禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

他は是れ

2015年07月31日 | 小さな法話
暑い日々が続きます。室内にいてもまいってしまうようなこの頃です。
明日から8月です。まもなくのお盆を控え、とあるお寺では方丈様が庭木の剪定をされていました。
もう決して若くない方丈様ですから、つい「この暑さですから無理をしないでくださいね」と声掛けをしたところ、
「できるうちは、自分でやろうと思う」と返事が返ってきました。

「他は是れ我に非ず」という言葉が浮かびました。

これは道元禅師が宋に渡られた際に、夏の暑い盛りにひとりの老僧が汗だくになって椎茸を干しているのを見て「あなたがなさらなくとも、誰か他の若い人にさせたらよろしいでしょうに」と声をかけたところ、かえってきた言葉が「他は是れ我に非ず」という言葉だったそうです。
他人がしたことは他人がしたことで、私がしたことにはならない。
ことの大小ではなく、自らのつとめにしっかりとあたるということです。

2015年07月30日 | 小さな法話
「禅」という文字に関心を持つ人が増えているそうです。
もともとインド語の「ゼンナ」を音写したもので、ものごとの本当の姿、在り方を見つめ、正しく対応していく心のはたらきを調えることを指すそうです。
日々の心の働きにとらわれることの無い「私」に出会うのです。

1日は坐禅会です。ご興味のある方は、どうぞお越しください。

流れのなか

2015年07月25日 | 小さな法話
夏の暑さが戻ってきました。
薔薇の花の色が日ごと薄くなっていきます。

その花のもとで、一匹のコガネムシ死んでいます。
きっと以前、花にたかっていた虫でしょう。

コガネムシには無数の蟻がたかっています。

自然界の中の普通の出来事ですが、その普通の出来事を特別と捉えてしまう事が、人間にはあります。

移ろいゆく流れに、竿をささない心がいるのです。