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経済対策108兆円解説――実は10.6兆円?[HRPニュースファイル2137]

2020年04月15日 05時02分51秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  
 
経済対策108兆円解説――実は10.6兆円?[HRPニュースファイル2137]
(4月8日収録)幸福実現党外務局長 及川幸久

経済対策108兆円解説、“真水”って何?実は10.6兆円?国民に絶望感。(及川幸久)【言論チャンネル】

◆安倍総理が打ち出した「緊急経済対策108兆円」
 
安倍総理が、今回のコロナウイルスの大変な被害の中で経済対策を打ち出しました。それが「緊急経済対策108兆円」です。
「108兆円」と大きく出してきたので結構びっくりしたのですが、中身を見て考え方が変わりました。
結論から言うと、今回の「緊急経済対策108兆円」は嘘とは言いませんが、実態はそうではありません。私の個人的な見方で言うと「緊急経済対策」は108兆円の10分の1です。
なお、108兆円の経済対策の中にある「30万円の現金給付」については、前の動画の中で解説しています。ぜひ、こちらもチェックしてみてください。
 
30万給付解説――本当に大切なのは雇用を守ること
 
給付金30万円解説。批判殺到!外国人までもが受給?本当に大切なのは雇用を守ること(及川幸久)【言論チャンネル】
 
 
(4月7日収録 ※4月10日に政府は給付金の新たな基準を発表していますが、考え方は同じです)
 
今回は、「緊急経済対策108兆円」の全体像について、以下の順で解説いたします。
(1)「緊急経済対策108兆円」のカラクリ
(2)今回の緊急経済対策の良い点
(3)緊急経済対策のあるべき姿
 
◆緊急経済対策108兆円のカラクリ
 
安倍総理は、今回の緊急経済対策「事業規模108兆円」は日本のGDP の20%にあたり世界的に最大級の予算だと誇らしげに言われていました。
アメリカやヨーロッパの緊急経済対策は、だいたいGDPの10%で、これは大きいと話題になっています。ですから日本がGDP の20%だとしたら本当にすごいことですが。
 
安倍総理が言う「GDP の20%」を嘘だとは言いませんが、ただ「事業規模が108兆円」の「事業規模」という言葉をしっかり見てみたいと思います。
まず、世界の国にはない日本独自の言い方で「真水」という言葉があります。
「事業規模108兆円」はわかりました。「では、真水はいくらですか」と必ずなるわけです。
 
「真水」には、いろんな定義がありますが、大きな意味で言うと、「国の財政出動、財政投融資」と「地方自治体の資金」がいわゆる「真水」と言われます。
しかし、安倍総理が「事業規模108兆円」と言っているのは、「国」や「自治体」が出すお金だけでなく、「民間企業の資金」や「金融機関の融資」含めて「事業規模」と言っています。
 
ちなみに、アメリカの「緊急救済法220兆円」は、大きく「補助金・給付金」と「融資」の2つに分かれていますが、これを日本の「真水」にあてはめるとざっくり言って「真水」は100%です。
では、日本の「事業規模108兆円」の「真水」はどのくらいでしょうか。
 
(1)一般会計という国家予算を補充する「補正予算」は、16.8兆円です。
(2)そこに「財政投融資」などの財政支出の部分を含めると、39兆円になります。
(3)さらに民間企業や民間の金融機関のお金までを含めて事業規模が108兆円になります。
 
「真水」は厳密にどこに当たるかというと(1)「補正予算」と(2)「財政支出」のところです。
財政支出の39兆円までを「真水」と定義する人もいます。
菅官房長官は記者会見で、記者からの「真水はいくらですか」と質問されて、財政支出の39兆円分」と言っていました。しかし、厳密に言えばそれは融資です。
 
本当の意味で政府としてお金を出しているのは、補正予算であり、「真水」は16.8兆円と言えます。
なぜ「真水」とか「事業規模」とか紛らわしい言葉を使い分けているのでしょうか。それは日本の独特のもので、「国民に経済政策を大きく見せる手法」だからです。
 
