どんな方向で現状勝負できる製品にするのかな、と思っていたら、APS-Cという筐体の割に巨大な撮像素子を搭載してきたRicoh GR。「わーい」って言いながら、入手(笑)。
ちょっとだけ使った感じでは、「ははーん」って、感じ。ハイエンドなコンパクトと言う謎なジャンルを確立したRicohの熟考デジタルカメラを妄想してみた。
まず、Ricohの立ち位置。国内で鎬を削るデジタルカメラメーカーの中で二巨頭はもとより、サンヨー亡き後、最も弱小。開発リソースが小さければ、研究開発費も最小。Ricoh自体は、大きなメーカーではあるものの、不採算部門は情け容赦なく切り捨て、時代を生き抜いて来た強者メーカー。その中のデジタルカメラ部門、Ricohデジタルカメラ部門は存亡の危機。さぁ、どうしましょう(笑)。
そもそもGRシリーズ自体が背水の陣で産まれて来た、デジタルカメラ。スタイルからわかるとおり、端から女子供は相手にしていない。写真の三要素、シャッター速度、絞り、ISO感度のわからんやつは、相手にしていない。申し訳程度にオート機能もあるけど、オートで撮るだけなら、当時も他に優秀なデジタルカメラは百花繚乱。わざわざエクストラコストを支払って買いたい客など居ようはずも無い。
そこで、写真好きだけをターゲットに、徹底的に練り上げたのがGRシリーズ。開発リソースが弱小なら、一点突破に掛けるしかない。レンズ。それだけに賭けた。だから、手ぶれ補正なんて無いし、画像処理も上手じゃなかった。でも、他のメーカーもデジタル写真はまだまだ不慣れだった。画像処理は不自然さを増幅し、コストの縛りが大きいコンパクトデジタルカメラにまともなレンズは乗らなかった。
GR Digitalは腕さえあれば、コンパクトカメラとは思えない絵を吐いたし、腕が無くても優秀なレンズのお陰で、明らかに他のコンパクトカメラより画質は良かった。初代の狙いは当たり、気がついてみればシリーズ4代、計6年の歳月が流れた。
物量に勝る他メーカーは6年の間に着々とデジタル写真の技術を磨き上げ、コンパクトで高画質なデジタルカメラは市場に溢れ返った。GR Digitalの存在意義はどんどん希薄になり、PENTAXを併呑したRicohからは、GR Digitalはひっそり幕を下ろして行くんだと思っていた。
ところが、Ricohデジタルカメラ部門は、死んではいなかった。The GRと銘打った、初代GR Digitalを彷彿させる哀愁漂う松本零士的世界感を持つコンパクトデジタルカメラは、帰って来た。ないない尽くしのRicohだから出来た奇跡の一台。
まずは撮像素子。とにかく高画質を狙うなら、大きければ大きい程有利。メーカーから買ってくるだけなので、開発の必要は無い。筐体の制約の中、ぎりぎりで入るであろう、APS-C。もちろん手ぶれ補正メカニズムなんか入るスペースは無い。入れない。操作性は、4代に渡って徹底的に突き詰めて来た。変えない。撮像素子が大きいから、優秀な単焦点レンズを乗せればデジタル処理は最小限で済む。メカニズムも含めて高速化だけやる……できたぜ、現状で通用するハイエンドコンパクト……
柔能く剛を制すというか、削りに削り込んだように見えるGR。やるな、Ricoh。モノ造りはコンセプトだってことを体現した、気合いの一台。あれこれ出来ないことを言い訳するのは簡単。出来ることを突き詰めて突き詰めて突き詰めれば、なんとかなる。なった。売れるといいね。
そんなわけで、今回のGR、APS-C中、最高の画質ではたぶん無いし、機能の一つ一つを見れば、凡庸ですらある。でも、込められた想いは、確実に使い手に伝わってくる。伝わってこなきゃ、相性が悪いんだよ。カメラ屋さんでちょこっと弄るだけで、相性のいい人にはわかると思うよ。
