政争ばかりの「バナナ共和国」
米政府関係者ぼやく
【ワシントン=佐々木類】4月の核安全保障サミットに際しての開催へ向け調整されている日米首脳会談について、米側が鳩山由紀夫首相の「表敬訪問」程度にとどめる意向であるのは、単に物理的に時間を割くことは難しいという理由からではない。普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、日米同盟の屋台骨を揺さぶり続ける鳩山政権に対する不信感の表れだといえる。
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記事本文の続き 米政府が抱く新たな不信感は、日本政府が2006年の日米合意をほごにし、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ陸上案などを検討し、今月中にも方針をとりまとめるとしていることにある。米側は、キャンプ・シュワブ沿岸部への移設という当初の日米合意が「最善の策」という立場を変えていない。
それだけではない。米国務省関係者は「誰がどういう形で、責任をもって日本政府案を持ってくるのか」(国務省関係者)といぶかる。昨年12月中旬には国民新党の下地幹郎政調会長(当時)が訪米し、キャンベル国務次官補らと会談した際の内容について、移設問題の解決を「期限を切って迫られた」と説明。これを国務省幹部が記者会見で否定するなど、米側は日本側の正規の交渉窓口がどこにあるのか、と疑心暗鬼になっている。
米政府関係者は日本の当局者に対し、政争ばかりで統治能力がない政情不安な小国に対する卑称を使い、「日本は『バナナ共和国』だ。安全保障の交渉などできない」とぼやいているという。
一方、4月下旬に米議会関係者が招待する形とすることで調整が進められている小沢一郎民主党幹事長の訪米についても、小沢氏の「政治と金」をめぐる問題がネックとなり、大統領はもとより、副大統領や補佐官らホワイトハウス関係者が小沢氏と会う予定は一切ないという。
安倍晋三元首相が、首相候補の筆頭と目されていた自民党幹事長代理時代の05年5月、ホワイトハウスでブッシュ大統領と「たまたま」すれ違い、言葉を交わしたケースはある。だが、米当局者は小沢氏の場合はそれすらないだろうと断言する
アメリカ・・・、辛抱強い。が、
トヨタリコール、イルカ、黒マグロ
怒りの裏の反動で、今度は日本にナニを・・・
今後が怖い。
2010.3.16 19:40
【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米大統領は21日、インドネシアとオーストラリア歴訪に向けて出発する。「太平洋国家」を自負するオバマ政権は、両国を国際社会でも主要な役割を果たす「ミドルパワー(中堅国家)」と位置づけており、テロ対策や気候変動問題などへの取り組みを通じて関係強化を図る方針だ。また、良好な2国間関係を強調することで、途上国への影響力をテコに国際社会で存在感を増す中国を牽制(けんせい)する狙いもあるようだ。
オバマ大統領はインドネシアでユドヨノ大統領と会談する。教育や安全保障、貿易などでの協調を確認し、「米・インドネシア包括パートナーシップ」を発表する。世界最大のイスラム教徒人口を誇るインドネシア国民への演説では、米国とイスラム諸国の協調に言及し、昨年6月に行った「カイロ演説」からの新たな取り組みも発信する。
オーストラリアではラッド首相と会談し、気候変動問題やアフガニスタン情勢などについて協議するほか、連邦議会でも演説する。
今回の歴訪の意義について、国家安全保障会議(NSC)のベーダー・アジア上級部長は、国際社会の枠組みの中で重要度を増す中堅国家との協調の重要性を挙げている。背景には、国際社会で発言力を増す中国の存在がある。
米国は昨年12月にコペンハーゲンで開催された国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、途上国を率いた中国に手こずらされた苦い経験がある。経済力を武器に、G20(主要20カ国・地域)内での中国の影響力は一段と強まるばかりだ。
一方、ロイター通信によると、中国の温家宝首相も4月にインドネシア入りする予定で、アジア・オセアニアを舞台にした米中のつばぜり合いは続きそうだ。
オバマ米大統領の歴訪は26日まで。インドネシア入りする直前の22日には、在日米軍再編で沖縄県の普天間飛行場(宜野湾市)の海兵隊8千人が移転する予定となっている米領グアムにも立ち寄り、米軍関係者や市民らと対話する。