はみだす緑と、はみだす人生

街角のちょっとした隙間にはみだす緑を愛でる筆者が、はみだす緑と、筆者自身のはみだす人生について綴るブログ

短編小説『玄関前に見知らぬ鉢植えが置かれていた』

2023-05-31 21:16:50 | はみだす緑
以前、街角の園芸家の方とお話していたとき、「知らない人が夜中に鉢植えを置いていった」みたいな話を聞いたことがありました。
お花屋さんと間違えて入ってくる人もたくさんいるらしい、店頭に鉢植えがぎっしり置かれた喫茶店。
なにかの事情で育てられなくなった人が「ここなら大切にしてくれるかもしれない」と、里子に出すように置いていったのでしょうか。
しばらく持ち主が表れなかったので、店主さんは別の鉢に植え替えて、今では別の植物と一緒になって店頭を飾っていました。
言葉だけじゃない、植物を介したこうしたやり取りは面白いなあと思います。

「もし玄関前に見知らぬ鉢植えが置かれていたら……?」
そんな妄想を短い小説にしてみました。

先日、文学フリマ東京で出品したものを、マルシェルでも少しだけ販売します。
もしご興味あれば、お手にとっていただけると幸いです。

心に植物を秘める

2023-04-30 22:11:44 | はみだす人生
鉢から育ちに育ったシェフレラや、子株がたんまりとついてビッグダディー一族並に大家族のサボテン。舗装のひび割れで勝手に育つカタバミ。
街角という異質な環境ながら飄々と居場所を開拓して生をつないでいるように見える植物の姿には、惚れ惚れしてしまいます。



数年前に展示をしたときに、まちで見かけた植物の写真を古い雑誌とコラージュした「植物人間」シリーズに挑戦しました。




電車の前に座る人は、ご近所のあの人は、植物で例えるとどんなキャラクターなのかな。
清楚なファッションで物静かそうに見える人が、実は棘棘したサボテンのように激しいエネルギーをたぎらせていたり。
地味なおじさんに見える人が、鉢いっぱいの君子蘭のようにパアッと陽気で楽しい人物だったり。
そんなことを想像しながら作りました。

人間界で生きていると、他の人とちょっと違ったことをするのに及び腰になってしまいがち。
でも誰しも心の中に、植物のように制御できない部分を隠し持っているのかも。
それをうまいこと出せたら、生きやすいですよね。

最近、そのときに制作したコラージュでポストカードを作りました。
セットで販売中です。よかったら、ぜひ。


街色採集

2023-03-24 22:03:32 | はみだす生活
もう10年以上になるでしょうか、街角で目に留まった「色」の組み合わせを「色採集」しています。
不定期ですが、インスタにも写真を投稿しています。



バケツや壁、看板、光と影、洗剤のボトル、葉っぱ、野菜の段ボール、テント、水槽、自動販売機。

人工物から自然物、そこに常設されているものや偶然生み出されたもの。素材や状態問わず、「色」目線で街を歩きながら眺めてみると、かわいい色の組み合わせって思いがけずいろんなところに潜んでたりします。

↑湯河原の商店街のテント

↑スーパーの駐車場

↑窓辺のティッシュの箱

↑バケツとホースと自転車の青

↑下北沢の工事現場

台湾は、バケツやチリトリ、市場で売られている洋服が派手派手で楽しかった。



コツコツと撮りためた「色」をZINE『街色採集』にしました。
実は2019年に第一弾を作ったのですが、そこから新たに撮りためたものなどを取り入れ、再編集しました。





マルシェルで取扱中です。
お手にとっていただけるとうれしいです!

根っこ福袋

2022-10-31 20:10:20 | はみだす根っこ
街を歩いていると、ついつい根っこに目が留まってしまうという人はいませんか。
私だけですか。




根っこアイテムを存分に身にまといたいという方に向けて、「根っこ福袋」をご用意しました。



鉢からはみだす根っこが刺繍されたTシャツに、これまで見てきた数々の思い出深い根っこを絵柄にした根っこ手ぬぐいに、根っこのハンコが入ったセットです。



Tシャツは、根っこの刺繍の上にお花のブローチを添えると「根っこがはみだした花」に、ネコのブローチなどを上に添えると「根っこがはみだしたネコ」になりますよ。
ぜひ思い思いのアイテムから、根っこをはみ出させてみてはいかがでしょうか。

路上園芸学会は、路上で日々はみ出し続ける根っこを引き続き応援し続けます。


鉢からはみだす根っこセット

2022-09-30 09:38:28 | はみだす根っこ
どこへいても根無し草のような気持ちを抱えながら生きてきた私ですが、だからなのでしょうか、植物の「根っこ」に妙に惹かれてしまいます。



鉢底から根っこがこぼれだし、しっかりと地面に根ざす様子は生命力を体現しているかのよう。
植物は人とは違う時間を生きています。
人間が決めた植木鉢という枠なんて、関係ないぜとばかりに伸び、はみだし、成長する根っこの姿に、どこかすがすがしさを覚えるのかもしれません。



数年前、そんな根っこへの思い溢れ、「根っこ手ぬぐい」を作りました。



ほそぼそとイベントなどで手売りしていましたが、今回マルシェルに出品してみようと思います。
紺地に白で、首に巻くと模様に見えるので、隠し根っこコーディネートとしておすすめです。



さらに今回は、根っこのハンコをおつけした「鉢からはみだす根っこセット」です。



「いい根」「がんばってる根」「たのしい根」「また根」……
様々なメッセージを添えて、お手紙やメモ帳に押してみませんか。




路上園芸学会は、路上で日々はみ出し続ける根っこを引き続き応援し続けます。