らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

1476.ビートルズ・持続音による音の厚み

2009-11-20 | 12.THE BEATLES
 いずれの時代の音楽でも「持続音」は楽曲におけるひとつの重要な
構成要素となっています。通奏低音、コントラバスの低弦の音、管楽
器の響き、コーラス・・・。そして、ポピュラー・シーンにおいても
現在のシンセサイザーに代表される持続音が、楽曲に厚みをもたせる
効果を創出しています。

 ビートルズにおいては、ラスト・アルバムとなった“ABBEY ROAD”
で駆使される「ムーグ・シンセサイザー」に至るまで、様々な試みに
よって「持続音」を楽曲に取り入れてきました。

 その中で「4人」らしさをもっとも表すものとして「コーラス」が
あげられるでしょう。「ベース+ドラムス+ギター×2+ヴォーカル」
という基本構成をもとに「いかに音を厚くしていくか」、4人は次第
に模索していくことになります。コーラスと同時に忘れてはいけない
のは「ハーモニカ」の採用です。もっとも「持続音」という意味では
‘Love Me Do’や‘Please Please Me’のようなリード・ギターでも
同等な効果を得られる利用法ではなく、‘I'll Get You’や‘Little
Child ’のようなオブリガート的な利用です。そのような意味では、
‘Not A Second Time ’のヴァース中に流れる「ピアノ」の音も同様
の利用法です。

 中期になると、彼らは「持続音」を得るために使用する楽器の幅を
積極的に広げました。‘We Can Work It Out’の「ハーモニウム」や
‘She Said, She Said’の「電子オルガン」です。‘Yesterday ’や
‘Eleanor Rigby ’にみられる「弦楽器」の導入も「持続音」を語る
うえでは忘れてはいけません。そして‘Strawberry Fields Forever ’
における「メロトロン」に発展します。

 このあたりになるとレコーディング形態も複雑になり、初期の頃の
「一発録り」はほとんどみられなくなりました。楽器によるものだけ
ではなく、多重録音によって音を厚くするわけですが、同時にそれは
4人だけのライヴではレコードの音を再現できないことを意味します。
このことは、彼らのコンサート活動の休止の一因になっているのでは
ないでしょうか。また、注目すべき点として、ジョージのインド音楽
に対する傾注があります。“SGT.PEPPER'S”の楽曲の中で数多く利用
された「タンブーラ」もまた、「持続音」による音の厚みを創出する
効果を発揮しています。



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