カタン、カタタタンという音で真夜中に目が覚めました。窓を開け放して寝たせいで、ベランダから物がぶつかるような音が聞こえてきます。手もとの時計を見ると、午前0時4分。むっくり起き上がって、顔を洗いに洗面所へ。
ザバザバ顔を洗っていると、原稿で気になっていた部分の解決策がぽっと浮かんできました。急いでリビングに戻り、パソコンの電源を付けます。すぐそばで子どもたちが眠っているので、灯りは小さなスタンドだけ。
書き出しと終わりの部分を書き直し、何度も読み返します。そうだ、真ん中のこの部分も関連させてみようと書き直すと、中央で柱のように物語を支えてくれました。
主人公の名前は何げなく書いものの、こちらも関連させようと、違う名前を考えます。思いつく名前が少なかったので、たまひよや生命保険会社のサイトで、子どもの名前が並ぶページを見に行きます。
へー、こんな名前が流行っているのかぁ、うちの子の名前は何位やろう?と、またまた気がそれそうになって、慌てて原稿に戻ります。子どもたちが起きてくると大変なので、プリントアウトは4時からにしようと決めて、PCの画面で何度も気になる部分を書き直し、ひそひそ声で読み上げます。
今までで一番好きかなぁという作品になりました。
朝4時を過ぎてプリントアウトし、子ども達たちが起きださないかとヒヤヒヤしながら声に出して読むと、気になる部分がポロポロ出てきます。また直し、印刷、直し、印刷…を繰り返し、朝7時すぎにようやく原稿が完成。
夫に「9時になったら、裏の郵便局に出しに行ってくる」と言うと、「今日は休みやで」という返事。すぐに家を飛び出し、自転車で15分の郵便局へ走って行きました。時間外窓口が閉まっていて、ドキドキしながら呼びボタンを押すと、しばらくして女の人が出てこられたので、封筒を手渡します。愛しい作品が運ばれていくのを小窓からのぞきこんで見送ります。
郵便局を出ると、ポツポツと雨が降り出しました。子どもたちが起きないうちにと、急いで自転車で自宅に戻りました。