号泣でした。こんなに感情移入したの、久しぶりですよ。主人公のアンナは、ほとんど友人の回想の中にしかでてきません。小学生のときに殺人の疑惑をかけられ、養護施設で育ったにもかかわらず、明るく前向きな女の子です。そのアンナが男性を刺したとニュースになり、ずっと連絡を取ってなかった友人たちが真相を知ろうと動き回るのですが、物語が進むほど、このアンナが人を刺すなんて考えられないと思えてきます。そしてきっと誰もがアンナを好きになるはずです。ラスト近く、アンナは絶対に幸せになってほしいと願い、もしバッドエンドなら作者をぶっ殺すとまで思えてきます。ちょっと物足らない終わり方でしたが、希望があるのでよしとしましょう。超お勧めの一冊です。
すっごい面白い漫画みつけちゃった。久し振りに漫画読んでわくわくしましたよ。これは絶対お勧めです!
とにかく描写がすごい。絵が上手いから、何から何までリアルで迫力があります。
結構残酷なシーンも満載なんですが、そこを逃げずに描ききる姿勢は称賛に値します。
アイヌのこともよく勉強しています。狩りの仕方、生活、食べ物、名前から言葉まで
知らなかったことばかりでした。これでも北海道に住んでいて、少しは他の人よりも知識があると思っていたのに。
この漫画はブックオフで買ってはいけません。必ず普通の本屋さんかアマゾンで買いましょう。
なんとすごいミステリーなんだ。これは暗号ものとしては、日本最高水準だと思います。出てくる「いろは歌」が50首(51でもある)。一応は涙香が作ったと書いてはいますが、当然すべて作者のオリジナルです。これって、人間業ですか? しかもその歌が暗号になっていて、最初の文字を抜き出していくと新たな「いろは歌」が炙り出されて、最終的に導かれるのが超ど級の「いろは歌」。もうめまいがしそうです。この暗号の前には、殺人事件やその犯人なんて、刺身のつまみたいなもの。いやー、恐ろしいミステリーを読んでしまった。まさしく天才といっていいでしょう。でも売れないだろうなあ。
面白かった! 最初は主人公に全然共感できなかったし、登場人物たちの名前が生々しかったりで、「これはどうかな?」と思ったのですが、読み進むうちにぐんぐんと引き込まれました。物語の構成は王道です。奇は衒っていない。だからこそ難しいのですが、マラソン経験もなく、資料で調べただけで書いたなんて、プロの作家とはなんと凄いんだと感じずにはいられませんでした。一番感心したのは、身内以外の登場人物を「さん」づけしているところですね。作者の人間性が出ています。ただ、コーチが栞ちゃんを娘のように可愛がるのはわかるのですが、監督までそう思うのはちょっと不思議。名古屋を走ってから最終章まで時間が飛んでいるので、その間に交流があったのでしょうが、読者には唐突に思えます。それからリオには残り枠があと二つで、そのうち一つは大阪で優勝した江藤で決まりと見られていたのに、主人公と辻本が出場している(多分)。これは陸連も大変だったのでは。また、主人公はリオで金メダルを獲ったと思うのですが(これも多分)、そこははぐらかしてある。この辺りがもどかしくもあり、余韻を感じさせる技でもありますね。坂井さん、これ見てたら教えてくれないかなあ。とにかく読後感は最高でした。
このタイトルと装填からして、ほのぼのとしたユーモア小説だって思うじゃないですか。笑いあり涙あり、最後は感動のハッピーエンドって。いやいやいや、川瀬さんがそんな小説書くわけない。やっぱりですよ。当然ですよ。騙されましたよ。なんと恐ろしい小説なんでしょう。もしかしたら昆虫シリーズより恐ろしいかも。でも病み付きになるのが川瀬なんですよね。また読みたい!