【写真:“Jambo”(左)と“Casino”(右) 2007年04月15日17時49分撮影】
ジョン・レノンは、ビートルズ時代の初期から一貫してギブソンの
“J-160E”(通称「ジャンボ」)を使用した。また、中期から後期に
かけては、エピフォンの“ES-230TD”(通称「カジノ」)を使用した。
この両者には「面白い共通点」がある。それは、同じタイプのピック
アップが搭載されていることである。具体的には、ギブソンの“P-90”
が両方の楽器に搭載されているのである。
理論や技術よりも感性に鋭いジョンのことなので、このP-90の存在
を認識していて楽器を選択したとは考えにくいが、結果としてP-90が
搭載されている楽器が彼の愛用楽器となったことは面白いことだ。
“J-160E”に実装されたP-90
ただ、J-160Eについては、ピックアップで音を拾いアンプを通して
演奏する楽曲が、時期的に限定されていることから、ピックアップの
仕様云々は副次的なものであり、アコギとしての必要性が採用の主要
要因であろう。
“ES-230TD”に実装されたP-90
1965年から1966年にかけて、ジョンは“Rickenbacker325 ”の後継
となる楽器を、いろいろと試用していた感がある。カジノの他にも、
フェンダーの“Stratocaster”やグレッチの“6120”などの楽器が、
当時スタジオで使用された。そして結局1967年になり、「カジノ」に
落ち着いたようである。
ギターのピックアップは、フェンダーの“Stratocaster”に代表さ
れる「シングルコイル・ピックアップ」とギブソンの“Les Paul”に
代表される「ハムバッキング・ピックアップ」とに分類される。その
中で“P-90”は「シングルコイル系」に分類されるが、シングルコイ
ル系のトーンの特性である「クリアでトレブリ」なトーンとは、また
異なった印象をもつ。そのトーンはシングルコイル・ピックアップと
比較すると「リッチでファットなトーン」なのである。ジャズの領域
で“P-90”を搭載したギターが多くのプレイヤーに使用されたのは、
そのトーン特性が評価されたからだと思われる。
解散後、ジョンはあるテレビ番組でギブソンの「レスポール・ジュ
ニア」を抱えて登場した。この楽器に搭載されているピックアップが
“P-90”であることを付記しておく。
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シングルコイルの一種と思ってましたが、シングルコイルとはまたちょっと違うのですね。
ジョンはファズとか歪ませること多かったし、柔らかい音色も使ってたから、ヘビーで音色の甘いハムより、ソリッドなシングルコイルが合ってたのだ~なんて思ってましたが、まだまだ奥深そうですねえ。
リッケンバッカーは、トースターと呼ばれる独特の形のピックアップとシングルコイル系の二種類があるそうですね。これももう少し知りたいところです。
ジョンが使ってたのはトースターの方だと思いますが・・・。
リッケンバッカーの「トースター」。
ポールの4001Sにも確か実装されていたかと思います。
近々、いろいろと調べてみますね。