先日会った友人。
彼女には、今年の春から社会人になった息子さんがお一人。
母親譲りの下町気質を待ち
交友関係も幅広く、
それでいて合理的で賢い印象の息子さん。
大手の不動産会社に就職し
今は研修期間で日々勉強中のご様子です。
そんな息子さんが
「ねぇ、うちって借家なの？」
と聞いてきたそう。
会社での研修で知識を得るうちに
自分の暮らす家のことが気になったようなのです。
「そうだよ」と答えると
「貯金もないよね？」と息子さん。
私の友人は一年半程前に自分の店を開いたばかり。
貯金どころか、
今はもっぱら借金の返済中なのも
息子さんはよくわかっています。
「俺、将来結婚しないで親の面倒みるわ」
急にそう言い出したんだとか。
「パパはいつまで働けるかわからないし、
ママは毎日を丁寧に大切にって、今のことばっかりで、二人とも先の心配を全然してない。俺はそんな二人を気にしないわけにいかない」
突然の我が子の言葉に友人は驚いて
「何言ってるのよー！自分の好きなように生きなきゃダメじゃん」
そう言ったそうですが
息子さんの深刻そうな表情に
「私の心配はしなくて良いから、じゃあパパのことを頼むよ」
と、とりあえず
笑いながらそう答えておいたそう。
彼女はこれまで
子育てというよりは、
一人の人間として接してきたつもりだった、と言います。
自分たち親がしっかりしてないから
頼りにならないから
地域の人たちや知り合いの人に
困った時には助けてもらえるよう
普段から挨拶をきちんとして
ちゃんとお付き合いをしておくように、と
伝えてきた、
あの子はみんなに育ててもらった、と。
旦那さんと二人の時間に
息子さんの言葉を伝えたそうです。
「あの子にこんなこと思わせちゃってて
私たちしっかりしないとマズイよねー」
彼女は当然
『俺たちがもっとしっかりしよう』
という反応が返ってくると思っていたのに
旦那さんはひと言、
「おまえが危機感なさすぎなんだよ」
旦那さんは今、
後輩の誘いで仕事を手伝っているそうですが
もともと会社勤めなどはせず
家にいることも多かったんだそうで
「アタシに“危機感ない”なんてよく言えると思わない？」
笑いながら話す彼女。
家庭内の雰囲気の良さを感じます。
彼女は友人も多く
周りからも頼られる存在で
家の中でもきっとそのまんまなんだろうなぁ、と思います。
しっかりしてない、
なんて本人は言うけどとんでもない。
おおらかで頼もしい立派な“お母さん”なのがわかります。
息子さんの提案で
三人それぞれに毎月お金を出し合い
貯金を始めよう、
家も買おう、
そんな話になったそうです。
実現する日は
案外近いんじゃないかな、なんて気がします(*´˘`*)
