青に恋

好きなことについて書いていきます

『先に生まれただけの僕』第3話

2017-10-28 22:57:51 | ドラマ、映画、読書感想
今日は今までのお話の中で一番見応えがあった。最初はまた、オチのない話で終わるのだろうか

と思ってみていたら、後半はきちんと明るさの見える形で落ち着いていたので安心して見られた。

偏差値の高い進学校であれば高校の3年間の勉強はほとんど受験のためのものといってもいい。

私学は特に勉強時間が長く、8時限目まで行い、さらに放課後に補習や特別講習などを行っている

ところもある。中学校では最早、塾は当然に近い環境である。大阪市では元市長が塾を推進していたの

で、現在も上限はあるが塾にかかる費用を助成する制度もある。高校になっても塾に行く子どもが

いるし、大学進学のために予備校などに通う子どもも多い。だから私学に通えば塾に通う必要が

ないので学費などにお金はかかるが塾代が浮けば、その方が得だという考えもあるようだ。さて

今日のドラマの主なテーマは『デジマン』『アクティブラーニング』だったが、『デジタル万引き』

のことを話している鳴海校長の話を聞いていると、何故かはわからないが「ジャーニーズ事務所が

タレントの著作権を守るのは何故か」という話をしているように思えてきたのは穿ち過ぎだろうか。

主演の櫻井翔の所属事務所であるジャニーズはネットで一切動画や写真を使用しないことで有名。

例えば映画の舞台挨拶の際のフォトセッションですらネットニュース用の撮影時は主演にも関わら

ずジャニーズのタレントを除いたメンバーで一旦写真を撮り、その他の雑誌などの媒体のため

に再びタレントを加えて撮り直すという徹底ぶりだ。またドラマの公式のホームページの写真も

なく、イラストを載せていればまだましだといえる。このドラマも黒板アートがホームページの

トップ画になっている。顔写真など画像を載せることは、転載や悪用されて自社のタレントに多大な

迷惑がかかり事務所に大きな利益損失が生まれるという考えなのだろうが。今の世の中ではネット上

でどのように露出するかで人気が大きく左右される。それを上手く利用してビジネスチャンスに

繋げて行く方が得策だ、という考えは素人だなどと言い切れないだろう。実際ジャニーズを退社した

元SMAPのメンバーがネットTVを取っ掛かりに売り出しを図っている。が、ジャニーズの姿勢は、

櫻井翔が鳴海校長として語っている話だったが「漫画家さんは命を削って作品を作って売って収入を得ている。

いくら漫画が大好きだからをいっても関係ない。実はそれは結果的に漫画を書いている人を苦しめて

しまっている。その人のことを侮辱し仕事を無意味なものにしてしまっている」という言葉がとても

良く表しているように思えた。本当にその通り。鳴海校長の話は筋の通った良い話だ。といいたい

ところだったのだが。何故、このドラマで櫻井翔に語らせる必要があったのか。「アクティブラーニング」

のことだけでも十分良かったのではないか?ファンにしてみれば、そういう正論は分かるが、もっと

自由にネットで嵐の姿に触れたい、と望む声がある。例えば最近の嵐の姿は映像化され販売される

ことがほとんどだが、最近の嵐人気でファンになった人たちは時間を遡ってまだブレイクする前の

嵐の画像や動画を見たいと思う人たちもいる。そういうものに触れられるオープンな場ができれば

ファンのストレスも減り、また新たなファンの掘り起こしやさらに人気をあげることに繋がるかも知

れないと考えるのだが。

さて、もう一つのテーマ「アクティブラーニング」の話に戻るが、既に教育現場ではさかんに使われて

いる言葉である。実際に力を入れている学校は多くある。図書館やインターネット環境を充実させて

調べ学習をさせるやり方や英語の授業でもネイティブの講師が採用されている。そこではロールプレ

イングをおこなったり、何かのテーマについて調べて皆の前で英語でプレゼンテーションしたり。

など。そういう授業は確かに一方的に教師の話を聴いているより、文字通り「能動的な学習」として

生徒の興味を引きやすい。が、今日の話のように、教科書があるわけではないのでやりようはいくら

でもある反面、クオリティーの高いものが求められ、教師のティーチスキルも必要になってくるのだ。

だがこのような教授法は日本においてはまだまだ歴史が浅く、教師も学んでいかなければならない。

今日の話は目の付け所は良いと思ったのだが、何故、この学校ではアクティブラーニングが禁止

されていたのかが疑問だ。スキルを学んだというプロの教師がいるなら、大いに賛成という立場

が普通だと思うのだが。いくら私立だからといって、現行の学習指導要領の目指す子どもの学び

方に添うなら、否定はされないような気がするのだが?というような疑問は残ったが。校長が

教壇に立つという「あり得ない」状況は解決されていないが。ドラマだから、仕方がないのか。

しかしそれならば、とまたしても考えてしまうのが、何も櫻井翔を校長にする必要はなかった

のではないか?もっとストレートに学校の先生、としても良かったのではないだろうか。それと

もう一つ、やはり鳴海の恋人に元同僚が横恋慕している件は必要を感じない。さらに校長が

保健室に入り浸る設定もどうなのだろうか?44程度の偏差値の学校なら、保健室の生徒利用者

はもっと多いのが普通なのでは?生徒より校長の方が利用する頻度が高いのに違和感がある。

プライベートで恋人に愚痴り、学校では養護教諭に慰められ、現場では蒼井優扮する教師に

諭される。こんな優しく逞しい女性にばかり頼っている男が、厳しい大手商社のエリート営業マン

だったのか?という疑問もわく。アイドルの櫻井翔を配役したせいで、キャラクター設定が

結構ブレてきている気がする。民間校長が悪戦苦闘する江口洋介主演のドラマが数年前に

もあったと記憶しているのだが、あのドラマも内容はさておき視聴率が厳しかったと思う。

教育現場の改革というのは単純な企業の経営改革とは違う。精神論的には通じる理屈もなくは

ないが根本的な組織の性質が違うので通用しないものの方が多いのだ。それを上手く書かないと

オチのない暗いストーリーが延々と続くことになる。明るくしてしまうと結果的には単なる

絵空事になるのでは魅力がない。今後1、2話で離れた視聴者をどれだけ戻せるか。見守りたい。