■ 北海道4年、日ハム黒字に ロッテ・楽天も売り上げ増(朝日新聞2008年1月18日)
■ 07年は黒字に 移転4年目で初 人件費減などで「数億円」(北海道新聞・2008年1月19日)
朝日はいくらか楽観的、道新は気の引き締まる記事ですが、伝えている事実そのものは変わっていないと言えるでしょう。
赤字だ赤字だとずっと言われてきたパ・リーグ球団。その1つであるファイターズが、北海道移転4年で黒字化した。これが非常に喜ばしいのは間違いありません。
ですが、今回の黒字決算については、『Fightersを斬る』のterusi7さんが書いた「通過点」という一言が、最も的確かつ簡潔な評価だと思います。
朝日・道新両紙の記事にもあるように、昨年は交流戦・リーグ優勝、日本シリーズ進出で収入が上がったことに加え、高年俸選手が退団したことによる人件費削減の効果もありました。
言ってしまえば、去年は条件が良かったから黒字になったと言うだけの話(とはいえ、条件次第で黒字化できるようになっただけでも進歩ですが)。
ここからさらに経営を改善し、自力で球団を維持できるようになるには、まだまだ多くの努力が必要です。
そのためには観客を増やすことももちろん必要ですし、一度増えたファンを維持していくのも課題です。新規開拓と繋ぎ止めとのバランスは難しいでしょうが、球団経営が長期的に良くなるには、そのバランスこそがカギでしょうし。
幸い、藤井社長のコメントを見る限り、球団側も気を緩めている様子はなさそうです。これからファイターズ球団がどんな企画やサービスやネタを送り出していくのか、引き続き見守っていこうと思います。
ところで、2つの記事を読む中で、私がどうしても分からなかった点が1つあります。それは、親会社日本ハムからの広告費33億円というのをどう評価すべきか? という点です。
ファイターズの選手は日本ハムの宣伝に協力しています。つい先日もファイターズの選手・監督が東京での日本ハムのイベントに参加したところですし、去年・一昨年はファイターズの優勝セールもありました。
それに、同じハム・ソーセージを買うなら、I社よりM社よりP社より日本ハムの製品を買おうというファイターズファンも少なくないことでしょう。
特に北海道のファイターズファンが増えたことで、日本ハムの製品を好んで買う人は確実に増えているはずです。私自身もシャウエッセン派ですし(もっとも、特売でしか買えませんが……)。
これらのことから、ファイターズが日本ハムの売り上げに貢献していることは間違いありません。そうである以上、北海道日本ハムファイターズという企業が、日本ハムという企業から増収効果に見合う広告費を得るのは当然のことです。
ですが、ここで分からないことが出てきます。「増収効果に見合う広告費」とは、果たしていくらなのか?
2007年に日本ハムが支払った広告費33億円が、「増収効果に見合う広告費」に比べて過大である可能性は、無いとは言えません。
少なくとも、過少である可能性よりは高いでしょうし、だとすれば、「増収効果に見合う広告費」と33億円の間の差は、会計上現れない実質的な赤字だと考えられます。
ですが、それはあくまでも可能性の話です。財務諸表が分からない以上、実際のところはなんとも言いようがないのです。
そして、もし実質的な赤字があった場合、それをどう解消するか? 経費削減だけでは無理がありますし、増収による解消を目指すとして、私が思いつく方法は2つ。
1つは球団が広告費以外の収入を増やすこと。将来的には、広告費に依存せずに経営が成り立つようにすることです。
もう1つは、球団による日本ハムの宣伝効果を高めること。要するに、33億円以上の効果があれば、33億円の広告費を払うのに問題は無い、ということです(実際には他の広告手法との比較があるので、話はもう少し複雑ですが)。
では、ファイターズはどうするのか? 基本は前者になるでしょうが、ファイターズがニッポンハムグループの一員である限り、後者の手法も無視してはなりませんし、無視はしないでしょう。
何が言いたいのかというと、親会社からの正当な収入も、自立した球団経営には必要である、ということです。広告費べったりは問題ですが、それを減らすことばかり考えるのもどうか、ということです。
2007年は黒字化したファイターズですが、今年も連続で黒字決算を出すのは決して簡単な話ではありません。親会社からの広告費も含めた売り上げを確保、増加させていくのか。
通過点の先に進むファイターズ。その通る道は、他の球団にとっても何らかのものを指し示すことになるでしょう。だからこそ、プロ野球ファンとしてその進路を見続けてたいと考えています。
あと、どうせならこの手の不届き者からは罰として毟れるだけ毟り取ってやれ、とは思うんですけどね。中田も善意でサインしてるというのに……
■ 07年は黒字に 移転4年目で初 人件費減などで「数億円」(北海道新聞・2008年1月19日)
朝日はいくらか楽観的、道新は気の引き締まる記事ですが、伝えている事実そのものは変わっていないと言えるでしょう。
