ヤフーＢＢスタジアムにあの男が帰ってきた！

　今日の試合の予告先発はあまりに衝撃的でした。恐らく皆さんの中にも、驚いた方、嘆いた方、小躍りした方など様々いらっしゃるでしょう。
　そして、ＢＷと日ハムファン以外の方でも、ある種の衝撃を受けた方はきっと少なからずいらっしゃることと思います。
　そう、今日のＢＷの先発は谷中だったのです。
　念のため繰り返しましょう。









今日のＢＷの先発は谷中でした。













サーパスではないです。






　2001～3年というたった3シーズンしか阪神に在籍しなかったにもかかわらず、阪神ファンの間に鮮やかなイメージを残していった男、谷中真二。
　移籍当初は先発として結構勝っていながら、その後は先発・中継ぎ・抑えとフル回転し、出るたびに打たれるネタ系投手になった男、谷中真二。
　去年空前の虎フィーバーの中、ひっそりとファーム日本一に貢献した男、谷中真二。
　そんな彼が、1軍のマウンドになぜか帰ってきたのです。ピッチャー谷中の懐かしい響きが帰ってきたのです。
　ピッチャー谷中。今までなんと多くの阪神ファンの心を揺さぶってきた言葉でしょうか。
　先発発表でコールされるピッチャー谷中を聞いて、どれだけの阪神ファンがため息をつき、試合を投げ、高い入場料を払ったことを後悔したでしょうか。
　投手交代でコールされるピッチャー谷中を聞いて、どれだけの阪神ファンが悲鳴を上げ、監督に怒りをぶつけ、また「谷中が打たれた後はなんでか逆転しよるからなぁ」と、確かにそういうことも結構あったけどどこか腑に落ちない言葉で自らを納得させようとしたことでしょう。
　そして、予定調和のように打たれる谷中を見て、どれだけの阪神ファンが落胆とある種の安心感、さらには「これで逆転勝利に近づいた」という負け惜しみとも本気とも取れない感触を感じたことでしょう。
　しかも実際その後の攻撃で逆転するのを見て、どれだけの阪神ファンがこれが谷中の勝ちパターンだと思わされたことでしょう。

　谷中は他の炎上系投手のような華はありません。
　デニーのように有名でもなければ、讀賣の河原のようなエピソードもありません。
　1イニングに満塁HRと2ランを打たれる（5回表注目）ことはあっても、3連続HRを打たれたこともなければ、カラスコの6失点サヨナラ負けのような強烈なイメージを残したこともありません。
　そんな彼に似合う言葉は、「めった打ち」。「谷ちゅんめった打ち」という言葉には、幾多の阪神ファンの嘆きや怒り、半笑いが込められているのです。
　そう、谷中といえばめった打ち、めった打ちといえば谷中なのです。

　以前「マリンブルーの風」の薫友さんが、こんな名言をなさいました。

「私が思うに、プロ野球ファンには2種類あります。
すなわち、初芝を知るファンと、初芝を知らないファンと。」

　けだし名言です。ただ長年阪神ファンとして生きてきた私からすれば、
谷ちゅんめった打ちを納得して見られるかどうかで、阪神ファンは2つに分かれるというのも、また当たっているように思います。
　
　ちなみに、今日の谷中の登板成績は5回1/3で自責点4でした。
　試合自体はBWの負けでしたが、私は断言します。
















この試合、谷ちゅんは好投しました。