「話を聞いて欲しい」と弱気な様子の電話がありました。
私に連絡をくれた女性は
とても明るく社交的、
だれとでも会話を弾ませるのが上手で、
面倒見も良く、お友達も多い、
そんな印象です。
わからないことははっきり聞く、
違っていることはしっかり訂正する、
放っておけない世話焼き、
うやむやに出来ないところが
頼もしくもあり
心配になる部分でもありますが
私は彼女を尊敬しています。
彼女の話によると、
趣味を通じてお付き合いのあった人にたまたま再会して、
突然の言いがかりが始まったそう。
それも
“みんな言ってる”“みんな迷惑してる”などの言い方だったようです。
彼女にとっては
とてもおとなしい印象だった相手なだけに
その物言いにとてもびっくり。
しかも、話す内容はコロナ禍前の出来事ばかり。
コロナ禍以降、
彼女自身がその人たちとの集まりにはまったく参加していなかったので、
「何で今になってそれを言うの？」
と思うばかりなのだそう。
相手からの罵倒はしばらく続き、
般若のような恐ろしい顔つきをしたまま
興奮した様子で立ち去って行ったとのこと。
電話でその話を聞いただけでも
とても悲しい気持ちになりました。
面と向かって言われた言葉も顔つきも、
なかなか忘れることはできないだろうと思います。
「私は気が強いと思われがちだけど
実はメンタルは弱くて、すぐ眠れなくなる。
お医者さんに睡眠薬は処方してもらってる」
そう言い、
「私はＨＳＰなの」と。
ＨＳＰ（ハイリ―・センシティブ・パーソン）、
人よりも敏感で繊細な気質のことだそうです。
深く複雑に考えてしまう、
刺激に敏感で疲れやすい、
共感能力が高く気を使いすぎる、
あらゆる感覚が敏感、
その繊細さゆえに悩んだり傷ついたりしやすいようなのです。
誰とでも仲良く
いつも明るく
みんなを引っ張っることができる彼女。
それは強さと自信によるもののように
表面的には見えますが、
今どのような状況か
誰がどんな様子か
共感し、気を使う、
それらは
敏感で繊細だからこそ
周囲のことに気がつけるということで、
“放っておけない”と
誰かのためにいつも走り回っているのです。
強くて元気な人、
そう思われがちなために、
何を言っても大丈夫だと思われてしまうのかもしれませんが
おとなしそうに見えていたその相手の人のほうこそ、
内面はとても強く、
傲慢な人なのかもしれませんね。
『もう気にしなくていいよ』
なんて彼女に声をかけたところで
人一倍気にしてしまいうのはどうしようもないことでしょう。
受けた傷が一日も早く癒えますように
願うばかりです。
お友達が多い彼女ですから
きっとこれから先に楽しいことがあると
私は信じています。
「人は見た目が９割」
なんて言ったりもしますが
誰でも
見かけによらない部分を持ち合わせているのは確かなように思います。
勝手な思い込みや先入観で
ついついイメージを持ってしまいがちですが
決めつけてしまうのは危険なこと。
良い人だと思って信用したら詐欺師だった、
なんて事件もありますしね。
油断して自分が傷ついてしまったりしないためにも、
遠慮を忘れて誰かを傷つけたりしないためにも、
“この人はこういう人”と
決めつけてしまうことのないよう
気をつけておきたいです。
