自宅の玄関先で、土方先生は腕を組んで立っていた。眉間に皺を寄せている。
すると廊下の奥からバタバタと加奈が走って来た。
加奈「お待たせー。」
土方「おそい。出かけるって言ってから何分経ったと思ってるんだ。」
加奈「うるさいなぁ…今出れますから……あ、待って!!」
また加奈がバタバタと奥に走っていく。
土方「はぁー……。」
土方先生は呆れた様にため息をついた。
その時、インターホンのベルが鳴った。土方先生がドアを開けると、斎藤が立っていた。
新年会を解散した後、三人で初詣に行くことになった。加奈が少し家の用事をしたいと言うので、再び待ち合わせをしていたのだ。
斎藤「どうも。先程はお疲れ様でした。」
律儀に一礼する。
土方「おぅ……すまねぇな。もちっと待ってくれるか。」
斎藤「了解です。お……これは……。」
斎藤が何かに気付いたように玄関に並んだ置物を手に取る。
斎藤「俺が一年の夏休みに家族で行った鳥取砂丘で買った星の砂……こちらは、二年の冬休みに平助と荒木と行った有馬温泉で買った干支の置物…隣のは、御陵高校に行った時に買った京都タワーの置物……。」
土方「あぁ、どこかへ行く度に律儀に土産を買って来られちゃ、飾らねぇ訳にはいかねぇだろ。」
下駄箱の上には、斎藤から送られたお土産の置物が所狭しと並べられていた。
土方「おーい、まだかぁ?!一体何分かかってやがる!!斎藤が待ちきれずに迎えに来てるぞ!!」
土方先生は痺れを切らしたようだ。
加奈「はーいはい、お待たせしました。」
加奈は、両手にマフラーと手袋を持って出てきた。
加奈「今日は随分と冷えるから、はい。土方先生、それと斎藤君も。」
土方「お、気が利くじゃねーか。」
斎藤「俺にも……か?」
斎藤は渡されたマフラーと手袋を眺めながら、少し驚いた表情を見せた。
加奈「うん。先生のだけど……ちゃんと洗ってあるから大丈夫だよ。斎藤君いっつも薄着だし。新年早々風邪ひいたら洒落にならないし、ね。」
加奈は座ってブーツを履きながら答えた。
斎藤「す、すまない。」
斎藤はマフラーを首に巻き付けた。
土方「気が利くのはいいが、もちっと早く用意出来ればもっといいんだが、っと。」
苦笑いしながら、ブーツを履き終わった加奈の手を取って立ち上がらせる。
土方「んじゃ、行くとするか。」
斎藤「はい。」
斎藤がドアを開け一歩外に出ると、土方先生が口を開く。
土方「待て。お前ももう一枚ぐらい羽織ってきたらどうだ?そのくらいなら待ってやる。」
斎藤は一人、そっとドアを閉める。
そして首に巻いたマフラーを見つめ呟いた。
斎藤「まるでどこかの世話焼き女房と亭主関白な旦那…といったところか。」
すると廊下の奥からバタバタと加奈が走って来た。
加奈「お待たせー。」
土方「おそい。出かけるって言ってから何分経ったと思ってるんだ。」
加奈「うるさいなぁ…今出れますから……あ、待って!!」
また加奈がバタバタと奥に走っていく。
土方「はぁー……。」
土方先生は呆れた様にため息をついた。
その時、インターホンのベルが鳴った。土方先生がドアを開けると、斎藤が立っていた。
新年会を解散した後、三人で初詣に行くことになった。加奈が少し家の用事をしたいと言うので、再び待ち合わせをしていたのだ。
斎藤「どうも。先程はお疲れ様でした。」
律儀に一礼する。
土方「おぅ……すまねぇな。もちっと待ってくれるか。」
斎藤「了解です。お……これは……。」
斎藤が何かに気付いたように玄関に並んだ置物を手に取る。
斎藤「俺が一年の夏休みに家族で行った鳥取砂丘で買った星の砂……こちらは、二年の冬休みに平助と荒木と行った有馬温泉で買った干支の置物…隣のは、御陵高校に行った時に買った京都タワーの置物……。」
土方「あぁ、どこかへ行く度に律儀に土産を買って来られちゃ、飾らねぇ訳にはいかねぇだろ。」
下駄箱の上には、斎藤から送られたお土産の置物が所狭しと並べられていた。
土方「おーい、まだかぁ?!一体何分かかってやがる!!斎藤が待ちきれずに迎えに来てるぞ!!」
土方先生は痺れを切らしたようだ。
加奈「はーいはい、お待たせしました。」
加奈は、両手にマフラーと手袋を持って出てきた。
加奈「今日は随分と冷えるから、はい。土方先生、それと斎藤君も。」
土方「お、気が利くじゃねーか。」
斎藤「俺にも……か?」
斎藤は渡されたマフラーと手袋を眺めながら、少し驚いた表情を見せた。
加奈「うん。先生のだけど……ちゃんと洗ってあるから大丈夫だよ。斎藤君いっつも薄着だし。新年早々風邪ひいたら洒落にならないし、ね。」
加奈は座ってブーツを履きながら答えた。
斎藤「す、すまない。」
斎藤はマフラーを首に巻き付けた。
土方「気が利くのはいいが、もちっと早く用意出来ればもっといいんだが、っと。」
苦笑いしながら、ブーツを履き終わった加奈の手を取って立ち上がらせる。
土方「んじゃ、行くとするか。」
斎藤「はい。」
斎藤がドアを開け一歩外に出ると、土方先生が口を開く。
土方「待て。お前ももう一枚ぐらい羽織ってきたらどうだ?そのくらいなら待ってやる。」
斎藤は一人、そっとドアを閉める。
そして首に巻いたマフラーを見つめ呟いた。
斎藤「まるでどこかの世話焼き女房と亭主関白な旦那…といったところか。」