さくらまる草紙

写真付き記録

自然観察会活動の一例

2013-06-03 15:19:44 | 日記
環境教育論の講義の中で、毎年、何冊かの課題図書の中から1冊を読んでまとめるという小課題を出しています。その中の1冊、『自然観察会の進め方』(浜口哲一著)は、薄手のブックレット、具体的な内容で読みやすそう、などの理由から、毎年何人かが選択します。
今年も2人の受講生が自分なりの視点でレポートをまとめ、発表してくれました。



しかしながら、今年の受講生たちは自然観察会なるものを初めて知ったと言います。
学校や公民館や生涯学習施設など身近な地域の行事として実施されることが多くなり、
ここ数年、何らかの経験をしている人がかなり増えているような印象だったのですが、
年代によって、流行に波があるのでしょうか。

ともあれ、「自然観察会とはどのようなものですか?」という受講生の質問にこたえるため、
最近参加した横須賀市にある沢山池の「里山びらき」行事で撮影した写真の中から、
特徴をつかんでもらえるようなものを選んでみました。

    


今回の行事の正式名称は、「よこすか里山びらき―身近な里山づくりを目指して―」
横須賀市の市民協働モデル事業として開始された事業のため、主催者は、以下の三者。

  ・里山活動連絡会(長坂地区・野比地区)
  ・里山実行委員会(市民協働モデル事業の実施主体)
  ・横須賀市(環境政策部環境企画課)

開催日は5月25日(土)、午前中には室内にて、以下のステージプログラムが行われました。

  開会
  協力地権者紹介
  里山の生き物調査報告
   [報告者]
      里山活動連絡会ワーキンググループ
       ・横須賀「水と環境」研究会
       ・横須賀植物会
       ・三浦半島昆虫研究会
       ・NPO法人三浦半島生物多様性保全         
  「よこすか里山びらき」座談会
   [テーマ]「横須賀市の里山の魅力と展望を語る」
   [発言者]
      安倍英俊氏(西武鉄道株式会社管財部課長)
      大場信義氏(大場蛍研究所所長)
      天白牧夫氏(里山実行委員会委員長)
      吉田雄人氏(横須賀市長)
   [司会者] 林公義氏(前横須賀市自然・人文博物館館長)


座談会の様子
  
司会の林先生と<横須賀「水と環境」研究会高橋会長と<同じく水環、中村さん (^^♪


これらの報告・座談会の後で昼食をとり、それから、全員で借り上げバスに乗車して、体験プログラム会場(沢山池)へと移動。
そこで、3つの体験プログラム(自然観察会、里山林の手入れ体験、親と子の自然遊び)が行われました。自然観察会は、この3つのうちの一つという位置づけになっています。

というわけで、通常の、自然観察会のみ又は清掃(ゴミ拾い)ボランティア等簡単な奉仕活動と組み合わせた行事に比べると、やや大がかりな構成ですが、以下では、自然観察会活動の様子を中心に紹介します。

まず、体験活動の参加者全員が、テントの前に集まり、受付にて、参加者名簿の確認、名札の受け渡しなどを済ませてから、全体で注意事項等の説明等を聞きます。

   


次に各グループ分かれて、それぞれのフィールドへ移動し、活動を開始。
開始前に、グループの活動に必要な説明を受けます。

今回の自然観察会のテーマは、「春の植物・昆虫水生生物と荻野川の水質調査」です。
自然観察会は参加人数が多かったので2班に分かれて行動しました。

私たちの班はまず、水生生物と荻野川の水質調査から。
横須賀「水と環境」研究会の皆さんから調査に必要な器具や試薬の扱いについて説明を受けました。
川の向こう岸では、里山林の手入れ体験参加者が、森林インストラクターの方々による説明を受けています。

   


   


      

水深を測ったり、水質のパック調査をしたり、水生生物を見つけたりと、大忙し。生きものでは、サワガニや、羽化したてのウスバカゲロウなどがいました。


   


川岸での活動を終えたら、植物・昆虫観察。
横須賀植物会と三浦半島昆虫研究会の方々が、歩きながら、所々で立ち止まり、解説してくださいました。解説対象の樹木には、その木の名前を書いた紙製の荷札がつりさげられていました。


      


    


橋の下を流れる川の河原に見えるのは采配ラン。帰り道、里山の手入れ体験班の作業成果で明るくなったところにある采配ランを見せてもらいました。下方の川岸では先ほど経験した水膣調査を別の班の参加者が体験中でした。





帰り道は葉山・逗子経由で。バスの車窓から相模湾のきらめきをしばし愛でて帰りました(^^♪