世界の目を醒ます! ヘラトリ・トピックス〔第52号〕
トヨタ・リコール問題のもう一つの側面
この二週間ほど、トヨタの自動車のリコール問題が、それこそ、嵐のような凄まじさで、内外のマスメディアを騒がしています。
確かに、トヨタの対応のまずさは否みがたく、御曹司社長のフットワークの重さは、アメリカのメディアのバッシングを待つまでもなく、国内の事例と比較するだけでも、パナソニックの中村前社長の、ヒートポンプ欠陥問題への対処とは、あまりにも差がありすぎ、トップの果断な決断とイニシアチブの致命的重要さが、帝王学上の大きな教訓を与えたものと思います。
その問題はそれとして、これとは別に、今回は、内外の怒涛(どとう)のようなバッシング報道の合間から、もう一つ、見えてくるものがありました。
それは何かと言いますと、典型的には、2/10付のウォーリ・ストリート・ジャーナル紙に引用された複数のトヨタ幹部の言葉に、端的に現れていたもので、それらの幹部は、名前を伏すことを条件に、以下のようなホンネのコメントを寄せたのです。
「今回集中砲火を浴びたプリウスの問題と、そもそもトヨタ批判の発端となったアクセルペダルの不具合は、実は、技術的には無関係のものだったのです。」
「当社が対応を誤り、アメリカ当局の怒りを買ってしまった非は認めますが、現在の問題の60%は、政治的です。」
「(「リコールの対象箇所と事故の間に、必ずしも因果関係があるわけではありませんが」と示唆した上で、)今後、よりシビアな環境に遭遇することを防ぐために、リコールに踏み切りました」と。
先般、総裁も、「この問題である」と特定する(specify)ことを避けながら、以下のようにコメントをされていました。
「国と国との仲が悪くなったときに、
「その国の代表的企業が、本当の原因は別のところにあるのに(当方の政府に対する意趣返しが目的)、そのとばっちりを受けて、経営環境が悪化して苦労する」
という事が、起きることがあります。
政府間では、そういう“高等話術”を使って、相手方に、自らの不快感を伝えることがあるのです。」
そういえば、今日(2/11)付の産経新聞には、
「トヨタは最近、アメリカ議会へのロビー活動がおろそかになり、米国政府の意図が見抜けなかったので、対応が後手に回ってしまった」
という、アナリストの“意味深な”コメントを紹介していました。
これについては、筆者も、昔、経験があります。
かつて1980年代に、「アメリカでロビィストを雇って、貿易摩擦の最前線で火消し作業をする」
という仕事をしていたことがありましたので、この辺りの手触り感は、実によくわかります。
たとえば、オバマ大統領が、何らかの明示的な指示・コメントを出していなかったとしても、一連の鳩山首相の対応(普天間問題など)にアタマにきていた場合には、周囲が大統領の心中を読んで、与党・米民主党の幹部が、阿吽(あうん)の呼吸で(暗黙の了解で)動き出すというのは、よくあることなのです。
特に今回、引き金を引いたのは、米議会では下院(エネルギー・商業委員会)の方でしたから、この下院というのは、非常に大衆的影響を受け易く、「時の大統領が心よく思っていない」というのが見て取れると、あっという間に、タガが外れていくのですね。
「民主党政権下(かつてのクリントン政権など)では、共和党と違って、とりわけそれが起きやすい」とは、かねてより、総裁も指摘しておられました。
ですから、ヘラトリ読者におかれましても、そういう複眼思考を持って頂き、できれば、あなたの周りにいるトヨタ関係者(膨大な数の下請・ディーラーを含め)に対して、
「幸福の科学は、或いは、幸福実現党は、そういう冷静な目で、トヨタのことを見ているよ」と、
是非、伝えて頂きたいのです。
というのも、トヨタというのは、これからの日本を、ある意味で、象徴しているところがあるからです。
ここ2,3年、GM(ゼネラル・モーターズ)を抜いて世界一になることが、秒読みになってから、社内では、
「できたらGMを抜くな」
「もし抜いてしまうことになっても、大袈裟にするな、はしゃぐな」
という声が結構あったことは、私も知っています。
それは、やっかみや嫉妬もあるでしょうし、2/5付のニューヨーク・タイムズには、
“Oh, What a Feeling!”(何て気持ちがいいんでしょう!)
