禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

言葉

2015年04月13日 | 小さな法話
うららかな春の季節です。
午後からは、眠たくなる頃です。
特に、人の話を聞いているときは、居眠りをしている方を見かけます。

ついつい「春眠暁を覚えず」という言葉を使ってしまいます。
その出典は、孟浩然の詩『春暁』の「春眠暁を覚えず、処処啼鳥を聞く、夜来風雨の音、花落つること知る多少」です。

春の季節の睡眠はたいへん心地よく、つい夜明けも知らず、鳥のさえずりが聞こえてくる。昨日の夜は、ひどい嵐だったが、おそらくたくさんの花が散ったことだろう、という意味です。

ついつい昼間でも眠たくなることの例えに使ったりしますが、これは本来は朝方のことであり、昼間の事ではないようです。
そして、春以外の季節には使わないものです。

同じように、小春日和という言葉は春に使う言葉ではなく、11月頃に春のような穏やかな日が続くときに使われる言葉です。

役不足という言葉も、自分と役を比較して、役の方が軽い、または自分の方が優れている時に使う言葉で、逆の意味で使う言葉ではありません。

日常の中で意味を勘違いしている場合が多いものです。日本語は難しいと思うより、正しい意味を適切に使うことが大事になります。

自分の言葉ではなく、相手にあった言葉が必要なのです

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