「仕事中の健二を共有」呼びかけも
日本人殺害「動画」ネット拡散、止まらず「仕事中の健二を共有」呼びかけも
産経新聞 2月4日(水)7時55分配信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150204-00000106-san-soci
フリージャーナリストの後藤健二さん(47)と湯川遥菜(はるな)さん(42)がイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に殺害されたとされる映像がインターネット上で拡散し、転載に削除が追いつかない状態が続いている。抜本的な対策がないなか、残忍な殺害映像ではなく紛争地で取材する後藤さんの姿を共有する動きも広がっている。
◆「もうたくさん」
「日本にとっての悪夢を始めよう」
1日未明、後藤さんが殺害されたとする映像が動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された。黒ずくめの男が後藤さんの首にナイフを突きつけ、次に男性の遺体が映し出される。
ユーチューブを運営するグーグルの日本法人は「個別映像についてはコメントしないが、ガイドラインに違反する映像は削除する」と説明する。ガイドラインによると「視聴者に衝撃や不快感を与えるような暴力的で残酷な動画」などについては24時間体制で監視し、削除するという。
後藤さんが殺害されたとする映像も公開後、間もなく削除されたが、すでにコピーされた動画がネット上に拡散していた。
先月24日夜に投稿された湯川さんが殺害されたとする動画も同様だ。
後藤さんと親交のあった「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)」の佐藤真紀事務局長(53)は「立場上、この事実を受け止めなければいけないと動画を見たが、ショックだった」と話す。そのうえで、画像の拡散について「子供たちも動画を見てしまう恐れがある。『もうたくさん』という気持ち。早く安らかに眠らせてあげたい」と述べた。
千葉市に住む湯川さんの中学時代の同級生の女性(42)も「モザイクがかかった写真を報道で見たが、外れたものをみることは耐えられない」という。
◆過去にも問題化
同様の事例は過去にも発生し問題となってきた。
2004年にイラクで香田証生さん=当時(24)=がイスラム武装組織に拘束、殺害された事件では、ロックコンサートの大型スクリーンで香田さんの殺害映像が流され、問題となった。映像はネットの掲示板に掲載され、法務省が「興味本位で遺族の感情を著しく傷つける」として、掲示板の管理者に削除要請をしている。
神戸大学大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は「当初の画像や初期にコピーされた画像は削除されたが、閲覧した人がコピーを貼り付けるいたちごっこ状態になっている」と指摘する。森井教授によると、著作権者が削除を訴える場合や違法なポルノ画像などは取り締まり対象だが「今回のような画像は事実上、規制をかけることが難しく、プロバイダーや大手掲示板の運営者の協力を得て、一つ一つ削除するしか対処法がないのが現状」という。
後藤さんの映像が公開された1日(日本時間)、英国のジャーナリストのジェームス・ロングマンさんはツイッターで「映像を共有するな。彼らのゲームに参加するな。仕事をしている健二の画像を共有しよう」と呼びかけ、ほほ笑みながらカメラを手にする後藤さんと笑顔の子供の写真を投稿した。
この投稿を共有するリツイートは3日午後の時点で1万7千件を超えている。
特に、情報発信力をもつ国が、偏った情報を垂れ流していると思われるので、使命は大きいですね。
ただ、大変なのはいろいろな知識が必要と考えられるので、怠りなくということでしょうかね。