著:茅田砂胡 / 挿絵:睦月ムンク
1巻の評判があまりよくなかったので、後回しにしてました。
1巻読んだ感想は、
ああ、なるほど。
たぶん、デルフィニアとかスカーレットシリーズ読んでる人には物足りない。
それと核家族で育った人には、ちょっとリアルのないかも。
内容としては、まったくやる気のない無能で空気が読めなくて、体力もない主人公が特殊技能(笑)をもってる友人たちに助けられながら、そして本人の持ってる特殊能力(?)に振り回されつつ、探偵もどき事務所に舞い込んだ依頼を解決するお話。
主人公の空気の読めなさといい、やる気のなさといい……すごく、いい(笑)。たぶん、自分が友達だったら間違いなく登場人物たちどうように、この主人公のケツを叩きたくなる(笑)
主人公といい、主人公を助ける部下やお友達といい、キャラだちがめっちゃうまい茅田さんらしい個性的なキャラばっか。
正直、こんな都合よく集まるかよ!と思うが、だが、実のところ世の中は似たもの同士が集まるので、実際、こんなもんな気がする。
実際、私もけっこうなかわりものだが、私のまわりの人たちのもけっこう変わり者(笑)。さらにはあんまり一般でない特殊技能持ちとか多いしなぁ~。ハッカーの友達はいないけどね(笑)
それにこの主人公ほどではないが、私も似たような”偶然を引き寄せる”能力はあるようで、こんな偶然あり?って思うようなことは何度も経験してるので、けっこう、笑えない。はは。
あと驚くのは1も2も旧家とか金持ちのお家騒動にかかわる話なのだが、旧家の内状がけっこうリアル。
たとえば、長男至上主義とか跡取りの話しとか、体面の話しとか……
田舎だとまだこんな話が通じたりします。
金持ちではないですが、私は一応、旧家の本家筋の子供だったので、家を出るまではこの小説にでてくるような親戚付き合いとかも普通にまわりにありました。
ぶっちゃけ、身内内で結婚……て話も2.3ありましよ。
よそのお嬢さんもらうより、同じ家族(親族)からのほうがいいって。
あとは、曾祖父の兄弟の孫も家族(親戚)扱いだし、祖母の兄の嫁の兄弟・家族も身内って感覚。
慣れない人が混乱するみたいですけど、こう面倒な関係を説明されてもすんなり理解できたりします。
でも、こういう感覚はどうも一般的はないようなので、ごく普通の核家庭育ちだと理解が難しいらしいですね。
なので、そういう人からするともものき~はちょっと人間関係の把握で戸惑ってしまうかも。
そこで戸惑っちゃうと面白さが半減。
しかし、それがクリアできれば、話のテンポはいいし(というか、良すぎて若干物足りない)、うまい具合の軽いどんでん返しもあって、私はけっこう好きです。
特に2巻は物語が二転も、三転もしちゃうところ、うまいなぁ!てかすげー!!って思いました。
最終地点はそこなのっ!!って。
なんてことはないちぽけな話からよくまぁ、ここまで転がして、このオチについたなって感心。
ただし、読み手によっては、散々遠回りさせておいて、隣かよっ!って無駄に回り道させられている感になる人もいるかも。
たぶん、万人受けするタイプの話しではなく、デルフィニアのようなスカッと感を求める人には向いてない話。
同じ作者が書いててもベクトルが全然違う。
ただ、本格的ミステリーまでは求めないけど、ちょっとミステリーちっくで、気軽に楽しくよみたいなぁって気持ちなら、これはかなり面白い話だと思います。
個人的には2巻のほうがお勧めかな。
あ、あと1話完結なので、1巻読んでなくても問題なし。
もものき事務所もっともっと続くといいですね!
初めまして!
こんな辺境の地までようこそ☆
もものき面白いですよね!
同志がいらっしゃって、嬉しいです。
3巻の短編集的な仕上がりも面白かったですね。
個人的にはなんか、細く、でも長く続いて欲しいシリーズです☆