「補正予算」だけだったらわずか16.8兆円ですが、「事業規模」と言ったら108兆円に膨れ上がりPR効果があります。
これを国民は知っておいた方がいいと思います。
ここまでが「108兆円のカラクリ」です。
 
◆今回の緊急経済対策の良い点
 
今回の緊急経済対策の良い点も見ていきたいと思います。
一つ目は、経済対策として「雇用調整助成金」の助成率を引き上げたことです。
 
「雇用調整助成金」とは、経済的な困難が訪れた時に従業員を解雇しないで雇用を保ってもらうように事業主に給付する助成金のことです。
賛否両論もありますが、ただこれがないと雇用維持するのは非常に難しく現実的には必要だと思います。
 
今回は、中小企業に対しては3分の2を助成していたものを5分の4にあげ、大企業は2分の1だったものを3分の2にあげます。
1人も解雇しないという企業であれば、さらにもっと助成率があがります。
また今までは正社員だけが対象でしたが、アルバイトや雇用保険に入っていない非正規も対象に含まれます。
支給限度日数はコロナ問題が起きている4月から6月の3ヶ月分が追加されることになりました。かなり緊急な経済対策になっていると思います。
さらに、二つ目は「規制緩和」です。その一つが「オンライン診療の初診解禁」です。
今まで日本医師会からの反対があり、初診でお医者さんがオンラインで診療することが許されなかったのです。
やっとこれが解禁になりました。こういう規制緩和は良いと思います。
 
◆緊急経済政策のあるべき姿
 
最後に緊急経済政策のあるべき姿について述べたいと思います。
安倍総理は経済政策108兆円と言いますが、これは私の厳密な見方でいうと10分の1です。
本来、緊急経済対策ですから、本当に雇用を守るためのお金で構成されるべきです。
雇用を守るために使われるお金をGDPの少なくとも5%。できたら10%にすべきだということです。そうすると25兆円から50兆円ぐらいになると思います。
今回の経済対策は、補正予算が16.8兆円でした。その補正予算の中には緊急ではないものが結構入っているのです。
 
そのうち雇用維持と事業継続に関係するもので10.6兆円です。これが厳密な意味で緊急経済対策に使われるお金です。
つまり、雇用維持と事業継続に関係するものは、108兆円のうち10.6兆円ですから10分の1です。
この16.8兆円の補正予算の中に含まれているものとして、例えばワクチンなどの医療対策費が入っています。
医療対策は重要ですが、アメリカもヨーロッパも緊急経済対策と医療対策は分けています。
 
それを日本はなぜか経済対策の中に入れ、それが1.8兆円あります。
それからコロナショックが収束した後に、 V 字回復するための経済対策費が1.8兆円も入っています。これは緊急ではありません。
「その分をなぜ今出さないのだ」と苦しんでいる経営者は怒ると思います。
それらを全部入れて補正予算が16.8兆円なのです。本当は10.6兆円です。
 
10.6兆円で換算すると日本「真水」は GDPのわずか2%です。アメリカは220兆円分が100%「真水」でGDP の10%です。
つまり安倍総理は日本のGDP の20%って言っていますが、厳密に見ると20%じゃなくて2%です。
そんな中で、マスクを二枚だとか、給付金は限られた人だけで、国民の中には絶望感が広がっています。 twitter などSNSの中では「絶望感」がトレンドワードになったくらいです。
 
日本の国民はコロナウイルスに絶望しているのではなく、政府に絶望しているのです。
緊急経済対策108兆円は、世界のなかで最高級と言いたいのはわかりますが、それで問題は解決しません。問題は中身です。
今にも倒産しそうなところに対して「給付金」を出す。条件を緩めて「緊急融資」をする。そしてやっぱり減税を加えるべきだと思います。
緊急で1年間消費税を0%にするとしたら、20兆円分の消費税の部分を今回の補正予算の中に加えれば結構なものになります。
それぐらいないとこの危機を乗り越えるだけの経済対策にならないと思うのです。
さらに、オンライン診療がありましたが規制緩和をこういう時こそ思い切ってやるべきです。
 
中国発のコロナウイルスによる経済危機が起きている今だからこそ、「減税」や「規制緩和」を加えた上で理想的な緊急経済対策を望みます。
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