Lunatics in the air

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「LOVEDEATH」@ゆうばり<映画ネタバレ編>

2006-03-08 | 「LOVEDEATH」@ゆうばり
※言うまでもなく、映画「LOVEDEATH」ネタバレです※
※劇場公開時には大幅に変わっている可能性があります※




砂丘に、人間が点々と横たわっている。
死体。死体。死体・・・

その中に、ひとり、黒い皮の上下を着た男。
横向きに丸まって倒れていた、小柄な身体が動く。

綺麗な顔を苦痛に歪め、脚を引きずり立ち上がる。
サイ。この映画の主人公。

サイは言う。
この女と出会ったのが、ことの始まりだと。
1年前に3日間だけ恋人だった女。
その女に呼び出され、再会した時から全ては始まった。
そして、「あと1人、殺すつもりだ」。

視線の先に、赤い上着と水色のビスチェを着た女。
シーラ。サイの人生を狂わせた女。

サイの手には、大きな箱のようなカバン。
歩き出す2人のバックで、車が爆発し、燃え上がる。


LOVEDEATH

時間が遡り、物語は始まる。


シーラが言う。

クリサリス・デイ。蛹が蝶になる日。
その日をどう過ごすかによって人生が決まる日。
いつその日が来るのかは、あらかじめ決まっていて
誕生日で割り出したシーラのその日は今日。

「サイも私と誕生日、同じでしょ?
 一緒にクリサリス・デイを乗り切りたいの」

そして、運命の1日が始まった・・・


<感 想> ※激しくネタバレ含む※

最初「俺は関係ない!」と言っていたサイが、
シーラを信用出来ない女だと知りつつも
命をかけて彼女との未来を手に入れようとする。

「愛」か「死」か?!
きっとこれが、タイトルの由来。

真治君演じる主人公のサイは、
もっと壊れた男なのかと思ってたんだけど、
意外にもまともに可愛くてかっこよかったです。
シーラと再会した最初は、いい加減な、
適当に甘い言葉を囁く男に見えるんだけど
最後は愛のために命をかける男になってるし。

個人的には、もうちょっとサイも壊れてても
良かったのかもなー、とも、思う。
周りの人のキャラが濃すぎるんだもの(笑)
でも、素で会話してるようなシーンや
どう見ても素で笑っちゃったシーンもあって、
ひとりだけ自然体なショットが多いのはうれしい。
だから、これはこれでいいかぁ、とも思う。

サイは、殴るシーンが思ったより少ないせいか、
凶暴な男っていう感じはあまりしなかったな。
一番凶暴に見えるのが、冒頭の回想シーンで
シーラの兄さんを殴ってるところ(笑)
でも、銃を撃つ時に全く何のためらいもなく
あっさり引き金引いてるように見えるのは
サイがもともと人に危害を加えることに
ハードルが低い人間だったからなのかも。
シーラをいたぶってた親分を撃った時は、
よりによって一番ひどいとこ撃っちゃうし(笑)

(銃は発砲するけど人は撃たないKとは、
 その点、まったく逆なわけだよね)

冒頭にも出てくる砂丘での対決シーンで
サイが着てるのは、黒い袖なしの皮の上下と
大きめなエンジニアブーツなんだけど、
これがすごく似合っててかっこいいし可愛い!!
砂浜(砂丘?)に寝転がっているサイを
上空から見下ろすショットがあるんですが
その全身ショットが激しくツボでした。
(マニアックでごめんなさい)

逃げてる時の、上半身裸に毛皮の上着、って
いう格好も、なかなかセクシーでいいっす!
売店のおばさんに「なんでハダカなの?」って
突っ込まれたりして困ってるのも可愛いし(笑)

セクシーといえば、サイとシーラって映画の中では
抱き締めと、キスまでしか出てこないんですけど、
たぶん真治君のせいじゃないかと思うんですが
ちょっとそういう雰囲気になりかけて
会話をしてるだけのシーンでもなぜかエロい・・・

あとアレですね。
最初に拉致監禁された後に出てくる、
サイが電流流されて拷問を受けるシーン。
その様子がまた、無駄にエロい(笑)
なにせ上半身脱がされてるんだもん。
サービスショットなのか?!


ところでこの映画。

ストーリー的にはごく単純。
親分の愛人(シーラ)が金を盗んで逃げ、
昔の男(サイ)に声をかけ、2人で逃走。
親分と手下が金と女を取り戻そうと追い、
金を横取りしようと悪徳刑事も彼らを追う。


の、はず、なのですが。


大量に出てくる我が道を行くキャラ達が
勝手に四方八方に暴走しっぱなしなもんで、
途中で「おいおい、何の話だよ?!」になる(爆)
サイとシーラが出ない時間が結構長いんです。

彼らを追うために放たれた殺し屋軍団が
「カップルだー!!!」と叫んで
カップルを手当たり次第殺しまくったり、
ヤクザ達が何故かずっとボウリングしてたり、
刑事がメイド喫茶で拳銃ぶっ放した挙句に
メイドさん触りまくって胸に札束ねじ込んだり、
犬が大変なものを食べちゃったり。

エロというか、おバカな下ネタが多いし、
ショッキングなスプラッタシーンもてんこ盛り。
くすっと笑わせる小さな笑いどころも、
見てて笑い死にそうになるポイントも山ほど。
あってもなくても話に影響しないシーンだらけ(爆)

予想外のピンポイント豪華キャストも加え、
おいおい、そこまでやっちゃうか?!っていう
「やり過ぎ感」が激しく濃厚に漂いまくる。
(いい意味で言ってます)
どのシーンもお腹いっぱいフル稼動で
3時間弱、息もつかせない暴走特急状態!!

ゾンビは出てこないけど、死体は大量。
なのに、全体的な雰囲気は思いのほか美しい。
それはやっぱり主演の2人が無邪気で美しく、
ラスト間際で2人が愛を確かめ合う情景が
ラブストーリーらしく美しいからなのかも。


噂では、今回のゆうばりバージョンよりも、
劇場公開時には相当時間が短くなるらしい。
そうなると、多分、暴走しまくりの場面のうち
いくつかの場面は丸ごとカットじゃないかな。
今回は暴走メインの造りになってたけれど、
話の流れと関係ない枝葉がカットされると、
サイとシーラのストーリーが強調されて
より感情移入しやすい流れになるのかも。

まさか、逆に笑いがさらにメインになって
2人の出番が減ったりしないですよね???
高橋ツトム氏に「1分に1回笑わせる」って
言ったとか、言ってましたけど・・・

新しく撮るシーンもあるそうなので、
今度劇場で見る時には、一旦心を白紙にして
初めて見るような新鮮な気持ちで見たいです。

ゆうばりで見たバージョンも、
何らかの形でまた見られればうれしいな。
どこが変わったか見比べられるし。

そうそう。
「ヒート・アフター・ダーク」に出てきた
お巡りさんが出てきました。
「息子が横浜の近くの八王子にいる」って、
また前と同じこと言ってましたよ。

あの映画もゆうばりで上映したそうだから、
あえて同じネタを出して来たのかな?
考えすぎ・・・???


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