デビュー以来20年を超えて、今も人々の憧れを集める豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」。遥か昔に一度だけ乗車したことはあるのだが、それ以来長らく再乗の機会を得ないまま年月が経過した。
結婚してからも、一度乗ってみたいねと妻と話しながらもなかなか実現せず、このままではいけない、多少無理をしてでも予定を組まないといけないと一念発起したのが昨冬。
当初は春に乗車するつもりだったのだが、そこはプラチナチケットの常、争奪戦に臨むも発売開始とともに売り切れというありがちなパターンで断念。
事ここに至っては、一般発売前に乗車枠を確保している旅行プランでも利用するほかない。多少値が張ろうが夢のためだと思い切り、時期も大幅に遅らせて、ようやくチケットを手に入れることができた。
そして6月、ついに乗車機会がやって来た。
大阪駅の行先表示板、見づらくなってしまったが、札幌の文字が躍る。世が世ならここに函館や青森、新潟などの文字が現れたのだが、それらがすべて過去のものになってしまっただけに、札幌行の存在感が光る。
大阪駅のホームに立ったのは、発車時刻から20分以上前のはずだったのだが、寝台特急は既に入線していた。
誇り高きヘッドマーク。これを掲げて、22時間以上の行程を走り抜くのだ。
電気機関車に豪華客車が率いられる。先頭は各車両に電気を供給する電源車だが、その後はスイートルームあり、食堂車あり、かと思えばかつて一般的だった4人用の寝台あり、多様な車両が並ぶ。
一対の天使が向かい合うロゴマーク。
デザインは同じだが、このマークはサロンカー「サロン・デュ・ノール」のもの。
食堂車「ダイナー・プレヤデス」。夕食時には1人1万円を超えるフランス料理のコースのみを提供する。さすがにそこまでは手が出ないが、いつか一財産を築けた日には、と思ったりはする。
もっとも、そんな日が来たとして、きっと緊張して味など分からないであろうが。
最後尾は2人用スイートルーム。こちらは料金といい部屋数といいプラチナチケットどころの騒ぎではない。
とはいえ、せめて一生に一度だけでもと、先程のフランス料理以上に淡い夢を抱かずにはいられないのだ。
先程のヘッドマークと同じデザインのテールマーク。列車の向きが変わる一部区間を除き、列車の最後尾で輝きを放つ。
われわれは当然ながらスイートルームなどをとる術もない。予約したのは2人用のB寝台個室である。
客車に入る。片側に通路がある構造は一般のB寝台と一緒だが、その通路は絨毯敷き、木目調の壁に、個室なので当然ロックのかかるドア。すべてグレードが高い。
これがわれわれの個室、B寝台2人用「ツイン」。BGMの設備に案内用のパンフレット、コンセントもある。寝台は上下式で、下段はソファを寝る時に倒してベッドにする。
上段のベッドは電動式。寝る時にはここまで下ろし、昼間は上に上げておくことができる。そうすれば、ソファに座っていても圧迫感はない。
出発直前のサロンカーには誰もいない。ただ、夕日が沈み、やがて夜闇に包まれる日本海、そして噴火湾から登る朝日を見に、これから乗客が集まるのだろう。
そして、発車の合図に導かれ、客車が音を立てて揺れた。札幌に向けて、旅の始まりだ。
結婚してからも、一度乗ってみたいねと妻と話しながらもなかなか実現せず、このままではいけない、多少無理をしてでも予定を組まないといけないと一念発起したのが昨冬。
当初は春に乗車するつもりだったのだが、そこはプラチナチケットの常、争奪戦に臨むも発売開始とともに売り切れというありがちなパターンで断念。
事ここに至っては、一般発売前に乗車枠を確保している旅行プランでも利用するほかない。多少値が張ろうが夢のためだと思い切り、時期も大幅に遅らせて、ようやくチケットを手に入れることができた。
そして6月、ついに乗車機会がやって来た。
大阪駅の行先表示板、見づらくなってしまったが、札幌の文字が躍る。世が世ならここに函館や青森、新潟などの文字が現れたのだが、それらがすべて過去のものになってしまっただけに、札幌行の存在感が光る。
大阪駅のホームに立ったのは、発車時刻から20分以上前のはずだったのだが、寝台特急は既に入線していた。
誇り高きヘッドマーク。これを掲げて、22時間以上の行程を走り抜くのだ。
電気機関車に豪華客車が率いられる。先頭は各車両に電気を供給する電源車だが、その後はスイートルームあり、食堂車あり、かと思えばかつて一般的だった4人用の寝台あり、多様な車両が並ぶ。
一対の天使が向かい合うロゴマーク。
デザインは同じだが、このマークはサロンカー「サロン・デュ・ノール」のもの。
食堂車「ダイナー・プレヤデス」。夕食時には1人1万円を超えるフランス料理のコースのみを提供する。さすがにそこまでは手が出ないが、いつか一財産を築けた日には、と思ったりはする。
もっとも、そんな日が来たとして、きっと緊張して味など分からないであろうが。
最後尾は2人用スイートルーム。こちらは料金といい部屋数といいプラチナチケットどころの騒ぎではない。
とはいえ、せめて一生に一度だけでもと、先程のフランス料理以上に淡い夢を抱かずにはいられないのだ。
先程のヘッドマークと同じデザインのテールマーク。列車の向きが変わる一部区間を除き、列車の最後尾で輝きを放つ。
われわれは当然ながらスイートルームなどをとる術もない。予約したのは2人用のB寝台個室である。
客車に入る。片側に通路がある構造は一般のB寝台と一緒だが、その通路は絨毯敷き、木目調の壁に、個室なので当然ロックのかかるドア。すべてグレードが高い。
これがわれわれの個室、B寝台2人用「ツイン」。BGMの設備に案内用のパンフレット、コンセントもある。寝台は上下式で、下段はソファを寝る時に倒してベッドにする。
上段のベッドは電動式。寝る時にはここまで下ろし、昼間は上に上げておくことができる。そうすれば、ソファに座っていても圧迫感はない。
出発直前のサロンカーには誰もいない。ただ、夕日が沈み、やがて夜闇に包まれる日本海、そして噴火湾から登る朝日を見に、これから乗客が集まるのだろう。
そして、発車の合図に導かれ、客車が音を立てて揺れた。札幌に向けて、旅の始まりだ。