初回視聴率10.1%
一桁がざらという昨今のドラマ視聴率からすれば健闘した
ようにも思えるが、国民的アイドル嵐の中でも人気が高い
櫻井翔主演とあっては少し物足りなさを感じるかも知れない。
でも考えようによっては櫻井翔だから二桁に載せた、という
見方もできるように思う。何故なら、社会派の学園モノは
角度は違えど、これまでにも似通った内容の物があり、
さして目新しさは感じないからだ。エリート商社マンが
派閥争いに負け出世コースを外れて校長になるという設定が
そもそも興味を引かないな、と。そういう人が校長になった
場合、教育現場でどういう反応になるかは大体、予想できる。
確かに学校を運営するにはお金が必要だが、学校において
の「利益」や「結果」は直ぐに可視化するものではない。当然
のことながら学校で行われているのは「教育」であり、育てら
れているのは無論『人』なのだから、無機的物質を生産または
販売して得られる場合の対価に相当するものはない。もし、それ
が人の目の前に示されることがあるとすれば、教育された子ども
たちが社会に出たあと、何かしらの偉業を成し遂げ、人々が称賛
を与えたり、明らかにその偉業によって得られた利益が社会に
フィードバックされたような時なのかも知れない。そういう場合
彼らがどこの学校を卒業したか、ということが取り上げられ、「恩師」
というような言葉も使われることがあるからだ。まさに学校で
なされた教育や教師が与えたものが社会の役に立ったというささやか
な証にもなろう。しかしほとんどの場合、教育現場では大きな変化
などはない。日々の授業や行事を通じてなされた教育がどのように
生徒に結び付いていくのか、その成果を知るには長い年月を要する。
偏差値の高い大学や有名な企業に生徒を送り込むことだけが、良い
教育の成果だと考える社会的傾向こそが子どものための真の教育を
阻害しているかもしれない。などと私などは考えてしまうのだが。
放送前から教師を批判的に描き、学校教育に幻滅を感じさせる内容
になるのではないか。とすれば教育関係者は余り見たくないだろう。
教師も人であるから、全てが教師の適格者であるとは思わないが、
現場で生徒としっかり向き合っている教師も大勢いる。しかしドラマ
というものはノンフィクションでもない限り、そういうまともなこと
をいっていては話が盛り上がらないから、極端なダメな教師対熱血校長
という対比を強調してくるのだろうと予測していた。そしてまた、熱血
校長に扮しているのが過去に総理大臣になって欲しい芸能人のNo.1に
輝いた嵐の櫻井翔なのだから熱血校長の一人勝ちで面白くもなんともない。
というわけで、視聴前は正直、視聴率はそれほど上がらないのではないか
と思っていた。二桁割れも十分にあるとも。しかし強力な番宣の効果と、
ありがたいファンのおかげでギリギリ10%を超えた。
さて、実際視聴してみると、予想通り、「さすがにこんなに酷い教師はいないだろう」
というくらいの教師のダメっぷりを描き出したのにはやや食傷気味になったが
経費節減に固執し中学校への「営業」を行い、生徒を顧客として扱えという
教育現場に馴染もうとしない新任サラリーマン校長側の挫折もそこそこ描かれて
おり、予想していたよりはそれほどに内容は酷くなかった。話のテンポも良かった。
それもそのはず。脚本は福田靖。あの社会派の大ヒットドラマ『HERO』を手掛けた
ヒットメーカー作家だ。ドラマ中、多少の眠気を催したが、何とか最後まで
見終えた。特に、最後の場面では校長が生徒に奨学金の返還の現実を教えて、
励ましを贈るつもりが、逆に不安と恐怖心を植えつけ、拒絶される場面では
これまでのドラマにはない興味を惹く展開に「おっ」と思わされ、次週の視聴へ
と気持ちを繋いだ。2話の視聴率は更に厳しくなることも予想されるが、しばらく
は見てみようと思う。さて、火曜のドラマにも所謂学園モノが井上真央主演で
放送される。こちらは未視聴だが、スクールカウンセラーを題材にしており、
昨今の教育現場での事情を踏まえると、なかなかに興味深いテーマである。
演技力がある井上真央が主演だけに期待もある。また仲間由紀恵の怪演にも
注目が集まっている。学園モノ対決。どちらに軍ぱいが上がるだろうか。
