【巨竜むさぼる 中国式「資源」獲得術】第2部 親中の現実(1)
産経記事抜粋
「ザンビア人を奴隷扱い」
「ザクミ」。6月に南アフリカで開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)のマスコットの愛称である。豹をあしらったこのマスコット人形が今、南アで評判が悪い。
「ザクミの人形って、あまりかわいくないと思っていたけれど…」
ある在留邦人の女性は、ぬいぐるみの布地に記された原産地を見て(やっぱり)と納得した。「メード・イン・チャイナ」-。
南アの人々が問題視するのも「中国」だ。「どうして中国で作る必要があるのか。南ア大会のマスコットなのだからここで作るべきではないか」(労働組合)
しかも、ザクミを作るために中国の工場で10代の子供らが酷使されているとしたら-。1月末、英紙のすっぱ抜きで、約500人の労働者が寒さにふるえながら連日、13時間労働に耐えている状況が明らかになった。1日の賃金はわずか270円相当。2週間働かないと、自分たちが作るぬいぐるみを買えない計算だ。
南アの地元紙にはその後、「W杯はわが国民に利益をもたらすものではなかったのか…」「何たる恥辱…」との投書が相次いで掲載され、「不買」を呼びかける声さえ上がっている。
こうした「地元にカネが落ちない」「労働条件が劣悪だ」といった不満は実は、資源を求めて中国が進出を続けるアフリカに共通ともいえる声なのである。
銅や石炭の資源で知られるザンビア。首都ルサカから車で約5時間、コッパーベルト州の銅鉱山の街、チャンビシに入ると異様な雰囲気に包まれた。
所在なげにたむろする若者たちがジロリとにらむ。どの視線も険しく、突き刺さるようだ。車を止めたら襲われそうで、まるで野犬から逃げるようにでこぼこ道を進む。チャンビシには中国企業が開発する銅鉱山があり、記者(藤本)を中国人と思ったのだろう。
世界不況が進んだ2008年、銅の生産に依存するザンビア経済も危機に陥った。銅の国際価格の下落がさらに進み、ひところの3分の1にまで落ち込んだのである。こうした国家の非常時に救いの手を差し伸べたのが中国だった。
チャンビシの隣町、ルアンシャで経営が行き詰まっていた銅鉱山企業を中国企業が買収。地元労働者の雇用を守り、社会不安の拡大を防いだ。国営紙、タイムズ・オブ・ザンビアは手放しで称賛した。
「中国の投資で銅鉱山の操業が再開にこぎ着けたのは、(わが国の経済にとって)どんなに強調しても足りないほど重要なことだ」
それなのに、「中国」に対するこの風当たりの強さは何なのか。
野党指導者で、次期大統領の有力候補と目されるマイケル・サタ氏(72)にルサカの事務所でインタビューした。反中感情のわけを問うと、当然じゃないかとばかりに言い放った。
「中国はザンビア人を雇用しても、その扱いがひどい。奴隷なみだ。だから嫌われるんだ」↓続
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100216/chn1002160705000-n3.htm
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中国の独り勝ちのようにみえるアフリカだが、実際に各国を回ってみると、政府を巧妙に取り込んで資源を獲得する一方、地元との間にはさまざまな摩擦やあつれきが生じ、中国への反感もふくらんでいた。本連載の第2部では、中国の過剰なまでの自信とは裏腹の現実の一端をアフリカから報告する。
【用語解説】ザンビア
アフリカ南部に位置し、人口約1200万。大統領制。2007年の国内総生産(GDP)は113億ドル(約1兆170億円)で、1人当たりの国民総所得は800ドル程度。06年の銅生産量は47万6千トンと世界第10位。
産経新聞
その土地まで手に入れなければ
気がすまなくなるのが、当たり前の感情のようだ。
貪欲さが、中国の象徴か・・・