2日目の朝。朝食を取りにホテルのレストランに向かうと、窓の外では大雪が降っていた。
この分だと、昨晩以上に冷えるのは覚悟しないといけない。いや、冷えるだけならまだいい。「日本海」は運転されるのか?この冬は結構運休になっているようだし……ただ、ここで考えていても仕方がない。まずは朝食だ。
よくあるパターンで、朝食はバイキング形式になっていたのだが、これがまた実に豪華。パンとご飯は当然としてカレーまであるし、サラダも野菜の種類がやたら多い。ご丁寧にデザートのアイスクリームも数種類ある。
そして何より、地場の料理が多い。私が気づいただけでも、ホタテのフライ、イクラ、大間のわさび漬け、深浦若布、ねぶた漬け(大根・きゅうり・数の子・スルメ・昆布の醤油漬)どれもご飯が進むこと進むこと。
これに加えて、青森風焼きそばというのもあった。もっとも、こちらはオーソドックスな焼きそばで、どこが青森風なのかがよく分からなかったのだが……
ともあれ、ここまで料理が揃っているのに、がっつりいかないのはかえって失礼にあたる。あれもこれもと欲張って、案の定食べ過ぎてしまった。
ホテルの朝食でここぞとばかりに料理を山盛りに取るのはみっともない、という意見を私も利くことはある。しかし、こと今回に限っては、外聞も何もあったものではない。
……もっとも、今回に限ったことではないのだが。
ようやく満足して朝食を済ませ、ホテルを出る。窓から見た通り、外は大雪である。
駅に着いてみても、やはり大雪。保線作業員が除雪作業に追われている。しかし除雪するそばから雪が降り積もっていく。あらためて、とんでもないところに来てしまったと実感する。
これが他人事なら、北東北の冬の情景で済むかもしれない。保線作業員には気の毒というよりほかないが。
しかし、今日はこの雪の中を大湊まで出掛けていくのだ。何より、「日本海」で大阪に帰らなければならないのに、運休にでもなったらたまったものではない。
実際、列車の遅れを知らせるアナウンスは相次いでいるし、昨夕に大阪を出た「日本海」が既に到着すべきところ、いまだに到着していない。
さすがに不安になり、改札に行って駅員に尋ねたところ、大湊行の列車が走る青い森鉄道方面は5分程度の遅れ、「日本海」についてはまだ運転情報は入っていないとのこと。
今後どうなるかは分からないが、とりあえず青森での予定は何とかなりそうだし、「日本海」についても差し当たり運休と決まっていないのだから、それを良しとしよう。
ホームに戻ってしばらくすると、大阪からの「日本海」が、文字通り雪をかき分けて青森駅に入線してきた。
あくまでも大阪発の列車だし、定刻からは30分程遅れているが、とにもかくにも青森までたどり着いたことに安堵する。これが運休になっていたら、今晩の列車のやりくりがつかなくなっていたかも知れないのだ。
停車中の「日本海」。大阪から15時間ほど、その大半は雪深い日本海側を走ってきただけあって、最後尾は雪が張り付いている。
中央の窓の下には「日本海」のイラストマークがあるはずなのだが、見えるわけもない。
ほどなくディーゼル機関車がやってきた。青森駅はかつて青函連絡船があった頃の名残で、海に向かって行き止まりの構造になっているため、このままでは列車はホームから出られない。
なので、ここまで引っ張ってきた電気機関車を付け替えることになるかと思っていたのだが、どうやら違うらしい。
列車の手前で一旦停止したディーゼル機関車。鉄道ファンが連結作業を見ようと集まる。この光景も、あとわずかだ。
ただ、客車の方は連結器も雪に覆われている。というより、雪がこびりついている。これを取り払わない限り連結はできない。
凍りついた雪を作業員が足で落としていく。ただ、なにせつき方が違う。
機関車と連結するには、連結器だけではなくブレーキのラインなどもつなげなければならない。それらにこびりついた雪を全て落とさなければならない。この寒い中、大変な作業だ。
どうしても落ちない雪を、金槌で落としていく。こんな状況でも人間がやるしかない作業である。列車を運転するのに、経費がかかるわけである。
ともあれ、作業の甲斐あって何とか連結完了。
ディーゼル機関車率いる回送列車。次の運転に向けて、引き揚げていった。