赤字だ赤字だとずっと言われてきたパ・リーグ球団。その1つであるファイターズが、北海道移転4年で黒字化した。これが非常に喜ばしいのは間違いありません。
ですが、今回の黒字決算については、『Fightersを斬る』のterusi7さんが書いた「通過点」という一言が、最も的確かつ簡潔な評価だと思います。
朝日・道新両紙の記事にもあるように、昨年は交流戦・リーグ優勝、日本シリーズ進出で収入が上がったことに加え、高年俸選手が退団したことによる人件費削減の効果もありました。
言ってしまえば、去年は条件が良かったから黒字になったと言うだけの話(とはいえ、条件次第で黒字化できるようになっただけでも進歩ですが)。
ここからさらに経営を改善し、自力で球団を維持できるようになるには、まだまだ多くの努力が必要です。
そのためには観客を増やすことももちろん必要ですし、一度増えたファンを維持していくのも課題です。新規開拓と繋ぎ止めとのバランスは難しいでしょうが、球団経営が長期的に良くなるには、そのバランスこそがカギでしょうし。
幸い、藤井社長のコメントを見る限り、球団側も気を緩めている様子はなさそうです。これからファイターズ球団がどんな企画やサービス
ところで、2つの記事を読む中で、私がどうしても分からなかった点が1つあります。それは、親会社日本ハムからの広告費33億円というのをどう評価すべきか? という点です。
ファイターズの選手は日本ハムの宣伝に協力しています。つい先日もファイターズの選手・監督が東京での日本ハムのイベントに参加したところですし、去年・一昨年はファイターズの優勝セールもありました。
それに、同じハム・ソーセージを買うなら、I社よりM社よりP社より日本ハムの製品を買おうというファイターズファンも少なくないことでしょう。
特に北海道のファイターズファンが増えたことで、日本ハムの製品を好んで買う人は確実に増えているはずです。私自身もシャウエッセン派ですし(もっとも、特売でしか買えませんが……)。
これらのことから、ファイターズが日本ハムの売り上げに貢献していることは間違いありません。そうである以上、北海道日本ハムファイターズという企業が、日本ハムという企業から増収効果に見合う広告費を得るのは当然のことです。
ですが、ここで分からないことが出てきます。「増収効果に見合う広告費」とは、果たしていくらなのか?
2007年に日本ハムが支払った広告費33億円が、「増収効果に見合う広告費」に比べて過大である可能性は、無いとは言えません。
少なくとも、過少である可能性よりは高いでしょうし、だとすれば、「増収効果に見合う広告費」と33億円の間の差は、会計上現れない実質的な赤字だと考えられます。
ですが、それはあくまでも可能性の話です。財務諸表が分からない以上、実際のところはなんとも言いようがないのです。
そして、もし実質的な赤字があった場合、それをどう解消するか? 経費削減だけでは無理がありますし、増収による解消を目指すとして、私が思いつく方法は2つ。
1つは球団が広告費以外の収入を増やすこと。将来的には、広告費に依存せずに経営が成り立つようにすることです。
もう1つは、球団による日本ハムの宣伝効果を高めること。要するに、33億円以上の効果があれば、33億円の広告費を払うのに問題は無い、ということです(実際には他の広告手法との比較があるので、話はもう少し複雑ですが)。
では、ファイターズはどうするのか? 基本は前者になるでしょうが、ファイターズがニッポンハムグループの一員である限り、後者の手法も無視してはなりませんし、無視はしないでしょう。
何が言いたいのかというと、親会社からの正当な収入も、自立した球団経営には必要である、ということです。広告費べったりは問題ですが、それを減らすことばかり考えるのもどうか、ということです。
2007年は黒字化したファイターズですが、今年も連続で黒字決算を出すのは決して簡単な話ではありません。親会社からの広告費も含めた売り上げを確保、増加させていくのか。
通過点の先に進むファイターズ。その通る道は、他の球団にとっても何らかのものを指し示すことになるでしょう。だからこそ、プロ野球ファンとしてその進路を見続けてたいと考えています。
あと、どうせならこの手の不届き者からは罰として毟れるだけ毟り取ってやれ、とは思うんですけどね。中田も善意でサインしてるというのに……
歴史を紐解けばいろいろありますよね。
パに関しては、まさにそれが当てはまると思います。
読売の放映権の縛りがないからこそ、6球団で動けるわけですし。
CS等があればパの試合は全て見られますが、セは逆に読売戦があるせいで見られなくなってますし。
「地域密着」に関しては、今後は横浜が試金石になると思います。
TBS頼みだけではジリ貧ですが、幸い大きな経済圏の中にいる。
この球団が成功するかどうかが、セの今後にも関係していると思っています。
