今の気持ち

その時感じたことを綴っていきます。
時には日記風に、時にはtwitter風に。

人間性

2007-01-29 23:26:52 | school
今日は3月に退職されるK教授の最終講義を聞きに行きました。
最終講義だけに会場は大入り満員

K教授は水俣病について研究されてる方です。
最終講義も、水俣病についての講義。

水俣病は、排除に始まり排除に終わった。
まず最初に法的・政治的な排除が作られて、徐々に
社会的な排除につながっていったのだ。

そして、金の賠償で償おうとする、弁護団の和解で丸く
おさめようとする排除を執行する政治が行われていった。
被害者を出してはいけないという発想はなく、
産業の発展が優先されていった。

水俣病は一般には、悲惨な過去ととらえられいる。
しかし、患者やチッソの社員や様々な人が参加して、
加害責任を共有し、被害を超えていこうという取り組みが
なされていた。

また、被害者は、水俣病天のたまものととらえていた。

水俣病になったおかげで、“人間とは”について考えられるようになった。

そして患者の方の3つの誇り。
水俣の魚を食べ続けた。
水俣病になりながらも子供を生み続けた(中絶のような選別はしなかった)。
チッソを殺さなかった(生命の共同性を見出せた)。


ただ一言、じーんときました。
涙が出てきました。会場のあちこちで鼻をすする音が聞こえて
きました。

他にも、被害者がチッソの社長と一対一になったときに攻め立てるのでは
なく「好きな本は何ですか?」等の人間性を救い出そうとする質問をしたなど、
K教授はおだやかな口調で「人間捨てたもんじゃない」と思わせてくれることを
話してくれました。時節目をつぶって、あの時のあの瞬間に戻りながら。

人生をかけて水俣病救済に取り組んでいくその姿、かっこよかった
私も第2の人生を終わるとき、“これを成し遂げたんだ!”というものが
欲しいと思った。

40年かけて探していこう。