パ・リーグ小池会長が昨日開かれた理事会で、岩隈投手とオリックス球団の問題について「強い要望」を出したとのことです。
これについてはすでにいくつか報道が出ていますが、ポイントをまとめれば、「岩隈投手が来季ウミウシでプレーし、来季終了後には岩隈投手本人の意思を尊重し、トレードを含めて両者が再び話し合う」ということになりそうです。
今日(15日)にも開かれる予定のオリックスと岩隈投手との会談では小泉球団社長がこの案を元に残留説得に当たると見られています。しかし、岩隈投手やプロ野球選手会はすでにこの案について強い反発を露わにしており、これで決着がつくとはとても思えない状態です。
すでに各所から批判されているように(また小泉氏も認めている通り)、この「強い要望」では1年後の岩隈投手の扱いが非常にあいまいになっています。岩隈投手や選手会側からすれば、オリックス側に一種の「空手形」をつかまされることを懸念して当然でしょう。
それでなくても信頼感のない相手に、1年先に話し合おうといわれてあっさり信用する人がいるとも思えません。この点については「SEABLOGスポーツ」さんが見事に喝破されています。
「この解決方法、なんとどの企業も使う手ではないか。1年がんばってみろ!1年間泥水を飲んでみろ!権力を持った側が弱い立場の者に対し、ポーズとしてよく使う言い方と全く等しい。」
さて、このようなあいまいな表現が出てきた背景には、トレードを確約してしまうと野球協約第109条の「譲渡の強要」に違反することがあるとされています。
ここで、実際の野球協約(PDFファイル)第109条の条文はどうなっているのかを見てみましょう。
第109条 (譲渡の強要) ある選手が、他の球団と通謀して、自己の所属する球団にたいし、選手契約の譲渡を強要する場合、コミッショナーは、同選手に対し50万円、また通謀した球団に対し100万円の制裁金を科する。なお、このような選手とその球団との選手契約は、以後禁止される。(以下略)
この条文を読む限り、選手側が特定の球団と結託して自分の所属する球団にトレードを要求した場合に罰則が適用される、ということが定められているわけです。
今回のケースは営業譲渡先の球団への入団を拒否する選手に対し、その球団が1年後のトレードを確約するかどうかという問題です。したがって、協約が罰則対象としているような状態とは異なっているわけですし、わざわざ玉虫色の表現を使う必要もないように思われます。
また、今回のケースではプロテクトの際に選手の意思を尊重するという合意があったことや、分配ドラフトとそれに基づくトレードの問題等があり、そもそも岩隈投手の選手契約をオリックス球団が保有しているかどうかさえ、係争事項となってもおかしくないわけです。
特に、プロテクトに関しては礒部選手に加えて福盛投手も拒否が認められたことが明らかになっているのです。岩隈投手にしてみれば、なぜ自分だけがという思いは増したことでしょう。
さらに、もし来季終了後のトレードが確約され、岩隈投手がウミウシに入ったとしても、他の選手はたまったものではないでしょう。メジャーに行くならまだしも、1年後に同一リーグの他球団にトレードする選手と共にシーズンを闘おうという気持ちになれる選手がどれだけいるでしょうか?
