『松明は自分の手で』-第二次世界大戦の反省
2012-09-10
伊藤希望氏 ブログ転載
本田宗一郎さんと、
「世界のホンダ」を創った
藤沢武夫さんの
『松明は自分の手で』の感想二回目です。
※一回目はこちら
http://ameblo.jp/itonozomi/entry-11348390240.html
松明(たいまつ)は自分の手で/PHP研究所
経営とは関係ないのですが、
面白かったのは、
藤沢さんの日課が、
チャーチルの
『第二次大戦回顧録』を
読むことだったこと。
第二次世界大戦の切羽つまったなかで、
ゆとりのある考え方ができたのは
何故なのかというヒントを
回顧録から得ていたそうです。
時間勝負の経営と、
時間が命取りになる戦争指揮。
そのなかで心に余裕をもって判断することが、
正しい判断につながるのでしょう。
しかし、
経営者以上に政治家が考えるべき問題も
指摘されていました。
「今度こそと、全力をかけたアフリカ戦線が
ドイツのロンメル将軍に敗れた。
英国議会は、チャーチル首相では駄目だと、
首相不信任案を議会に提出することに決まった。
この話を聞いたのは、アメリカ大統領に武器の供給だけでなく、
戦争への参加を懇願していた時だった。
急いで戻った首相の演説は忘れることのできないものだ。
『このような最悪の事態のとき、
一国の首相の不信任案が提出できる英国民と、
英国議会は、自由社会なればこそだ。
ドイツや、ソ連では考えられないことだ』と。
票決の結果は、不信任案は、圧倒的多数で否決された。
その頃の日本の議会は軍部に押さえられ、
勇気ある発言をした代議士は憲兵に抑えられた。」
「日本は全部悪かった」とは言いませんが、
反省すべき点は確かにあると思います。
日本では謝罪したり、
罪悪感を持つことが反省であると
考えることがあると思いますが、
ここで言う反省は、
客観的な評価をして
悪かった点があれば
どうしてそうなったのかを分析し、
教訓を得るという意味での反省です。
日本はただ謝るだけで、
客観的な評価も、分析も教訓も得ていないと感じます。
むしろ、
罪悪感を植え付けることで、
善悪の評価をするという
最初のステップが踏めない状態にしていると感じます。
戦後から脱却をするためには
教訓を得るような反省が必要でしょう。
http://ameblo.jp/itonozomi/entry-11348408329.html
転載、させていただいた記事です