一桁がざらという昨今のドラマ視聴率からすれば健闘した
ようにも思えるが、国民的アイドル嵐の中でも人気が高い
櫻井翔主演とあっては少し物足りなさを感じるかも知れない。
でも考えようによっては櫻井翔だから二桁に載せた、という
見方もできるように思う。何故なら、社会派の学園モノは
角度は違えど、これまでにも似通った内容の物があり、
さして目新しさは感じないからだ。エリート商社マンが
派閥争いに負け出世コースを外れて校長になるという設定が
そもそも興味を引かないな、と。そういう人が校長になった
場合、教育現場でどういう反応になるかは大体、予想できる。
確かに学校を運営するにはお金が必要だが、学校において
の「利益」や「結果」は直ぐに可視化するものではない。当然
のことながら学校で行われているのは「教育」であり、育てら
れているのは無論『人』なのだから、無機的物質を生産または
販売して得られる場合の対価に相当するものはない。もし、それ
が人の目の前に示されることがあるとすれば、教育された子ども
たちが社会に出たあと、何かしらの偉業を成し遂げ、人々が称賛
を与えたり、明らかにその偉業によって得られた利益が社会に
フィードバックされたような時なのかも知れない。そういう場合
彼らがどこの学校を卒業したか、ということが取り上げられ、「恩師」
というような言葉も使われることがあるからだ。まさに学校で
なされた教育や教師が与えたものが社会の役に立ったというささやか
な証にもなろう。しかしほとんどの場合、教育現場では大きな変化
などはない。日々の授業や行事を通じてなされた教育がどのように
生徒に結び付いていくのか、その成果を知るには長い年月を要する。
偏差値の高い大学や有名な企業に生徒を送り込むことだけが、良い
教育の成果だと考える社会的傾向こそが子どものための真の教育を
阻害しているかもしれない。などと私などは考えてしまうのだが。
放送前から教師を批判的に描き、学校教育に幻滅を感じさせる内容
になるのではないか。とすれば教育関係者は余り見たくないだろう。
教師も人であるから、全てが教師の適格者であるとは思わないが、
現場で生徒としっかり向き合っている教師も大勢いる。しかしドラマ
というものはノンフィクションでもない限り、そういうまともなこと
をいっていては話が盛り上がらないから、極端なダメな教師対熱血校長
という対比を強調してくるのだろうと予測していた。そしてまた、熱血
校長に扮しているのが過去に総理大臣になって欲しい芸能人のNo.1に
輝いた嵐の櫻井翔なのだから熱血校長の一人勝ちで面白くもなんともない。
というわけで、視聴前は正直、視聴率はそれほど上がらないのではないか
と思っていた。二桁割れも十分にあるとも。しかし強力な番宣の効果と、
ありがたいファンのおかげでギリギリ10%を超えた。
さて、実際視聴してみると、予想通り、「さすがにこんなに酷い教師はいないだろう」
というくらいの教師のダメっぷりを描き出したのにはやや食傷気味になったが
経費節減に固執し中学校への「営業」を行い、生徒を顧客として扱えという
教育現場に馴染もうとしない新任サラリーマン校長側の挫折もそこそこ描かれて
おり、予想していたよりはそれほどに内容は酷くなかった。話のテンポも良かった。
それもそのはず。脚本は福田靖。あの社会派の大ヒットドラマ『HERO』を手掛けた
ヒットメーカー作家だ。ドラマ中、多少の眠気を催したが、何とか最後まで
見終えた。特に、最後の場面では校長が生徒に奨学金の返還の現実を教えて、
励ましを贈るつもりが、逆に不安と恐怖心を植えつけ、拒絶される場面では
これまでのドラマにはない興味を惹く展開に「おっ」と思わされ、次週の視聴へ
と気持ちを繋いだ。2話の視聴率は更に厳しくなることも予想されるが、しばらく
は見てみようと思う。さて、火曜のドラマにも所謂学園モノが井上真央主演で
放送される。こちらは未視聴だが、スクールカウンセラーを題材にしており、
昨今の教育現場での事情を踏まえると、なかなかに興味深いテーマである。
演技力がある井上真央が主演だけに期待もある。また仲間由紀恵の怪演にも
注目が集まっている。学園モノ対決。どちらに軍ぱいが上がるだろうか。