人口減少を増税の言い訳にするな
まねき猫さんブログから転載
http://tohimoto2009.blog87.fc2.com/blog-entry-513.html
つぶやき週Vol205(人口減少を増税の言い訳にするな)2012/01/31 Tue
こんばんは。
民主党、マスコミは、震災、デフレ、電力不足、不況に
苦しむ国民に増税しようと躍起に
なっているように見えます。
しかし、前回消費税を引き上げた1997年以来、税収が
1997年を上回った年は存在しません。
いくら消費税を増税しても、経済成長とデフレ克服がない
かぎり、税収が低下することは
明らかです。
まず、経済成長の前提としてデフレを克服するべきです。
日銀の白川総裁はデフレを放置した結果責任を
取っていません。
無能な総裁は民主党の専売特許ではないようです。
また野田首相は税収不足を理由に増税を主張していますが、
デフレを放置したまま増税して、
税収が増えるとでも思っているのでしょうか?
日銀にはインフレターゲットを設定し、貨幣の流通量を
増やして頂く必要があります。
また震災の復興には、増税ではなく、国債を日銀に
引受けさせることが必用です。
デフレギャップを埋めるだけの引き受けは
デフレ対策としても機能するものと思います。
経済成長に関して言えば、民間にできることは民間に任せ、
小さな政府にしていくべきです。
アメリカの自治体の65%が取り入れているという
PPP思考(Public-Private Partnership)
では、公共団体の仕事(行政サービス)の80%は、
民間に移管できるといわれています。
国有資産の売却によって負債が減少しますし、公務員の
非効率な部分が民営化によって経済原理が働くものと
思います。
経済原理といえば、シンガポールは公務員の賞与を
GDP成長率に連動させています。
景気の変動に連動して公務員給与も上下するという形
にして「デフレ下の増税」といった更に景気を悪化させる
ような愚かな政策はやめて経済成長をもたらす政策
を公務員が真剣に考えるようなインセンティブを働かせる
智慧も必用でしょう。
私は公務員のすべてが非効率な仕事をしているとは
思いません。
むしろ、日本は、世界で有数の優秀な官僚機構を持って
いるとさえ思っています。
官僚機構に経済原理を取り込むことはむしろ政治の責任です。
官僚機構のすべてが無駄だと責め立て、針のむしろに
立たせるよりも、経済原則に照らし、
2倍、3倍の仕事をして頂くことの方がよほど建設的です。
政府の支出については、民間企業でいうところの「投資」
を積極的に進める必要があります。
民主党は高福祉が経済成長の源泉になるようなこと
を言っていますが、
その説明がウソであることは明らかです。
ゆりかごから墓場まで国家が面倒を見てくれるような
世界で、勤労意欲が生まれるはずもなく、
坂の上の雲は目指せないのです。
国民が努力によって道を切り開く中にこそ
人間の成長があり幸福があるだと思います。
政府の支出は、将来税収を生む為の投資に
シフトすべきです。
未来産業の育成は、将来、税収というリターンを
生むでしょう。
ストックでいえば、時間を短縮する為の公共施設への
投資を惜しんではなりません。
例えば高速道路、リニア高速鉄道などです。
時間短縮をともなう公共事業は、一人当たりの
労働価値を上げる為のツールとなり得ます。
また、人、物の流通速度が上がるといことは、
貨幣の流通速度が上がると
いう側面があります。
貨幣の流通速度が上がるということは、経済の
歯車が回りだすということを意味し、経済成長に
直結します。
最後になりましたが、日本は人口減少期にあり、
経済成長は見込めない。
経済も縮小させ、身の丈にあった生活を目指すべき
だという、意見があることも承知しています。
しかし、人口減少期であっても、1970-80年代には
生産年齢人口一人当たりGDPが年3%前後成長していたこと、
日本より一人当たりGDP水準の高い国が
数多くあることを考えると経済成長が不可能とは思えません。
IT技術、ロボット技術などで、70歳まで現役で
仕事のできるような社会の構築など
工夫の余地も残されています。
中国のような共産国家からの移民は国防上制限すべきですが、
例えば台湾のような親日国からの移民を受け入れ、
日本語教育を充実させ、愛国心ある日本人として
帰化して頂くという道もあります。
いずれにしても、縮小思考で日本の発展、繁栄を
放棄してはいけないと思うのです。
参考までに 大和総研チーフエコノミスト 原田 泰氏、
大和総研主任研究員 鈴木 準氏のレポートで
「人口減少でどれだけ成長率が低下するのか」では
以下のような主張が展開されています。
転載はじめ
【サマリー】
◆人口減少により日本の経済成長率はどれだけ低下するだろうか。
1人当たりは変わらないという議論もあるが、全体が
小さくなることが1人当たりGDPの成長率を小さくするという
議論もある。
◆人口に占める就業者の比率が低下すれば、1人当たり
GDP成長率が低下するかもしれない。ただし、これは人口減少
ではなく、人口構成の変化の問題である。
しかも実際には、就業者比率の変化が1人当たりGDP上昇率を
説明する割合は小さく、労働生産性の変化が重要である。
◆基本的ツールである成長会計を用いて各国の経済成長の
要因をみると、労働投入の寄与が無視できないケースもあるが、
長期的には資本投入やTFPのファクターが大きく、労働投入の
寄与は小さい。
◆人口規模(規模の経済)、高齢者比率(人口高齢化)、
輸出入合計金額(外国との交流)、労働当たり資本ストック
(資本装備率)のそれぞれの変化率によって生産性変化率を
説明する回帰式を推定したところ、人口減少や高齢化が
生産性の上昇率に与える効果は最大でもマイナス0.2%程度
であり、90年代の労働生産性の上昇トレンド2.1%に比べて
限定的であることが示された。
◆人口が減少しても、外国との自由で活発な交流の拡大や
資本装備率の上昇によって、生産性を高めていくことが
十分可能である。
日本の成長率は、プラスであり続けることが可能だろう。
転載終わり
ソース 大和総研 チーフエコノミスト原田泰のフォーカスポイント
「人口減少でどれだけ成長率が低下するのか」
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/harada/05052301harada.html
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/harada/05052301harada.pdf
/
http://tohimoto2009.blog87.fc2.com/blog-entry-513.html