というコラムまで登場したくらいですから、トップに立つことの怖さや、出来れば、二番手のままで楽したい、という気持ちも、わからないではありません。
しかし、この恐怖心(アメリカを抜いてしまったらどうしよう!)が、20年前に、日本の繁栄(巷(ちまた)ではバブルと言うそうですが)を、潰してしまったのですね。(注)
しかし、日本という国も、トヨタという会社も、世界のトップランナーの責任を背負って立たなければならない立場まで、来たのです。
その意味で、幸福実現党は、日本で先陣を切って、その世界に飛び込もうとしているトヨタのことを、応援していますよ!
日本という国も、間もなく、そうなるつもりですからね。
つい数日前、
『松下幸之助、日本を叱る!』(大川隆法/幸福の科学出版)という本が発刊され、今日(2/11)も、読売に大きな広告が載っていましたが、これは、死して後まだ意気軒昂な幸之助霊の、現代の経営者に対するメッセージです。(稲盛新会長に対するJAL再建法のアドバイスなど。)
私の記憶する限り、トヨタの創業者である豊田佐吉氏の、現経営陣に対するメッセージは、
「何事も、世界一を願え。この点において、弱音を吐くべからず」
であったかと思います。
やはり、世界一を目指すのがトヨタの使命なのですから、頑張ろうではありませんか!
正すべきは正しながらも、
「こんなものに負けてなるものか!」
という気概を発揮していきましょうよ!
応援しています。
(2010.2.11)
(注)『奇跡の法』(大川隆法/幸福の科学出版)第二章第一節
「日本人の深層心理にあるもの~アメリカを超えることへの恐れ~」
確かに、トヨタの対応のまずさは否みがたく、御曹司社長のフットワークの重さは、アメリカのメディアのバッシングを待つまでもなく、国内の事例と比較するだけでも、パナソニックの中村前社長の、ヒートポンプ欠陥問題への対処とは、あまりにも差がありすぎ、トップの果断な決断とイニシアチブの致命的重要さが、帝王学上の大きな教訓を与えたものと思います。
その問題はそれとして、これとは別に、今回は、内外の怒涛(どとう)のようなバッシング報道の合間から、もう一つ、見えてくるものがありました。
それは何かと言いますと、典型的には、2/10付のウォーリ・ストリート・ジャーナル紙に引用された複数のトヨタ幹部の言葉に、端的に現れていたもので、それらの幹部は、名前を伏すことを条件に、以下のようなホンネのコメントを寄せたのです。
「今回集中砲火を浴びたプリウスの問題と、そもそもトヨタ批判の発端となったアクセルペダルの不具合は、実は、技術的には無関係のものだったのです。」
「当社が対応を誤り、アメリカ当局の怒りを買ってしまった非は認めますが、現在の問題の60%は、政治的です。」
「(「リコールの対象箇所と事故の間に、必ずしも因果関係があるわけではありませんが」と示唆した上で、)今後、よりシビアな環境に遭遇することを防ぐために、リコールに踏み切りました」と。
先般、総裁も、「この問題である」と特定する(specify)ことを避けながら、以下のようにコメントをされていました。
「国と国との仲が悪くなったときに、
「その国の代表的企業が、本当の原因は別のところにあるのに(当方の政府に対する意趣返しが目的)、そのとばっちりを受けて、経営環境が悪化して苦労する」
という事が、起きることがあります。
政府間では、そういう“高等話術”を使って、相手方に、自らの不快感を伝えることがあるのです。」
そういえば、今日(2/11)付の産経新聞には、
「トヨタは最近、アメリカ議会へのロビー活動がおろそかになり、米国政府の意図が見抜けなかったので、対応が後手に回ってしまった」
