朝、次女の連絡帳を見ると、「牛乳パック(大きいの)1こ」と書いてあるではないですか! 普通のご家庭には、干した牛乳パックがあるのでしょうか?
わが家には、もちろんありません。朝、あわてて牛乳を飲みました。子どもたちにも「もっと飲み飲み~」とすすめ、やっとのことで1パック開けました。
ふぅぅ。朝から、おなかチャポチャポです。
絵本の原稿の見直しは、思った以上に時間がかかっています。
むかし書いた文章は「今の自分だったら、こんなことばは使わない」という言葉ばかりで、考え込んでしまいます。まるで、他人の文章を直すような難しさ。「、(てん)」の打ち方一つにも悩んでしまって、時間ばかりが過ぎていきます…。
【「、(てん)」読点(とうてん)の打ち方〈私の場合〉】追記:2018年9月
「てんの打ち方」で多くの方が検索して来てくださっているようで、ありがとうございます。点の打ち方って難しいですよね。私の場合は、商業広告のコピーライターから、絵本のテキストや幼児・低学年向けのお話を書くお仕事をしたあと、求人広告の会社に就職し、今は紙媒体やネット広告、新卒採用や中途採用や、アルバイト・パート採用のホームページのインタビュー記事などを書いています。
紙媒体かネット媒体か、ターゲットによって、コピーと記事によっても違いますが、ここでは【基本的な点の打ち方(私の場合)】を紹介します。
◆息つぎをする場所で打つ。
これが鉄則! 心地よく読んでいただくためにも、息つぎをする場所に打ちます。職場では声に出しにくいかもしれませんが、小声で読んだり、デスクを離れた場所でぜひ声に出して読んでみてください。感覚を掴む早道になります。読点の打ち方は技術やこだわりよりも、「読んでくださる方への親切さ」に尽きます。
◆二つの文をつなぐとき。
「主語+述語、主語+述語」で文をつなぐとき。例えば、上の文章の場合、
【 朝、次女の連絡帳を見ると、「牛乳パック(大きいの)1こ」と書いてあるではないですか! 】
「朝、次女の連絡帳を見る」と、「牛乳パック(大きいの)1こと書いてあるかはないですか! 」の二つの文なので、あいだに点を打ちます。
◆文節が4つ以上になる場合
「普通のご家庭には、干した牛乳パックがあるのでしょうか?」は、「普通の」「ご家庭には」「干した」「牛乳パックが」「あるのでしょうか?」の5つの文節(言葉のかたまり)に分かれています。3つなら読点は不要。4つならその長さにもよりますが、5つの場合はできるだけ読点を打つようにしています。
◆ひらがなが続く場合
「わが家には、もちろんありません」の場合、なくても大丈夫そうですが、
「にはもちろん」とつなげてしまうので、読点を入れています。文字をデザインとして見たときの視覚的な感覚も必要かなと思います。
ほかにも、
◆文の中で、TPO(時や場所)が変わる場合
◆主語が長い場合
◆副詞のあと
「そして」「また」「けれど」「すなわち」などのあと。
にも打ちます。ただ、最近の傾向では、副詞のあとに読点を打たない若い方も増えてきています。内閣府が定めた日本語の要項は、SNSがなかった時代に定められた要項。書籍や雑誌とインターネットでは文字の間隔や見方が変わってきます。昭和に決められた要項よりも、時代に合わせた書き方が重要だと私は思っています。
◆コピーの場合
キャッチコピーを書く場合は、変わってきます。「主語、述語」の2語の場合にも打つことがあります。
小説などは、読点の多い作家さん、読点をほとんど打たない作家さんもいます。この場合も読む方が「心地いい」と思われている感覚が大切だと思います。
点とよく似ているのが、中黒です。
◆「、(読点)」と「・(中黒)」の違い
上の文章で、「幼児・低学年向けのお話」の場合、「幼児」と「低学年向け」はどちらも並列で、「お話」にかかっているので、中黒を使います。
「読点の読み方は個人のセンス」「決まりなんてない、自由だ」と思われている方も多いかもしれませんが、ビジネスやSEOの観点で考えると変わってきます。
「読点が多い」とクライアントからダメ出しが出る場合があります。SEOの観点では、読みにくくて、離脱につながる場合もあります。
逆に、読点の入れ方で「すうっと入ってきました」「感覚がピッタリ合いました」と喜んでいただけると、ライター冥利に尽きます。
たかが読点、されど読点。
ぜひ、最後の最後まで試行錯誤を繰り返してみてはいかがでしょうか。その結果、自分の中で「この場合は打つ」「このときは打たない」というブレない軸を持つことが、文章を書くスピードアップにつながります。