にわか日ハムファンのブログ記念館

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去る者の明と暗・ドラゴンズ山内野手引退、ホークス斉藤コーチ退団

2013-07-29 23:11:55 | その名はパシフィック
 2000年代のパ・リーグを盛り上げた2人が、今日相次いで現役断念の会見を行いました。その表情はあまりにも対照的でした。
 まず、ドラゴンズで引退を決めた山内野手。

■ 中日・山崎 今季限りで現役引退「けじめとして決意した」(スポニチ・2013年7月29日)

 途中感情が込み上げる場面もあったようですが、その表情は終始穏やかなものでした。
 引退の決意を最後に固めたのは一昨日の登録抹消とはいえ、「二軍落ちしたら引退」ということ自体は以前から決めていたとのこと。既に覚悟があったからこそ、決意の時を受け入れられたのでしょう。
 「27年も現役生活ができたのは誇り」。チームにはさらに上を行く選手がいるとはいえ、やはりこれだけの長きにわたって現役を続けられた、いや、一流の打者であり続けられたことには、最上級の敬意を払うべきでしょう。
 その理由はもちろん彼の力に求められるべきでしょうが、一方で、もし東北にイーグルスという球団ができていなかったら、そして何より、そこでもし野村元監督との出会いがなかったら……とは思います。
 ただ、それは山が単に幸運だっただけという意味では決してありません。むしろ、複数の監督との軋轢、違反球導入、山の野球人生には様々な苦難もありました。
 しかし、山はそれらの苦難に潰されたわけではなかった。それどころか、球団合併と戦力外という、さらなる激動を彼は乗り切った。
 そして、新球団での復活という形で、激動を己の力に変えることができた。そう、これこそが称賛されることなのです。
 山はいずれ指導者になることを志していて、次期監督という気の早い話もあります。さすがにそこまではないとは思いますが、イーグルスかドラゴンズか、どちらにしても早いうちの就任はあり得るでしょう。

 晴れやかな表情で会見に臨んだ山の一方で、現役復帰断念と退団を明らかにした斉藤コーチは、会見で込み上げる思いを抑えることができませんでした。

■ 斉藤コーチ 涙の復帰断念表明、「けじめ」のソフトバンク退団(同上)

 6シーズンにわたるリハビリ。
 二度に及んだ肩の手術。
 その当時は形式上のことであったとはいえ、支配下登録選手からの離脱。
 異例の上に異例を重ねてまでも目指した現役復帰の夢は、ついに果たされませんでした。
 斉藤コーチに関しては、確かにプレー以外では、いろいろありました。そこに違和感を感じていないと言えば、嘘になります。
 ただ、そうだったとしても、どうだったとしても、再び一軍の実戦のマウンドで投げる姿を見たくなかったのか、と言われたら、私には否定することはどうしてもできません。
 2003年の日本シリーズを見たから。
 2005年と2006年のシーズンを見たから。
 そして何より、2006年のプレーオフを見たから。
 あの姿を再び見ることは、そう簡単に諦められるものではない。いや、なかったのです。
 月日は流れていきます。斉藤和巳という投手が、エースとしての実働年数や、通算勝利数79勝という数字で語られる日は、いずれ来ることでしょう。
 しかし、それは事実のほんの一部でしかない。そんな数字だけで、あの投手を表すことはできない。
 そのことは、敵として2006年10月12日を戦ったわれわれにも語り得ることだとは思っています。


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2 コメント

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Unknown (とんこ)
2013-07-30 23:16:07
にわか野球ファンとしては、
札幌ドームでの崩れ落ちる斉藤和己が
私の中でイメージされてしまってます。

素晴らしい選手であったろうに
その全盛期は、私の中ではほんの一瞬でしかありません

綺羅、星の如し…

色んな噂や話はネットでも言われていますが
一軍で投げるのを楽しみにされていた方も多い、
素晴らしい投手なんですよね。

特に思い入れがなくても、
引退、の文字は感傷的になってしまいます
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とんこさん (ルパート・ジョーンズ)
2013-07-31 06:43:04
あの崩れ落ちる姿、ズレータとカブレラに抱えられてようやくマウンドを降りる姿、
あの試合に懸けた思いが伝わってきましたよね。
翌年以降のことを思うと、あれで彼の身体は燃え尽きてしまったのかという気すらします。
2007年は一応先発で投げる機会がそこそこあったとはいえ、
その時点で肩が悲鳴を上げていたわけで……

江尻がブログで斉藤コーチについて書いています。ぜひ読んでみてください。
http://ameblo.jp/ejiri-shintaro/entry-11582687825.html
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