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TPPを巡り、せめぎ合う米中――国際戦略としてのTPP

2011年11月28日 12時06分02秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  

TPPを巡り、せめぎ合う米中――国際戦略としてのTPP

[HRPニュースファイル104] 転載

TPPを巡るグローバルな見取図として、11/27の産経新聞3面の
記事には「TPP、ASEAN…地域経済圏作り加速
 WTO停滞 米見切り」と題し、以下のように記されています。

「WTOに代わって存在感を高めているのが、TPP、ASEANなど
特定地域内での貿易圏構想だ。背景にあるのは
米国と中国の覇権争い。巨大な市場をもつ中国やインドが
ドーハ・ラウンドでの門戸開放に消極的で議論が停滞する
一方で、中国はアジア地域で自由貿易圏構築に乗り出した。

これに業を煮やし、リーマンショック後の経済低迷から
輸出拡大で抜け出したい米国がドーハ・ラウンドに見切りを
付け、TPP推進にかじを切った。」

WTO(世界貿易機関)は153カ国・地域による多角的自由貿易体制
を目指し、参加各国が自由にモノ・サービスなどの貿易する
ためのルールを定め、関税や貿易障壁(非関税障壁)を
削減・撤廃する機関です。

しかし、今年が10年目となるWTOの多角的貿易交渉
(ドーハ・ラウンド)はアメリカと中国、ブラジル、インド等の新興国
との対立などで遅々として進まず、決着の先送りを重ねる失態が
続いています。

そこで、世界各国でWTOの例外として認められている
自由貿易協定(FTA)や、物流のみならず、資本やサービスなどを
含む自由化を目指す経済連携協定(EPA)が結ばれる潮流が
強まっています。

WTOでの全体的なルール作りが歩みを止める中、各経済陣営が
仲間作り初め、囲い込みを始めています。
TPPはまさに多国間版の経済連携協定(EPA)だと言えます。

アメリカはTPPを核としてアジア太平洋の地域経済統合を
目指す一方、中国はASEAN+3(EATFA)やASEAN+6(CEPEA)の
枠組みを核として、中国主導のアジア自由貿易圏の構築に
乗り出しており、アジアを舞台とした「米国と中国の覇権争い」
が始まっています。

中国は米国が主導するTPP構想に対抗して、米国抜きの
アジア自由貿易経済圏を目指しており、まさに鳩山元首相が
提唱していた米国抜きの「東アジア共同体」構想を具体化せん
としています。

一方、米国がTPPを進める背景として、外務省幹部は
「中国主導の貿易圏や東アジア共同体構築に歯止めをかけ、
ASEANを含むTPPをFTAAPの核にする狙いがある」と語っており、
中国のアジア太平洋地域への経済進出や影響力行使に
対する牽制であることは明白です。(『日経ビジネス』11/7号)

実際、米国通商代表部のマランティス次席代表は
「中国はアジア太平洋地域で極めて活発な経済活動を展開して
おり、それが我々がこの地域への関与を増やさなければ
ならない理由だ」として、TPP推進の背景に中国の存在が
あることを明言しています。(11/13毎日)

アジアを舞台に、米中の自由貿易圏の主導権争いが
活発化する中、日本が「どちらにつくのか」によって趨勢が
決まります。すなわち、アジア太平洋の「第三の大国」である
日本がキャスティング・ボードを握っている状況にあります。

世界も日本の動向を注視しています。

実際、日本のTPP参加表明に合わせて、カナダとメキシコも
参加を表明しました。

北米自由貿易協定(NAFTA)を構成する両国が参加表明
したことで、TPPは一気に拡大する可能性があります。

「TPPは実質日米FTA」といった批判も当てはまらなくなりつつあります。

昨年、横浜で開催されたAPEC首脳会議において、
「FTAAP」(アジア太平洋自由貿易圏、日米中印豪を含む
APEC全域における包括的な自由貿易構想)への道筋として
ASEAN+3、ASEAN+6、TPPといった地域的取り組みを発展
させていく3つの案が提示されました。

中国が加わる最初の2つは未だ研究段階ですが、TPPは
既に具体的な交渉が始まっており、日本としては、FTAAP、
そして、その先にある世界自由貿易圏構想に向けての
道筋として、TPPを経由することが最有力候補であると考えます。

普天間基地問題によって日米同盟の亀裂が生じる中、
TPP参加は日米同盟の再構築の出発点ともなるでしょう。

日本は日米同盟に基づく自由貿易体制の最大の恩恵国で
あり、今更、覇権主義を拡張する中国の経済圏に入り、
「東アジア共同体」を作るという選択肢はあり得ません。

TPPは単に経済上の問題にとどまらず、日本の安全保障にとっても
大きな意義を有しています。
こうした戦略的視点からTPPの意義と役割を捉え直していく
必要があります。

(文責・黒川白雲)


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