ただ、全ての面で巨人讃歌という事にはならないわけで、多くのメディアが巨人に集中する結果、はみ出た格好となったパ・リーグは、とかく日陰の存在となってしまったわけですが、私は今、これを幸いだったと思います。かつては関東2・関西3・福岡1と、様々な理由もあって元々分散化に違い状態からスタートして、その後、球団身売り・合併・移転といった出来事もあって現在に至るわけですが、歴史的に見てもパ・リーグというのは、どうしても興行収入では巨人の居るセ・リーグに劣る、しかし、ここは勝手な憶測ですけど、経営者達は「かなり負けず嫌い」だったんだろうと思います。結果、予告先発・指名打者制等とセ・リーグとは違いアイデアを駆使し、そうした環境から数々の個性派選手が輩出され、「人気のセ・実力のパ」と呼ばれるようになった・・・。簡単にまとめるとこんな具合でしょうが、「地域密着」の概念から言えば、パ・リーグだけでなく、セの広島・中日なんかは、球団設立の生い立ちから競合相手が居なかったという事からクリア出来てると思われます。
歴史的な流れとしては、それで間違いないと思うんです。
で、もう1つ。今はメディアも多様化して、スポーツ興行も多様化しつつある中で、
その中でプロ野球に新たに参入した、またしようとした企業があるわけです。
そこで、彼らがなぜ「プロ野球」を選んだのか? という問いも出てくるんですよね。
それが分かれば、プロ野球の存在価値の1つが分かることにもなりますし、
個人的には、そちらの方が重要だと思ってます。
>演出
これはこれで大きな話になりそうですね。鳴り物という観る側の自発的な「演出」も噛んでますし(^^;;)
ここでは個人的見解を簡単に述べておくと、ただ単にプレーをするだけならアマチュアでいいのであって、
(断っておきますが、アマを低く見ているつもりはありません。プロとアマではあり方が違うということです)
プロ、つまりは興行者である以上、興行を盛り上げるための努力をして何が悪い、と考えています。
打者や投手が出てくる度に出囃子が流れたり電光掲示板稼働させたりと、派手な演出があるのも、やはり「プロと名の付く野球のイベントだから」という図式に取り込むと、多少は演出もアリだなと、いうのも1つの例えに成り得ますでしょうか?
もちろんこういう仮定に収まらない部分はあるでしょうが。
その上で、なぜそのイベントがプロ野球なのか、という考え方をしていくと、
プロ野球の存在意義の1つは見えてきそうです。
個人的にはですが、こんな具合で考えてみると、案外見方が簡単に見えてくると思います。
それが、どーも怪しい気配になってるんですよorz
ソフトバンク子会社と、J-SPORTS親会社が仲でも悪いのか……
うまく大人の解決をしてくれるといいんですが……
>無い袖は振れませんが
ま、規模は違うかとは思いますが、うちも読売とか阪神とかの金満球団に比べたらアレですし(苦笑)
パ・リーグは球団がうまく全国に分散してそれぞれ地域に目を向けていますよね。先だってニュースになったCSの放送権一括売買など、経営面ではセ・リーグより先進的になっていて興味深いです。
何十分の一の経営規模ですけど、地方の独立リーグも、しぶとく存続して地域に根を下ろしたいものです。とにかく、無い袖は振れませんが(苦笑)
親会社依存と批判するのは楽なんですが、企業の存在なしでプロスポーツが成り立つわけもなし。
それに、企業は企業でメリットがあるならいいじゃないか、という理屈も成り立ちますし。
考え出すと頭が混乱しそうですが、だからこそ安直な結論には走らないよう気をつけたいところです。
私も調べてみたところ、単体の販管費の内訳はやはり分からなかったんですが、
連結では半期の販管費全体が857億4900万円で、販促費が65億9400万円。
親会社→子会社の広告費が会計上どう扱われるかは分からないんですが、
これで球団への広告費が半期16億5000万円というのは、やはり大きな金額なのでしょうね。
すごく乱暴な計算ですが、中間決算なので球団への支出33億円を2で割ると16.5億ですから、16.5÷324で約5%という数字が出てきます。
当然この他にも広告宣伝費の支出はあるでしょうから、広告宣伝費そのものが果たしてどれだけあったのかについてはこの資料からは読み取れませんが、単体の企業の販管費のうち5%が球団への支出ですから、決して軽くはないのではないかという気もしますがね。
一つ間違うと、広告費についてその手の税務上の問題を指摘されかねない不安はありますね。
球団はほぼ間違いなく連結子会社でしょうし……
パの場合は地域密着+親会社宣伝でしょうが、例えば読売は何よりまず親会社でしょうし。
(それがいいか悪いか、という問題はさておき)
阪神だと、むしろ電鉄がタイガースに広告費を払ってもいいぐらいかも知れません。
そう考え出すと難しいんですが、何はともあれ、それぞれ広告費には妥当な水準があるはずなんで、
その水準が分かれば、話が早いんですけどね。明らかにはならないと思いますが……
連結子会社だったりした日にゃぁ…
難しい問題ですね。
「球団は親会社の広告でしかない」という意見も存在するくらいですし…。