日米防衛会談 同盟への
警告受け止めよ
2009.10.22 03:15
来日した米国のゲーツ国防長官は
鳩山由紀夫首相や北沢俊美防衛相らとの会談で、米軍普天間飛行場
(沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)への移設を、
日米合意に基づいて日本側に早期に履行するよう求めた。
明確な回答を示さない日本側に対し、ゲーツ長官は「普天間移設
なしに海兵隊グアム移転はない」と強調した。
在日米軍再編問題を先送りする鳩山政権の姿勢に失望し、積極的に
取り組まなければ日米同盟は破綻(はたん)しかねないという
警告と受け止めるべきだろう。
今回、具体的な進展がみられなかった
ことは、11月のオバマ大統領来日時でも同様の事態になることを
意味している。憂慮せざるを得ない。この問題はマニフェスト
政権公約)の実現という国内政治の次元を超えている。
首相や関係閣僚は危機認識を共有し、日米合意実現へ調整を急ぐべきだ。
鳩山首相とゲーツ長官との会談で、日米同盟をさらに深化
させることなどを確認した。だが、首相は編問題の見直しを
掲げた衆院選で勝利し、政権交代を実現した経緯に軸足を置く
姿勢を示したものだ。北沢防衛相普天間移設について「国民や
沖縄県民の理解を得る観点から答えを出したい」と述べるに
とどまった。米軍再は「時間を浪費するつもりはない」と
決着を急ぐ姿勢を強調しており、政権内でのちぐはぐさも目立つ。
首相や岡田克也外相が「県内移設に反対する国会議員が増えた」
といった地域的要因を持ち出してゲーツ長官に説明するのは、
国の安全保障を担う責任感が欠けているとしかいいようがない。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091022/stt0910220316003-n1.htm
普天間、米大統領来日までに決着要請
岡田外相にゲーツ国防長官
2009.10.22 12:07
岡田克也外相と会談
民主党政権が移設計画の検討をしていることにも配慮し、日米同盟を強固にするためにも11月12、13両日の大統領来日までに日本政府としての結論を示してほしいなどと求めたという。
岡田氏は「日米合意の重要性は認識している」と応じたが、沖縄の政治状況や在日米軍再編は見直す方向で臨むなどとした与党3党合意など「原則論」(政府筋)を説明。「短期間で結論を出すことは難しい」などと伝えた。鳩山首相も21日のゲーツ氏との会談で、普天間問題の解決には「まだ若干の時間がかかる」と伝えたと記者団に説明、来年1月の名護市長選の選挙結果を見極めたいとの方針を示していた。
国民の安全の保証を第一に考えるべきだ