歯医者さんのこと １

数年前　歯痛に悩んでいた
ご飯も食べられないくらい　歯が痛くて
歯医者さんを転々とした
やっと　いい先生に巡り合ったと思ったら
その先生が治療半ばで脳梗塞で急死なさった
運よく　弟子？の先生がなおしてくださったが
結局収まりよくなく　頭痛が残ってしまった

そしてまた　飛び込みで歯医者さんの門をたたいた
とにかく　どうにかしてこの歯のトラブルを解決したかった
大きなビルにあるこの歯医者さんは
数人の先生のいる今風のクリニックだった
そして私はやっと　納得のいく治療に出会えることとなった
私の担当になったＩ先生は　今迄の事情をすべて聞いてくださった
そしてそれに対する彼の説明は　今迄のどの先生の説明より納得がいくものだった
私は　悩みの種だった歯の詰め物を全部きれいに入れ替えることにした

先生はとても慎重に治療してくれて
詰め物を２週間くらいも仮止めの状態にしてくれて
頭痛が起きないか　かみ合わせはずれないかなどをチェックしてくれた
そして　本当に長い間　悩みの種だった歯痛から解放されたのだった
他の先生に訴え続けていた微妙なかみ合わせの不具合が　　
先生の小さな一削りでなくなり　頭に響く変な感じが消え去った　
私には　魔法みたいに感じられた
その後も定期検診に通うことになるのだが
いつも　ちょこっとかみ合わせのチェックをしてくれた
そこの歯科衛生士Ｍさんもとても上手で　また　山登りが共通の話題となって
3か月に一度のその定期検診に楽しく通うことができた

そのうち　Ｉ先生は独立開業するためにその歯科医院を退職した
最後の治療の時　先生の新しい医院の名前や場所をうかがった
すごいメジャーな場所だった　汗

Ｉ先生がやめてもう二年がたった
当初心細かったけれどＭさんのおかげで　
虫歯にならずに過ごしていた

今年のはじめ　Ｍさんも職場を変えることになってしまい
私は　意を決してＭさんの新しい勤め先の医院に
定期健診とクリーニングだけだけれども　通うことにした
彼女との関係を断ちたくなかったし　何よりクリーニングの腕がよかったからだ
そして先日　二度目の検診にとなったが　クリーニングの後の院長先生の診断で
一本の虫歯があることがわかり　また別の歯の昔の詰め物の交換を勧められた

私は　はたと考えてしまった・・・

普通なら　このままここで治療をするのが妥当だろう
でも　Ｉ先生に絶対的な信頼を感じていて
ほかの先生にこわくてお世話になる勇気がない
ずっと私の治療をみてきたＭさんは　私の心情を察してくれて
「治療の決定は松島さんなんです・・Ｉ先生に相談しますか」と言ってくれた
そして「私から　院長に伝えますので気にしないで」と言ってくれた

私は　Ｍさんにお礼を言って　さっそくＩ先生の医院に予約を取った

Ｉ先生の判断は　虫歯といわれた歯は虫歯ではないとのこと
また古い詰め物もおさまっているので　無理にやり直す必要もないとのことだった
そして　先生によって判断が違いますから　
あちらの病院が間違ったというわけではないとつけ加えた
そして　それよりも以前なおした親知らずがだいぶ伸びてしまって
また付け根に隙間ができていることを指摘してくれた

この親知らずは受ける歯が既にない歯なので抜いても支障はないことは
ずっと前から　どの先生にも指摘されていたのだった
でも　抜くのは怖かったし　またヘンに手を入れて
口の中が痛くなったり　頭痛が出たりしてはいやなので
ずっとのらりくらり断り続けてきたのだった
積極的に抜くことを勧める先生が多い中
Ｉ先生だけは　できた小さい虫歯を治療してくれて
抜かずに温存したいならそうしましょうと言ってくれた
でも今回は　伸びた親知らずが歯列に影響が出だしているとのことだった


不安がる私を見て先生は
コンピューターに取り込んだ私の歯や口内の写真やレントゲンを使って
まつしまさんの親知らずは　だいぶ出ているしまっすぐ生えているから
切開したり　削ったりしなくても　すぐに抜けると思います
と説明してくれた　そして
決めるのはまつしまさんですから　結論は急がずに・・・
と付け加えてくれた

Ｉ先生なら安心して抜歯してもらえると　勇気をもって・・・
私は親知らずを抜くというは結論を出した

　
つまり　今回の治療は二つ
虫歯に見えていた歯の詰め物の入れ替えと親知らずの抜歯
来週の木曜日に歯を抜きに行く




それにしても　Ｉ先生の虫歯探知機みたいな機器・・・すごいなと思う
あれ　どんな仕組みになっているんだろうなぁ