただけると幸いです。