ちょっとだけ使った感じでは、「ははーん」って、感じ。ハイエンドなコンパクトと言う謎なジャンルを確立したRicohの熟考デジタルカメラを妄想してみた。
まず、Ricohの立ち位置。国内で鎬を削るデジタルカメラメーカーの中で二巨頭はもとより、サンヨー亡き後、最も弱小。開発リソースが小さければ、研究開発費も最小。Ricoh自体は、大きなメーカーではあるものの、不採算部門は情け容赦なく切り捨て、時代を生き抜いて来た強者メーカー。その中のデジタルカメラ部門、Ricohデジタルカメラ部門は存亡の危機。さぁ、どうしましょう(笑)。
そもそもGRシリーズ自体が背水の陣で産まれて来た、デジタルカメラ。スタイルからわかるとおり、端から女子供は相手にしていない。写真の三要素、シャッター速度、絞り、ISO感度のわからんやつは、相手にしていない。申し訳程度にオート機能もあるけど、オートで撮るだけなら、当時も他に優秀なデジタルカメラは百花繚乱。わざわざエクストラコストを支払って買いたい客など居ようはずも無い。
そこで、写真好きだけをターゲットに、徹底的に練り上げたのがGRシリーズ。開発リソースが弱小なら、一点突破に掛けるしかない。レンズ。それだけに賭けた。だから、手ぶれ補正なんて無いし、画像処理も上手じゃなかった。でも、他のメーカーもデジタル写真はまだまだ不慣れだった。画像処理は不自然さを増幅し、コストの縛りが大きいコンパクトデジタルカメラにまともなレンズは乗らなかった。
GR Digitalは腕さえあれば、コンパクトカメラとは思えない絵を吐いたし、腕が無くても優秀なレンズのお陰で、明らかに他のコンパクトカメラより画質は良かった。初代の狙いは当たり、気がついてみればシリーズ4代、計6年の歳月が流れた。
物量に勝る他メーカーは6年の間に着々とデジタル写真の技術を磨き上げ、コンパクトで高画質なデジタルカメラは市場に溢れ返った。GR Digitalの存在意義はどんどん希薄になり、PENTAXを併呑したRicohからは、GR Digitalはひっそり幕を下ろして行くんだと思っていた。
ところが、Ricohデジタルカメラ部門は、死んではいなかった。The GRと銘打った、初代GR Digitalを彷彿させる哀愁漂う松本零士的世界感を持つコンパクトデジタルカメラは、帰って来た。ないない尽くしのRicohだから出来た奇跡の一台。
まずは撮像素子。とにかく高画質を狙うなら、大きければ大きい程有利。メーカーから買ってくるだけなので、開発の必要は無い。筐体の制約の中、ぎりぎりで入るであろう、APS-C。もちろん手ぶれ補正メカニズムなんか入るスペースは無い。入れない。操作性は、4代に渡って徹底的に突き詰めて来た。変えない。撮像素子が大きいから、優秀な単焦点レンズを乗せればデジタル処理は最小限で済む。メカニズムも含めて高速化だけやる……できたぜ、現状で通用するハイエンドコンパクト……
柔能く剛を制すというか、削りに削り込んだように見えるGR。やるな、Ricoh。モノ造りはコンセプトだってことを体現した、気合いの一台。あれこれ出来ないことを言い訳するのは簡単。出来ることを突き詰めて突き詰めて突き詰めれば、なんとかなる。なった。売れるといいね。
そんなわけで、今回のGR、APS-C中、最高の画質ではたぶん無いし、機能の一つ一つを見れば、凡庸ですらある。でも、込められた想いは、確実に使い手に伝わってくる。伝わってこなきゃ、相性が悪いんだよ。カメラ屋さんでちょこっと弄るだけで、相性のいい人にはわかると思うよ。
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