禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

はなまつり

2015年04月24日 | お知らせ
5月8日は、「はなまつり」です。
お釈迦さまへ、報恩感謝の行持です。

お釈迦さまのお誕生日は4月8日ですが、これが旧暦であるとともに、花の咲く時期を考慮して、当地域では5月8日に勤めています。

午前中は、お祀りしていますので、お釈迦さま(誕生仏)に甘茶をかけるて、また甘茶を味わってください。

真珠の涙

2015年04月21日 | 小さな法話
江戸時代の禅僧、白隠はたくさんの僧や人々に法を説いていました。

その中に、さつというひとりの老婆がおり、たいへん熱心に法を聞いており、白隠からも認められていました。

ある日、さつさんの孫が、幼くして亡くなりました。
可愛がっていた孫の死に、さつさんの悲しみはたいへん深く、お葬式の場で人の目も気にせずに大泣きをしました。

あまりの悲しみ様に、ひとりの人がさつさんに言いました。
「おさつさん、白隠禅師に認められているあなたが、そんなに泣いては禅の悟りも無意味になるんじゃないか」

するとさつさんはすかさず
「私の流している涙は普通の涙ではありません。真珠の涙を流しているんです。」と答えたということです。

「目に入れても痛くない」と比喩されるほど孫は可愛いと言われます。

禅は、喜怒哀楽の感情を押し殺してしまうことだと思われているようですが、そうではありません。

悲しいときには悲しみ、悲しみの真珠の涙を流すことが、禅の心なのです。

5月の坐禅会のお知らせ

2015年04月19日 | 坐禅会
豊作を祈願しての春祭りが各地で行われます。
日々の暮らしの中で、いろいろな思いをのせての祈りです。
先人の思いを馳せる季節でもあります。


さて、5月の坐禅会は、1日です。
朝6時半からと、8時半からの2回行います。

初めての方の参加もお持ちしています。



蜜湯

2015年04月16日 | 小さな法話
仏さまにお供えするものは、線香やお華、お菓子や果物などさまざまです。
その中で、お茶と並んで、蜜湯をお供えします。

仏さまは、温かいもの、甘いものを好まれると言われ、神様は冷たいもの、辛いものを好まれると言われています。

かっては、砂糖がなかなか手に入らない高級品であり、身近にとれる蜂蜜を湯に溶かしてお供えをするのです。

疲れを取るのに、甘いものは欠かせません。
信心をもってお供えし、手をあわせることは、私たちの心の仏を目覚めさせるものです。

言葉

2015年04月13日 | 小さな法話
うららかな春の季節です。
午後からは、眠たくなる頃です。
特に、人の話を聞いているときは、居眠りをしている方を見かけます。

ついつい「春眠暁を覚えず」という言葉を使ってしまいます。
その出典は、孟浩然の詩『春暁』の「春眠暁を覚えず、処処啼鳥を聞く、夜来風雨の音、花落つること知る多少」です。

春の季節の睡眠はたいへん心地よく、つい夜明けも知らず、鳥のさえずりが聞こえてくる。昨日の夜は、ひどい嵐だったが、おそらくたくさんの花が散ったことだろう、という意味です。

ついつい昼間でも眠たくなることの例えに使ったりしますが、これは本来は朝方のことであり、昼間の事ではないようです。
そして、春以外の季節には使わないものです。

同じように、小春日和という言葉は春に使う言葉ではなく、11月頃に春のような穏やかな日が続くときに使われる言葉です。

役不足という言葉も、自分と役を比較して、役の方が軽い、または自分の方が優れている時に使う言葉で、逆の意味で使う言葉ではありません。

日常の中で意味を勘違いしている場合が多いものです。日本語は難しいと思うより、正しい意味を適切に使うことが大事になります。

自分の言葉ではなく、相手にあった言葉が必要なのです