その矢はより高く

2013-10-04 11:49:13 | 日々思うこと
その矢はより高

あなたの子供は あなたの子供ではない
子供たちは 人生の希望 そのものの息子である
彼らはあなたを通じてくるが あなたから来るのではない
そして あなたと共にいても あなたに属していない

あなたは 子供たちに愛を与えてもいいが
あなたの考えを与えてはいけない
なぜなら 彼らは自分の考えを持っているからである

あなたは 子供たちの身体を 家の中に入れてもいいが
その魂を入れてならない
なぜなら 魂は あなたが訪ねることもできなければ
夢の中でさえ 訪ねることのできない
明日の家に住んでいるからである

子供たちがあるようになろうと あなたが励んでもいいが
あなたのようになって欲しいと求めてはいけない
なぜなら人生は 後戻りもしなければ
明日と同じように ためらいもしないからである

あなたは
あなたの子供が生きている矢として送り出されるための
弓 なのである

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みきが結婚披露パーティをするにあたり 私は松島新聞で二人を紹介したいなと思いました
いくつかの質問に答えてもらうという形でした
その中に「新しいパートナーにのぞむこと」という質問がありました
それの設楽さんの答えが「より高く より深く」でした
その回答を見て私は 私の大好きな詩を思い出しました
そして この詩を二人へのお祝いの言葉として送りたいなと思いました

ほんとうにおおげさじゃなく 私の人生観や生活感を変えてくれた詩でした

あの頃は 子育てで悩んでいたり や義母や父の看病また義父との同居など
「家」に縛られた私がいました いつもイライラしていたように思います
自分の親にそうしてもらってきたように 親が子供の路線を引くものだと思っていた・・
でもなんか思い通りに行かなくて 気持ちよくない 楽しくない気持ちばかり抱えていました
そんなふうに行き詰ってもがいていたころに この詩に出会いました

あの頃の私にとって この詩は衝撃的でした

あなたの子供は あなたの子供でない

えっ?という思いとともに、なぜか暗闇からの突破口の光のように感じられた詩でした
本当のことを言えば この詩を読んでもすぐには意味が分かりませんでした
でも 少しずつ苦しみながら躓きながら この詩の意味することが分かってきた気がします

母親というものは 自分の体の一部だった子供を外に送り出すわけですが
その後も子供の対して どこか自分の分身のような無意識の感覚を持っているのではないでしょうか
少なくとも私はそうでした
だから心配性の私は自分のこととして子供を過度に心配していました
この詩に出会ってからは つらくなった時などに 思い出しては 自分に言い聞かせました
そんなことを繰り返していくうちに なんとなく気持ちがすとんとおちついて
それまでの余計な期待や心配を捨て 投げやりでなく「好きに生きていけばいいよね」と思え
いい意味で子供を手放すことができるようになりました(そうなるまでには時間も必要でしたが)
肉体のお産は安産でしたが、精神のお産は難産でした(笑) 
自分は自分の人生の希望なんだと思えたことが
それまでの引っ込み思案の私から何でもやってみたい私へのメタモルフォーゼのきっかけとなったのでした
また 不思議なことに私が親から感じていた抑圧感もなくなり 精神的に解放されていきました




そして 

娘の結婚式の最後に 時間をいただいて この詩を朗読しました
私は 自分の気持ちが あの日のすがすがしい天気のように さわやかな風のようになって
この詩を 二人に そして参列してくださった皆さんに紹介できたことをうれしく感じました


そして 今 

私はこの詩は 決して親子の関係に限ったことでなく
人と人との どの場における関係にでもあてはまることだなと思っています
目の前にいる人同士で尊重しあい 互いが弓となってあるいは矢となって
高めあい 深めあっていくのだと思っています



 


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