北朝鮮の核ミサイル量産化を抑止せよ!
[HRPニュースファイル157] 転載
1月13日、韓国政府当局者は昨年12月19日に続き、北朝鮮が
日本海に向け短距離弾道ミサイル3発を発射したことを
明らかにしました。
ミサイルは旧ソ連製の「SS-21」を改良した「KN-02」(射程120キロ)で、
性能確認が目的の発射実験だったと報道されています。(1/14 読売)
液体燃料を使用するスカッドミサイルは発射準備に30分以上
かかりますが、この「KN-02」は固体燃料を使用したロケットで
あるため、約5分間で発射体制に入る事ができます。
また、移動式発射台を利用して発射されるため、発射場所を
特定するのは極めて難しいと言えます。
「KN-02」は日本まで届く飛行距離はありませんが、ソウルを
充分に射程内に収めることができます。
2007年10月、ハンナラ党の金議員は「韓国軍に『KN-02』を
迎撃できる兵器は無く、お手上げの状態だ」と語っています。
この状況は現在も変わっておらず、今回の「KN-02」発射は、
北朝鮮の「韓国をいつでも火の海にできるぞ」という金正恩の
メッセージであると言えます。
同時に、このタイミングでのミサイル発射は、金正恩の軍事を
優先した「先軍政治」の新体制が盤石であることをアピールする
狙いがあることは間違いありません。
こうした北朝鮮の軍事的脅威は韓国だけでなく、日本にも
言えることです。
2009年4月、北朝鮮の長距離弾道「ミサイル・テポドン2」が、
日本列島上空を越え太平洋に落下しました。
これは、北朝鮮は日本を充分に射程内に収めたミサイル発射能力
を持っていることを意味しています。
金正恩氏の誕生日の1月8日、国営朝鮮中央テレビが放送した
正恩氏の記録映画に、「テポドン2号」発射の際に、正恩氏が
「敵が迎撃してきたら、本物の戦争をしようと決心していた」
という“勇敢”な言葉を吐いていたことを紹介しています。
(1/16 毎日)
これも内外の北朝鮮の金正恩新体制の盤石性をアピールし、
強硬な姿勢を示すことで、日本を含む周辺国を牽制することが
狙いだと見られます。
2012年、北朝鮮は、核の脅しを使って、食料支援を引き出だす
交渉を米国や韓国、日本ににも仕掛けてくることが予想されます。
その際の時期的なキーポイントは、11月の米国大統領選挙、
12月の韓国大統領選挙の2つの大統領選挙です。
韓国外交通商省傘下の研究機関・外交安全研究員は
「二つの選挙の前後に、北朝鮮がウラン型の核実験を行う
恐れがある」と指摘しています。
「北朝鮮が2010年に公開した寧辺(ヨンビョン)のウラン濃縮施設を
見たソグフリィード・ベッカー元米ロスアラモス国立研究所も、
今月発表の論文で、年内に核実験を行う可能性を指摘しています。
その目的は、グアムまで射程に収める中距離弾道弾ミサイル
「ムスダン」(推定射程距離4000キロ)に搭載可能な小型核弾頭の
開発と見ています。(12/19 読売)
核の小型化が完成すれば、間違いなく、日本全土に届く
ノドンミサイルにも核が搭載されます。
320発ものノドンミサイルが日本に同時に襲来した場合、日本の
ミサイル防衛(MD)では全く対応できません。
北朝鮮は金日成主席生誕100周年の「太陽節」(4月15日)にも、
国威発揚となる軍事的暴発、若しくは核実験を行う危険が指摘
されています。
野田首相や外務省は、朝鮮半島の「現状維持」を志向していることは
明らかですが、このまま金正恩氏が権力を掌握し、核の小型化を成し
遂げ、核ミサイルの量産化を進めていけば、最も大きな危険に直面
するのは日本です。
その意味で、日本としては米国、韓国やロシアなどの周辺国をも
巻き込み、制裁強化や核抑止力強化、予防防衛等を含めたシミュレ
ーションを徹底し、早急に北朝鮮の先軍政治の「終わりの始まり」に
向けた戦略を描く必要があります。
かつての宗主国として、日本は「南北に引き裂かれた民族の悲劇」
を終わらせる責任があるのです。
(参照:1/18発刊『北朝鮮―終わりの始まり―』大川隆法著⇒ http://p.tl/2kkX)
(文責・佐々木勝浩)
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北朝鮮、ミサイル3発発射!“狂気の後継者”金正恩の思惑
2012.01.13
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20120113/frn1201131235000-n1.htm
ミサイルはいずれも11日午前に発射された。旧ソ連製の短距離弾道ミサイルSS21を改良した移動発射式の「KN02」(射程約120キロ)とみられる。北朝鮮はKN02をさらに改良した地対空ミサイル「KN06」(射程100~110キロ)を開発中。改良に伴い性能試験が必要となるため、今回発射したのはKN06だった可能性もある。KN02は射程が短いため日本には届かないが、即応性が高い固体燃料式で命中精度も比較的高く、韓国軍や在韓米軍にとっては脅威となるミサイルだ。
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