それでなくとも、ウミウシには球界屈指のミスター不平分子がいるのです。にもかかわらず、これ以上チームの一体感を損なうようなことをしてどうなるのでしょうか?「腰掛け」の球団で必死の活躍を見せる選手がそういるとは思えません。
小池会長のこの「強い要望」は問題を年内に収拾させるどころか、かえって火に油を注ぐ結果になりそうです。球界再編騒動が露呈した球界内部の不透明さ、先送り体質という問題を如実に表した結果がこの「強い要望」であるとも言えそうです。
毎日新聞の記事にはこんな文章がありました。
「野球協約では同じ連盟に所属する球団間の紛争は、連盟会長に裁定を求めることができるが、小池会長は『裁定ではなく今後、実行委員会でも問題にしない』と話し、オリックスと岩隈本人の話し合い解決を求める姿勢を強調した。」
結局のところ、ここに今回「強い要望」を出した真意があるような気すらしてきました。要するに、オリックスと岩隈投手との間で解決しなさい、ということです。
もっとも、パ・リーグ事務局は岩隈投手についてどうこう言う前にこれを何とかすべきだと思うのですが(しつこい)。
これについてはすでにいくつか報道が出ていますが、ポイントをまとめれば、「岩隈投手が来季ウミウシでプレーし、来季終了後には岩隈投手本人の意思を尊重し、トレードを含めて両者が再び話し合う」ということになりそうです。
今日(15日)にも開かれる予定のオリックスと岩隈投手との会談では小泉球団社長がこの案を元に残留説得に当たると見られています。しかし、岩隈投手やプロ野球選手会はすでにこの案について強い反発を露わにしており、これで決着がつくとはとても思えない状態です。
すでに各所から批判されているように(また小泉氏も認めている通り)、この「強い要望」では1年後の岩隈投手の扱いが非常にあいまいになっています。岩隈投手や選手会側からすれば、オリックス側に一種の「空手形」をつかまされることを懸念して当然でしょう。
それでなくても信頼感のない相手に、1年先に話し合おうといわれてあっさり信用する人がいるとも思えません。この点については「SEABLOGスポーツ」さんが見事に喝破されています。
「この解決方法、なんとどの企業も使う手ではないか。1年がんばってみろ!1年間泥水を飲んでみろ!権力を持った側が弱い立場の者に対し、ポーズとしてよく使う言い方と全く等しい。」
さて、このようなあいまいな表現が出てきた背景には、トレードを確約してしまうと野球協約第109条の「譲渡の強要」に違反することがあるとされています。
ここで、実際の野球協約(PDFファイル)第109条の条文はどうなっているのかを見てみましょう。
第109条 (譲渡の強要) ある選手が、他の球団と通謀して、自己の所属する球団にたいし、選手契約の譲渡を強要する場合、コミッショナーは、同選手に対し50万円、また通謀した球団に対し100万円の制裁金を科する。なお、このような選手とその球団との選手契約は、以後禁止される。(以下略)
この条文を読む限り、選手側が特定の球団と結託して自分の所属する球団にトレードを要求した場合に罰則が適用される、ということが定められているわけです。
今回のケースは営業譲渡先の球団への入団を拒否する選手に対し、その球団が1年後のトレードを確約するかどうかという問題です。したがって、協約が罰則対象としているような状態とは異なっているわけですし、わざわざ玉虫色の表現を使う必要もないように思われます。
また、今回のケースではプロテクトの際に選手の意思を尊重するという合意があったことや、分配ドラフトとそれに基づくトレードの問題等があり、そもそも岩隈投手の選手契約をオリックス球団が保有しているかどうかさえ、係争事項となってもおかしくないわけです。
特に、プロテクトに関しては礒部選手に加えて福盛投手も拒否が認められたことが明らかになっているのです。岩隈投手にしてみれば、なぜ自分だけがという思いは増したことでしょう。
さらに、もし来季終了後のトレードが確約され、岩隈投手がウミウシに入ったとしても、他の選手はたまったものではないでしょう。メジャーに行くならまだしも、1年後に同一リーグの他球団にトレードする選手と共にシーズンを闘おうという気持ちになれる選手がどれだけいるでしょうか?
