前編から続き
「こんにちは〜派遣からまいりました・・・」
借りてきた猫状態になりながら女は
店頭のショップスタッフさんに
よそ行き声で挨拶したのでした
「こんにちは〜!!ヘルプさん来た来た!良かったー
今日はこっちでの作業になるけどゴメンねぇ
よろしくね」
ーーーなんと
感じの良い爽やかスタッフさん
なのでしょう
さすがスポーツクラブの施設だけあると
女は感心するのでした
さて
本日の業務内容
・レジ補助、都度商品整理 ・・・等
ーーー・・・試合開始直前まで
女は
真夏の中華鍋地獄ごった炒めの具材となり
エネルギー、魂半分
(いやそれ以上)
客足と共に去りぬ・・・
本来のゲート担当だったならば味わえたであろう
スタジアム大熱気も
真夏の中華鍋地獄ごった炒めのうちに
風と共に忘れ去り
有線が楽しく流れる
落ち着いた空間へと
様変わりしたショップ内の空気に
女はいつしか馴染みきっておりました
ーーーハーフタイムも開け後半に入り
しばらくして後
スタッフさんの一人にこう聞かれたのでした
「ーーーこんな仕事だから帰りは相当遅くなるけど
家はこの辺り?」
ーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女は
一番答えてはいけない質問がついに
とうとう
やってきてしまったと思いました・・・
ーーー・・・「か…
会社の送迎車で来たので〜〜
しっ終電に間に合えば全っ然大丈夫です〜〜
アハハハ〜〜」
焦ってうっかり
『終電』
と漏らしてしまいました
そのあと適当に言葉を発して
誤魔化したつもりでしたが
スタッフさんが聞き逃すわけもありません
「終電困るくらいじゃ
結構な距離から来てくれたんだよね〜〜〜〜?
どこから???」
ナイフみたいな
鋭いスタッフさんのご指摘に🔪🔪🔪
女は観念いたしました・・・
「・・・・・ぁえ〜と・・・・・静岡(市)です・・・・・」
「そうだったんだ〜〜〜じゃあやっぱり・・・
あっち側(エスパルス)だよね笑笑笑」
「・・・すみませんでした・・・
」
女は
試合終了後の店内の
中華鍋地獄ごった炒めを
また想像しながら
白〜〜〜い目で見られるであろう自分を
覚悟しておりました・・・
が
「遠くからありがとうね〜〜
また機会があったらよろしくお願いします
あっ今度は応援でお会いするかな笑!?」
ーーーなんと
爽やかな返し方なのでしょう
さすがスポーツクラブの施設だけあると
女は
とても感銘を受けたのでした(2回目)
これまでの
ジュビロ磐田に対するイメージが
この爽やかスタッフさんたち
により
完全に塗り替えられたのでした
ーーーその後
女は
またとある仕事案件に応募しておりました
今度は
憧れのあの!!
日本平スタジアムでのお仕事です
もう初心者ではありません
しかも
応援するチームの本拠地です
女は
力の限りそのお仕事を頑張りました
以前教わったジュビロ磐田の
爽やかショップスタッフさん達の笑顔
を
思い出しながら・・・
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おしまい