という、アナリストの“意味深な”コメントを紹介していました。
これについては、筆者も、昔、経験があります。
かつて1980年代に、「アメリカでロビィストを雇って、貿易摩擦の最前線で火消し作業をする」
という仕事をしていたことがありましたので、この辺りの手触り感は、実によくわかります。
たとえば、オバマ大統領が、何らかの明示的な指示・コメントを出していなかったとしても、一連の鳩山首相の対応(普天間問題など)にアタマにきていた場合には、周囲が大統領の心中を読んで、与党・米民主党の幹部が、阿吽(あうん)の呼吸で(暗黙の了解で)動き出すというのは、よくあることなのです。
特に今回、引き金を引いたのは、米議会では下院(エネルギー・商業委員会)の方でしたから、この下院というのは、非常に大衆的影響を受け易く、「時の大統領が心よく思っていない」というのが見て取れると、あっという間に、タガが外れていくのですね。
「民主党政権下(かつてのクリントン政権など)では、共和党と違って、とりわけそれが起きやすい」とは、かねてより、総裁も指摘しておられました。
ですから、ヘラトリ読者におかれましても、そういう複眼思考を持って頂き、できれば、あなたの周りにいるトヨタ関係者(膨大な数の下請・ディーラーを含め)に対して、
「幸福の科学は、或いは、幸福実現党は、そういう冷静な目で、トヨタのことを見ているよ」と、
是非、伝えて頂きたいのです。
というのも、トヨタというのは、これからの日本を、ある意味で、象徴しているところがあるからです。
ここ2,3年、GM(ゼネラル・モーターズ)を抜いて世界一になることが、秒読みになってから、社内では、
「できたらGMを抜くな」
「もし抜いてしまうことになっても、大袈裟にするな、はしゃぐな」
という声が結構あったことは、私も知っています。
それは、やっかみや嫉妬もあるでしょうし、2/5付のニューヨーク・タイムズには、
“Oh, What a Feeling!”(何て気持ちがいいんでしょう!)
というコラムまで登場したくらいですから、トップに立つことの怖さや、出来れば、二番手のままで楽したい、という気持ちも、わからないではありません。
しかし、この恐怖心(アメリカを抜いてしまったらどうしよう!)が、20年前に、日本の繁栄(巷(ちまた)ではバブルと言うそうですが)を、潰してしまったのですね。(注)
しかし、日本という国も、トヨタという会社も、世界のトップランナーの責任を背負って立たなければならない立場まで、来たのです。
その意味で、幸福実現党は、日本で先陣を切って、その世界に飛び込もうとしているトヨタのことを、応援していますよ!
日本という国も、間もなく、そうなるつもりですからね。
つい数日前、
『松下幸之助、日本を叱る!』(大川隆法/幸福の科学出版)という本が発刊され、今日(2/11)も、読売に大きな広告が載っていましたが、これは、死して後まだ意気軒昂な幸之助霊の、現代の経営者に対するメッセージです。(稲盛新会長に対するJAL再建法のアドバイスなど。)
私の記憶する限り、トヨタの創業者である豊田佐吉氏の、現経営陣に対するメッセージは、
「何事も、世界一を願え。この点において、弱音を吐くべからず」
であったかと思います。
やはり、世界一を目指すのがトヨタの使命なのですから、頑張ろうではありませんか!
正すべきは正しながらも、
「こんなものに負けてなるものか!」
という気概を発揮していきましょうよ!
応援しています。
(2010.2.11)
(注)『奇跡の法』(大川隆法/幸福の科学出版)第二章第一節
「日本人の深層心理にあるもの~アメリカを超えることへの恐れ~」
2010-02-12 21:23