この分だと、昨晩以上に冷えるのは覚悟しないといけない。いや、冷えるだけならまだいい。「日本海」は運転されるのか?この冬は結構運休になっているようだし……ただ、ここで考えていても仕方がない。まずは朝食だ。
よくあるパターンで、朝食はバイキング形式になっていたのだが、これがまた実に豪華。パンとご飯は当然としてカレーまであるし、サラダも野菜の種類がやたら多い。ご丁寧にデザートのアイスクリームも数種類ある。
そして何より、地場の料理が多い。私が気づいただけでも、ホタテのフライ、イクラ、大間のわさび漬け、深浦若布、ねぶた漬け(大根・きゅうり・数の子・スルメ・昆布の醤油漬)どれもご飯が進むこと進むこと。
これに加えて、青森風焼きそばというのもあった。もっとも、こちらはオーソドックスな焼きそばで、どこが青森風なのかがよく分からなかったのだが……
ともあれ、ここまで料理が揃っているのに、がっつりいかないのはかえって失礼にあたる。あれもこれもと欲張って、案の定食べ過ぎてしまった。
ホテルの朝食でここぞとばかりに料理を山盛りに取るのはみっともない、という意見を私も利くことはある。しかし、こと今回に限っては、外聞も何もあったものではない。
……もっとも、今回に限ったことではないのだが。
ようやく満足して朝食を済ませ、ホテルを出る。窓から見た通り、外は大雪である。
駅に着いてみても、やはり大雪。保線作業員が除雪作業に追われている。しかし除雪するそばから雪が降り積もっていく。あらためて、とんでもないところに来てしまったと実感する。
これが他人事なら、北東北の冬の情景で済むかもしれない。保線作業員には気の毒というよりほかないが。
しかし、今日はこの雪の中を大湊まで出掛けていくのだ。何より、「日本海」で大阪に帰らなければならないのに、運休にでもなったらたまったものではない。
実際、列車の遅れを知らせるアナウンスは相次いでいるし、昨夕に大阪を出た「日本海」が既に到着すべきところ、いまだに到着していない。
さすがに不安になり、改札に行って駅員に尋ねたところ、大湊行の列車が走る青い森鉄道方面は5分程度の遅れ、「日本海」についてはまだ運転情報は入っていないとのこと。
今後どうなるかは分からないが、とりあえず青森での予定は何とかなりそうだし、「日本海」についても差し当たり運休と決まっていないのだから、それを良しとしよう。
ホームに戻ってしばらくすると、大阪からの「日本海」が、文字通り雪をかき分けて青森駅に入線してきた。
あくまでも大阪発の列車だし、定刻からは30分程遅れているが、とにもかくにも青森までたどり着いたことに安堵する。これが運休になっていたら、今晩の列車のやりくりがつかなくなっていたかも知れないのだ。
停車中の「日本海」。大阪から15時間ほど、その大半は雪深い日本海側を走ってきただけあって、最後尾は雪が張り付いている。
中央の窓の下には「日本海」のイラストマークがあるはずなのだが、見えるわけもない。
ほどなくディーゼル機関車がやってきた。青森駅はかつて青函連絡船があった頃の名残で、海に向かって行き止まりの構造になっているため、このままでは列車はホームから出られない。
なので、ここまで引っ張ってきた電気機関車を付け替えることになるかと思っていたのだが、どうやら違うらしい。
列車の手前で一旦停止したディーゼル機関車。鉄道ファンが連結作業を見ようと集まる。この光景も、あとわずかだ。
ただ、客車の方は連結器も雪に覆われている。というより、雪がこびりついている。これを取り払わない限り連結はできない。
凍りついた雪を作業員が足で落としていく。ただ、なにせつき方が違う。
機関車と連結するには、連結器だけではなくブレーキのラインなどもつなげなければならない。それらにこびりついた雪を全て落とさなければならない。この寒い中、大変な作業だ。
どうしても落ちない雪を、金槌で落としていく。こんな状況でも人間がやるしかない作業である。列車を運転するのに、経費がかかるわけである。
ともあれ、作業の甲斐あって何とか連結完了。
ディーゼル機関車率いる回送列車。次の運転に向けて、引き揚げていった。
雪なし地域と労働の苦しさが桁外れに違うように思います
見ていて本当に大変なんだなと痛感しました。
こういう人たちのおかげで交通が守られているわけで、本当に感謝しないといけませんね。