それでなくとも、ウミウシには球界屈指のミスター不平分子がいるのです。にもかかわらず、これ以上チームの一体感を損なうようなことをしてどうなるのでしょうか?「腰掛け」の球団で必死の活躍を見せる選手がそういるとは思えません。
小池会長のこの「強い要望」は問題を年内に収拾させるどころか、かえって火に油を注ぐ結果になりそうです。球界再編騒動が露呈した球界内部の不透明さ、先送り体質という問題を如実に表した結果がこの「強い要望」であるとも言えそうです。
毎日新聞の記事にはこんな文章がありました。
「野球協約では同じ連盟に所属する球団間の紛争は、連盟会長に裁定を求めることができるが、小池会長は『裁定ではなく今後、実行委員会でも問題にしない』と話し、オリックスと岩隈本人の話し合い解決を求める姿勢を強調した。」
結局のところ、ここに今回「強い要望」を出した真意があるような気すらしてきました。要するに、オリックスと岩隈投手との間で解決しなさい、ということです。
もっとも、パ・リーグ事務局は岩隈投手についてどうこう言う前にこれを何とかすべきだと思うのですが(しつこい)。
トホホ
今年のうちに片つけてしまえばいいものを…
こういう感覚の古さをこそ改めないといけないと思います。
おっしゃる通り、これではまた1年後に同じ問題がぶり返すだけで、何の解決にもならないと思います。
しかも小泉球団社長は「これから何年もオリックスでプレーしてほしい」とまだ言っているし。
誰が見てもわやくちゃな話だと思うんですが、相変わらず本質をスルーした報道にやきもき。
そうでなくても、川越・谷両選手の保留で岩隈的にはかなり外堀が埋まった気分ではないかと思われ、田尾監督のひと言だけではあまりにも心もとない(あ、楽天の選手からも小声でエールは送られていますね)。せめてファンの後押しする声が届けばいいんですが。
今ここで岩隈が折れてしまったら本当にただのわがままで幕引きにされ、その時点で合併問題は一件落着=過去の話という流れになってしまいそうです。
>福盛投手も拒否が認められた
ええっ、そうなんですか。
そもそもの発端は岩隈欲しさではなかったかという妄想がまたむくむくと(笑)
小泉氏にしてみれば、1年で出すつもりなどさらさらないでしょうし、非常に無責任な案と思いますね。
>福盛投手も拒否が認められた
下の記事にありますよ。となると、岩隈投手だけがわがままとは言いづらくなってきますよね。
むしろ、岩隈投手だけプロテクト拒否を認めなかったオリックスはどうなの、とういう問題になってきます。
(参考)
http://www.nikkansports.com/ns/baseball/p-bb-tp0-041212-0001.html
おっと、狸寝入りコミッチョナーの発表。
「えーっ、井湧間選手は弐志選手+基木選手とのトレードで読捨に行きます。
そのあと、井湧間選手は市場選手+福森選手とのトレードで楽転に行きます。
」
三角トレード案が浮上しそうですね。
ただ、YGのM選手はトレード通告すると即刻引退を決め込みそうです(H監督風にイニシャルトークで)。
キャラ的にはウミウシがよく似合いますが、M選手からYGの看板を取ったら(略
ただ、2ヶ月ぐらいこのままなんですよね。ひょっとしたらこれが本名かも知れません(憶測)
岩隈にしたら今現在、檻に「岩隈はうちが保有権を持ってるんだよ~ん」と言われることすら我慢ならんのじゃないかしらと想像してみたりします。
どんどん態度が硬化するって一体どんな交渉して来てん。
ネゴシエーターとしても全然ダメです小泉ちゃん。
この騒動で檻の人気は更にガタ落ち。合併で選手もファンも「2倍2倍」と企んだ宮内は、逆に赤字が増大し愛想着かして逃げましたとさ。
岩隈問題にしても、1リーグにしても何にしても、去年までは巨人ファンとアンチ巨人とか、その程度の対立しかなかったのに、1リーグ賛成派反対派、岩隈応援派とバッシング派(理詰めもいれば、ただの感情論=封建主義か?もいる)等々、ひどい状態になっていますね。まるで田舎の「自民党対自民党対決」の選挙のようです(田舎の人以外にはわかりづらいでしょうか??別に自民対昔は自民だった民主の人でも可。冗談抜きで血を見る戦いです)。そしてもっとひどいことにコミッショナーはやる気なし。今年の出来事はファンの間に壁を作り、禍根を残しそうだというのに。
しかし、小泉氏はわざわざ岩隈投手を家に招いてどういう説得をしたのでしょうね。一度ぜひ聞いてみたいところです。
ただ、氏の場合いろいろ理由をつけて球団を解散させたり、バファローズだけでは飽き足らずに別の球団を狙いそうなイメージがあるのが恐ろしいです…
ですが、それがとんでもない対立を引き起こしている例もあるようで、残念でなりません。
ファン同士がいがみ合って得をする人もいるでしょうが、そのうち「やっていられない」と思うファンから徐々にプロ野球離れが進み、そして誰もいなくなった、となりそうな気もします。