「スマートパワー」戦略により、
日本が主導する「アジア安保」体制構築を
江頭 俊満 氏のブログ転載
2012/5/11(金) 午後 11:49
外交の基本戦略としてスマートパワー(smart power)という
概念がある。
軍事力によるハードパワーでも、政治力によるソフトパワーでも
なく、その両者をスマートに(賢く)組み合わせようとする
戦略のことである。
ソフトパワーとは、国家間の関係において政治力や文化的影響力
などが発揮する国力を指す。
対立概念はハードパワー(hard power)で、これは軍事力や
経済力などが発揮する国力を指す
言い換えると、強制力よりも信頼や共感を重視するのが
ソフトパワーだと言える。
米国での現状におけるスマートパワーの定義とは、
軍事力偏重路線を脱し、同盟関係を重視し、国際主義路線に徹して
グローバルな行動計画に対処していくために、アメリカのソフト
パワーとハードパワーを組み合わせるとともに、問題解決に向けて
同盟国、パートナー国間で活動の棲み分けを規定すること、されて
いるようである。
一方、我が国の防衛省でも「新しい防衛力の形」として、
「スマートパワー」戦略をすすめているようである。
「スマートパワー」戦略により、東アジア諸国との信頼関係を深め、
日本が主導する「アジア安保」体制構築へとつなげていきたい
ものである。
以下、朝雲新聞ニュース(4月26日付)から、転載。
防衛省 途上国の能力構築を支援へ
人道支援・災害救援/地雷・不発弾処理/医療等の人材育成
域内の安定を創出 東南アジア各国も期待
東南アジアで日本のNPOの指導を受けて不発弾処理に当たる
現地の人々。不発弾に苦しむ各国で、こうした処理能力の構築が
求められている
防衛省は今年度から、東南アジアなどの開発途上国の軍隊や
関係機関を対象に、自衛隊が有する能力を活用し、人道支援・災害救援、
地雷・不発弾処理、防衛医学などの「非伝統的な安全保障分野」における
対処能力を向上させるための人材育成施策「能力構築支援
(キャパシティー・ビルディング)」を本格始動させる。
平素から継続的に人材育成や技術支援等を行って対象国の能力を向上
させることで、地域内に安定を創出し、国際的な安全保障環境を改善する
という新たな発想に基づく取り組みで、支援を受ける側の東南アジア
諸国等からも期待が寄せられている。
「スマートパワー活用したい」 能力構築支援室 防衛省では
23年4月、防衛政策局国際政策課の中に「能力構築支援室」を新設し、
これまで東ティモール、カンボジア、ベトナム、インドネシア、
太平洋島嶼国(パプアニューギニア、トンガ)に対し、民間団体に委託
して具体的な支援ニーズの把握・分析のための調査研究を行ったほか、
モンゴルについても独自に支援の可能性について検討を行ってきた。
今後はこれらの検討を踏まえ、支援対象国や支援分野が決まる見込みだ。
背景には、近年の国際情勢の変化に伴い、人道支援・災害救援、
地雷・不発弾処理、防衛医学などのいわゆる「非伝統的な安全保障分野」
の課題に国際社会が一致して取り組む必要性が出てきたことが挙げられる。
現在検討されている支援内容としては、人道支援・災害救援、
地雷・不発弾処理、海上安全保障などに係わる人材育成が挙げられる。
防衛省では「長期的に対象国に根付き、地域の安全保障環境の向上に
資するような支援内容を検討していく」としており、日本から自衛官等
の人材派遣のほか、相手国からも日本での研修に招くなど、内容に応じて
相互交流の形で進められる予定だ。
また、事業モデルの一例として、防衛省が支援内容に知見を有する
NGOなどの民間団体と契約を結び、官民が協力して対象国への能力
構築支援を行うことも検討されている。
4月20日にはカンボジアから「カンボジア国家平和維持・地雷
処理爆発性戦争残存物除去センター(NPMEC)」所長を務める
サエム・ソバンニー中将が来省し、渡辺副大臣を表敬。
副大臣は、陸上自衛隊が初めてPKO活動でカンボジアに派遣されて
から今年で20周年を迎えたことにも触れ、カンボジアに対しても
能力構築支援を行っていくことを検討している旨を伝えた。
能力構築支援室の和栗博室長は、「PKO活動等でノウハウを培った
陸自をはじめとする自衛隊のスマートパワーを活用して、開発途上国と
地域に貢献していきたい。
このような活動は我が国の防衛力の新しい形だ」と話している
転載、させていただいた記事です
http://blogs.yahoo.co.jp/tosimitu1962/12631415.html
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