これからちょくちょく昔の写真なんかをアップして、思い出なんかに浸ろうと思います。
さて、ここはどこでしょう。見る人が見れば一目瞭然。そう、知床は硫黄山の麓にある
「カムイワッカの滝」です。
とっても素敵な場所なんですが、今は行くことができません。
あまりにも有名になりすぎて観光客が増え、危険と判断した地元自治体が立ち入り禁止にしたからです。
なにしろ崖をよじ登ったりしないと最奥にある秘湯に入ることができないのですから。
僕は一時ここの監視員のアルバイトをしましたが、毎日のように足を滑らせた観光客が転んだり落ちたりしていました。
幸い僕がいるときに大きな事故は起きませんでしたが、毎年数人は足を折ったりといった大怪我をして
病院に運ばれていました。
こんなところで怪我をすると大変です。今ではドクターヘリがあるからまだいいでしょうが
携帯もない昔は救急車がくるまで半日以上も待つしかありません。
立ち入り禁止にするのも已む無いと思います。
しかし一度でもここの温泉に入ったことのある人なら、ここがどれほど素晴らしいところかわかっていただけると思います。
お湯の流れる川の中を歩くこと30分、行きついた滝壺は天然の露天温泉です。
無色透明ですが酸性度が強く、傷があるととても沁みます。
深さが2メートルほどありますので、知らないと溺れる危険もあります。
いったいこれのどこがいいんじゃい! と突っ込みたくなりますが、そんなマイナス面を補って有り余る素晴らしさ。
まず景色です。目の前にはこれまで登ってきた川が森を縫うように流れ、ずっと先に目を凝らすとオホーツク海が広がります。
これがまあ素晴らしすぎる。ここまで絶景の温泉に入ったことは、正直ありませんでした。
お湯は熱めですが、水と交るちょうどいいところを見つけて浸かると、それはもう幽玄の心持ち。
これまで苦労して登ってきた気持ちが報われる瞬間です。
僕が初めて入ったときはユースの仲間たちしかいなかったので、もちろん素っ裸。
これがまた何とも言えない解放感なんですよね。
この温泉、もう入ることは一生できないのでしょうが、とてもさみしいし残念でなりません。
これまでの旅の中でも心に残る思い出です。
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