衣笠氏がカープに入団して3年目、2軍に落ちた時、
根本コーチから
「1軍は使わない」
「時間をやるから」
「衣笠を作ってこい」
と言われ、どういうことか、最初さっぱり分からなかったのだそうである。
「1軍は使わない」これは分かるけど、
「時間をやるから」、というのが分からない。
次第に、1軍ではない=試合に合わせてコンディションを整える必要がないから、
いくらでも練習することができる、ということに彼は気づく。
「一流と言われる選手は、バランスの取れた、いいフォームをしている。
コンスタントに高い数字も出している」
「飛んできたボールよりも早くバットを振れば、飛距離は伸びるはず。
誰よりも早くバットを振れたら、1軍に上がれるはず」
ということに気付いた彼は、必死で、毎日素振りの練習を続けたそうな。
しかし、ひたすら練習を続けても、本人には変化が感じられず、スランプに陥った。
「本当にこれで正しいのか?もっと他にいい方法はないのか?と考えたけど、
一度決めたことはやり通すしかない」、と決めたそうである。
根本コーチが3番目に言われたこと、
「衣笠を作ってこい」とはどういうことなのか?
衣笠氏は、先輩選手を観察し、自分で考えて、こう結論づけたそうである。
あれだけの選手であっても、これだけ練習するのか、という気づき。
練習を重ね、体をつくる、かたちをつくる。
バランスのとれた、いいフォームをつくることが基本であり、
血の出るような思い、努力をして、
自分のかたちを作りあげることに重点を置いたそうである。
そして、自分のセールスポイントは何か、を考えたときに、
よし、年間20本ホームランを打てる選手になろう、と決めたのだそうな。
続きは、衣笠祥雄さんが語る、「野球から学び、教えられたこと」 3 へ。
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