【南西諸島における自衛隊の脆弱な対艦攻撃力】
2012/05/20
高木 よしあき氏、ブログ転載
5月18日、米国防総省が、中国の軍事力に関する年次報告書
(2012年版)を発表しました(※)。
その中で、中国初の国産空母について、昨年の同報告書と
同様に、2011年中に建造に着手する可能性があるとし、
2015年までに就役する見通しを改めて示しました。
このように拡張を続ける中国海軍ですが、脅威が増す
中国の艦船に対する抑止力として自衛隊が保有する主な
攻撃兵器を整理してみます。
一つ目は、潜水艦による魚雷です。
二つ目は、水上艦艇、潜水艦、航空機、そして陸上からの対艦ミサイルです。
3つ目は、艦砲です。
その他、航空機による爆弾や、機雷なども考えられますが、
柱となるものは、魚雷と対艦ミサイルでしょう。
今回は、対艦ミサイルを取り上げてみます。
対艦ミサイルは、現代の対水上戦闘においてきわめて
有効な兵器とされていますが、沖縄周辺の自衛隊に、対艦
ミサイルを装備できる戦闘機や、陸上発射型の対艦ミサイルは
配備されていません。
那覇空港に、対艦ミサイルを発射できる哨戒機が配備されて
いますが、プロペラ機でもあるため自軍の制空権下でしか
行動できない制約などがあります。
また、先にこのブログでも触れましたが、南西諸島には、
海上自衛隊の艦船が配備されておらず、対艦ミサイルを装備
した艦艇が周辺を哨戒する際は、本土の基地から遠征している
状態です。
また、自衛隊が装備する主な対艦ミサイルは、米国製の
ハープーンの系統と、国産のASM-1を淵源とする系統の二つがあります。
それぞれ、世界のトップクラスの性能を有しているとされています。
しかし、艦艇の側の防御手段も日進月歩で向上している中で、
いずれも亜音速である自衛隊の対艦ミサイルでは、心もとない
部分もあることは事実です。
このように、対艦ミサイル一つとってみても、東シナ海に
おける中国海軍の脅威に対処するための自衛隊の装備は脆弱と
言わざるを得ません。
政府はこうした状況を認識して、抑止力として早急に適切な
戦力を南西諸島に配備するとともに、次世代の対艦ミサイルの
開発を完了させるべきではないでしょうか。
※:5月18日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3EAE2E4E08DE3EAE2E7E0E2E3E09494E3E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000
転載、させていただいた記事です
http://takagi-yoshiaki.net/3162.html
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