はみだす緑と、はみだす人生

街角のちょっとした隙間にはみだす緑を愛でる筆者が、はみだす緑と、筆者自身のはみだす人生について綴るブログ

『街角図鑑』に寄稿しました

2020-08-31 23:21:57 | はみだす緑
ガスメーターや配管、室外機、電気メーターなど、街の中に身近に存在するもの。道路や踏切、公園など、よりスケール大きく周りを取り囲んでいるもの。さらにはダムや鉄塔など、街と街の間に跨がるもの。
街中には直接的・間接的に自分の生活に関わる無数のものが存在しますが、細かく識別されることはほとんどないばかりか、目にすら留まらないことも多いのではないでしょうか。

街の景色の中に確かにありながら、見えているようで見えていないものに、あらためて注目してみよう、という本『街角図鑑 街と境界編』(三土たつお編著・実業之日本社)に、路上園芸の項目で写真と文章を寄せました。

 
この本で取り上げられている項目は、何かしら意図を持って計画的に設置されたものがメインですが、路上園芸は計画されたものの合間を縫って、街の曖昧な隙間に進出したり越境し行われるもの。
『街角図鑑』のトピックの中でも、他の著者の皆様の隙間にはみだしたような存在であります。
しかし人の園芸愛や植物の生命力がはみだすことによって生み出される独特の景は結構味わい深い。ぜひ他の項目と見比べつつお楽しみいただければ幸いです。

著者のお一人である内海慶一さんもこの記事で書かれていますが、この本は各トピックの「中の人」ではなく、鑑賞者が参加しています。
ひたすら「見る」、しつこく「見続ける」ことで、「自分にとって役立つ」「役立たない」「意味がある」「意味がない」から切り離された、そのもの自体のゴロリとした姿が立ち現れてくるのかなあ、なんて思います。

『街角図鑑』は第一弾が2016年に発売され、そちらにも路上園芸の項目で参加いたしました。

 
この本がご縁となり、著者の三土さんや編集者の磯部さんをはじめ、本の著者の方々とここ数年、何度も街歩きをご一緒させていただきました。
これが本当〜に楽しい!
マンホールや送水口、段差ステップなどなどは、その場所に存在することになんらかの意図や意味があります。その背景を読み解くと、背後にいる無数の仕事人の方々の姿が見えてくる。
特にマンホール愛好家の方々と歩いたときは、蓋に刻印された情報から地下を流れるインフラを即座に読み解く姿が、探偵のようでカッコよく痺れました。

それに触発され、私も少しでも植物の名前を覚えたいな、と思うようになり、最近は暇さえあれば植物図鑑を眺めております。
植物の名前や好む環境、原生地の特徴がわかると、街で見かけた植物から「ココにコレが生えてるってことは、この場所はこういう環境なのかな?」「コレはどこかの植木鉢から逃げ出してきたのかな」「コレは誰かが勝手に植えたのかな?」という背景や動態が見えてくる。
その場で自然と育まれた佇まいそのものの美しさを味わうのも楽しいですが、そうやってロジックを読み解くのもまた楽しいものだな、と思うようになりました。

まだまだ酷暑が続きますが、暑さが和らいだら『街角図鑑』を片手に、いろんな街をブラブラしたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。